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こんにちは!さんちゃんです!
見ていってくれると嬉しいです☺️
ご本人様には全く関係ありません!!!
目覚ましの音は、あの日からずっと、あいつの声だ。
『朝です。午前7時になりました。』
事務的な声と共にカーテンが開けられる。
「おはよう・・・」俺は布団から顔を出して言った。
『・・・おはようございます。』
一年前のある日、恋人のけちゃを失った。
交通事故だった。
相手の運転手も、助からなかったらしい。
けちゃと俺は、学生の時から付き合っていて、社会人になったのを機に同棲を始めた。
このままずっと、幸せな日々が続くと信じていた。
だが、けちゃと俺が喧嘩した日、あいつは家出をする。俺はずっと気が気じゃなかった。
嫌な予感がして、もしかしたらけちゃがもうずっと、帰ってこないんじゃないかって。
ーーその予感は的中した。
けちゃは帰ってこなかった。
けちゃに電話しても繋がらなくて焦っていた俺に突如かかってきた電話。
病院からだった。
けちゃが車に轢かれて意識不明だ、と静かに告げられた。
俺は急いで病院へ向かう。
けちゃの居る病室に行くと、俺より先にけちゃの母親が居た。
「君とけちゃが喧嘩して、けちゃが家出したんだってね。」けちゃの母さんは俺を睨んで呟く。
けちゃにも、けちゃの両親にも申し訳なかった。
その後、けちゃの父さんも現れた。
俺たちは口論、そして取っ組み合いになる。
俺はそのまま病室から追い出され、けちゃの最期を看取ることが出来なかった。
俺はしばらく家から出なかった。
けちゃの遺したものを全部かき集めて、ひたすら謝って、謝り続けた。
そんなある日、けちゃの母さんから連絡が来る。
渡したい物がある、と言われ、けちゃの実家へ向かうと、けちゃの母さんは、「恋人だったあなたに、けちゃの声が録音されたものを。」と人工知能が搭載されたスピーカーを渡してくれた。
俺は、家に帰ってすぐ、そのスピーカーの人工知能に「けちゃ」と名付けて暮らし始めた。
「ねぇけちゃ、朝にピッタリな爽やかな音楽を流して。」
『かしこまりました。朝にピッタリな爽やかな音楽を流します。』
「ねぇけちゃ、俺の名前を呼んで?」
『…はい。まぜ太さん。』