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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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『亮に伝える。絶対喜ぶよ、あいつは…マジに恭香のこと…可愛いと思ってるから』



『そんなこと、わかるわけないよ』



『わかるんだ…亮の顔見てたら。あいつ、お前のこと話す時の顔、本当に嬉しそうだった。笑顔が可愛くて、優しい人だねって…恭香のことそう言ってた』



朋也さんは、すぐ横にあった小さな水槽を見た。



小さくて色とりどりの熱帯魚が、ユラユラと泳いでいる。



『亮は、恭香に恋してた』



ドキっとした。



私を見ないで、水槽を見つめたままサラッと言ったその言葉に…



『朋也さん、変です。顔見ただけで恋してるとか…わからないですよ。だいたい朋也さんに、人が人を好きになる気持ちとかわかるんですか?』



どうしたんだろ、私。



こんなに攻撃的な口調で、しかも…



また敬語に戻ってる。



『…』



朋也さん、黙ってる。



ズルいよ、何も言わないなんて。



私達は、いつの間にか、最初に見た大きな水槽の前に戻っていた…



『俺は…亮に…焼きもちを妬いた』



『…え?』



『スタジオで恭香と亮が楽しそうに話してるの見て…恭香が笑顔で笑いかけてるのが…ちょっと…嫌だった。これって…ヤキモチだよな』



『そんな…』



『恭香。俺、ずっと、ずっと…言いたくて言えなかったことがある』



朋也さんが、私を真剣な顔で見た。



こんな私を…



こんなに素敵な人が…



嘘みたいに綺麗な瞳で、じっと見つめてくれてるんだ。



『俺は…恭香が好きだ。ずっとずっと前からお前を想ってる』



『朋也さん…嘘…』



水槽の魚達が止まってる…?



周りの人達も…



ここだけ時間が止まった…?



体が動かない。



私、生きてる?



死んでない?



大丈夫、心臓の鼓動は聞こえてる。



自然に…



涙が浮かんで、そして、流れ落ちた。



やっぱり、生きてる…



失恋した時とは、全然違う涙。



何か…心が温かい。



『朋也さん…本当に?どうしてこんな私を…』



やっと言葉が出てきた…



『恭香は覚えてないだろう。俺は会社でずっと前にお前に会って、勝手に一目惚れした』



『嘘…私に一目惚れ!?』



朋也さんと前に会ってたなんて、私、全く思い出せなくて…



『恭香が入社した頃、第1会議室にお茶をいつも用意してくれてただろ?俺は、あのメンバーの中にいたんだ。黒髪でメガネの…社長の隣に座ってた』



『え…あ…あの、あの人!?』



確かにいた。



記憶の中にちゃんとあった。



だけど、今の朋也さんとは…全然違うような気がする…



あの頃、仕事のミスをするのが怖くて、ただ目の前のことを全うすることだけに集中してたから。



とにかく必死だった…周りもちゃんと見えてなかったんだ。



余裕が全然無かった…と思う。



あの時の私を、朋也さんは見てくれてたって言うの?



本当に?



朋也さん、一目惚れしたって言ったよね?



信じられない。



有り得ないよ、そんなこと。



もう、頭の中がぐちゃぐちゃだった。

私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!

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