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それは、秋の季節のことだった。
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俺はいつも通りに学校に行って、後ろの扉から教室に入った。ガラガラと少しばかり音が鳴る。でもそれに反応する奴は居なかった。妙に静かだと感じた俺はここでやっと、教室の中を見た。
そう、このときやっと、教室を見たんだ。
教室の中にいる同級生は皆、俺の方なんて見向きもせず、ただ一点、教卓を、いや、正確に言えば教卓の上を、ジーーーっと効果音がつきそうな程に見つめていた。
一体何を見ているんだと思いながらも、俺は気にせず自分の席に座り、友達に話しかけた。だが、友達は俺の声が聞こえていないかのように反応を示さなかった。俺の友達もまた、教卓の上をジッと見つめていた。
周りを見てもやはり皆、教卓の上を見上げていた。目を見開く奴、口をぽかんと開ける奴、中には青ざめてる奴までもがいた。
なんだなんだと視線を追って教卓の上を見た。
視線を追わなければ良かったと、後悔した。
周りが見ていた教卓の上には、首を吊ったまま力なくぶら下がった担任の姿が、酷く、酷く、鮮明に暗く重く、俺の瞳に映った。
頬を抓ると、痛みは感じなかった。