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数十分歩いた頃 、ゼノはクタクタになってスタンリーに担がれていた。
そんな状況に 軽くクスッと私が笑うと、スタンリーに担がれているゼノに睨まれる、
千星 「っくく 、… 兄もそうだけど科学者ってみんな 体力ないの? スタンリー、 」
生憎 、自分は 兄みたいになりたくないと、趣味で陸上を始めたが、これが案外楽しく、小学生では全国大会で優勝した経験もある。
私は、兄の姿を思い浮かべ、スタンリーにそう問い掛ける 。
スタンリー「っは、 そうだな 。 ゼノは体力ミジンコ並だかんね 、こんな14歳の女の子に負けてんぜ 、ゼノ先生 」
私とスタンリーでゼノを煽りながら 、歩き続ける 。
ゼノはムスッとした顔をし 乍、こちらを見てくる、 何故かそこに 可愛らしさを感じるが そんなことは気にしないでいると、
スタンリーに声をかけられる
スタンリー「 あんたは疲れてねぇの ? 」
私のことを気遣ってくれているのか、 将又、女だからって 舐められているのか、分からないが、とりあえず尋ねられたのだから応えよう、
千星「 一応、 陸上してるから 余裕 。 」
スタンリー「へぇ、…疲れてたなら担いでやろうと思ったけど 、大丈夫そうじゃん、やんね、 」
いつの間にかスタンリーが自分の隣に来て頭を掻き混ぜるように撫でてくる、
千星「 痴漢で訴えるよ ~ スタンリー 。 」
実を言うと良く白夜に撫でられていたので満更でもなかったが、ひとまず棒読みでそう返したら、「OK 、もうやらねぇよ、」 なんて 言って 手を離された。
そうして次はゼノが口を開く、
ゼノ「さっき猥褻行為で捕まると言ったのは君だろう? 勝手に女性に触るのは良くないよ、」
正論だ。 でも、さっき人の身体をジロジロ見てきた奴に言われても説得力が微塵もない。
まぁ、さっきの行動は、多分 健康チェックとか、合いそうな服を見つけるための計算だったとは思うけど。
そう考えていると、スタンリーがゼノに反論する、
スタンリー「 よく子供を褒める時頭撫でんだろ 、 そんくらいで捕まんねぇよ、 。 」
千星「…スタンリー、さっきから思ってるけど 子供扱い するな 。 」
私はスタンリーの言葉にツッコミを入れる 、
スタンリー「 んだよ、 女性扱いの方が良かったか ?」
なんて言っては私の前を歩いていた彼は後ろを振り返り、ニコと わざとらしく微笑む。
そんな行動に やっぱり顔はいいんだよなぁ なんて思い乍 、
「いや、 …まぁそっちの方がいい 。 」と応える 、
すると、 慌てたように ゼノが口を開く 、
ゼノ「スタン、千星 、!もうすぐ 日が暮れる よ !」
その言葉を聞いて 、冷静に スタンリーが私に問う、
スタンリー「 チセ 、 走れば 後2分で着く 、着いてこれるか? 」
私は ふっと笑っては、スタンリーにコクっと頷く 。
スタンリー「OK 、迷子にならねぇようにな 。ゼノはしっかり掴まっとけよ 、」
そう言っては 、流石は軍人 。 直ぐさま走り出した 、
それに置いていかれないように、自分も全速力で走る 。
ゼノ「大丈夫かい ! 千星 、! 」
スタンリーに担がれ乍 、ゼノは後ろを向き私を心配してくる、 段々荒い息になってくるが、まだ余裕 だ。
大丈夫、と言いたいところだが、喋るのは疲れるし面倒臭いので 、私はゼノに向けて 右手で グッドポーズを見せる 、
そうすると、
スタンリー「おい 見えんぜ、俺らの城が。 」
私は全速力で追いかけ乍、スタンリーの目線の先を見る 、するとそこには 広大なコーン畑に、滑走路、そして 巨大な城があった 。
それを見た途端 、私は 好奇心を唆られ 目を輝かやかせる、
私の表情を見た ゼノは 頷き 乍、ドヤ顔をする。
丁度2分くらいだろう、 漸く城 の門の前に着いた。
流石に 特殊部隊の隊長を務めている軍人には追いつけない、
私は 膝に手を置き 、荒い息を整えようとする、
すると、ゼノが ボトルを私に手渡す 。
ゼノ「水だよ 、流石にスタンのスピードで走るのは疲れただろう、 」
私は 「あり、がと… 」と 掠れた声を出し乍、渡された 水を飲む、
その後、全然息切れをしてない スタンリーが近づいて きた、
スタンリー「へぇ、軍でも俺のスピードに着いてこれる奴あんま居ねぇのに やんじゃん。 」
と 、言っては私の肩を叩く。 そう言ってるがきっと、本気じゃなかったんだろうな 、と思う。
ひとまず水を全て飲みきり、ボトルをゼノに返す 、
ゼノ「 もう、大丈夫そうかい ?」
この時にはもう荒い息もだいぶ収まり、落ち着いてた。
なので、
千星「大丈夫 、 とりあえず 疲れたわ、 」
そう言えば、ゼノは こちらの顔を伺い、話し出す、
ゼノ「それなら、一旦部屋に入ろう、 。 これまでの経緯 なんか を 説明するよ、」
お言葉に甘えて 、城に入れさせて貰うことにしようと思う、というかそれ以外の選択肢はない。
スタンリーは門の扉を開けては、手の平を上に向け、手招きをした。
ゼノに手を差し出されたので、何も疑わず、手を取った、その時 のゼノの行動が少しぎこちなかったのように見えたのは気のせいだろうか。
ひとまず、ゼノの手を 掴み乍、私は城に入る 。
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