一途『はぁ、』
三奈『なんか、ここ最近ずっとため息だね』
一途『いや、駿がさ、』
三奈『またそれ』
一途『え、?』
三奈『最近口開けば、駿、駿、って』
一途『ごめ、なんか口癖みたいになってる』
三奈『ちょっと!一途は誰かの名前が口癖になんてならないでしょ!』
一途『わかってる、』
三奈『駿って、なんだっけ、怜也だ!』
一途『んー?、』
三奈『最近結構変わってるよね。髪色も金髪だったのに茶色だし、性格だってすごく静かじゃない?』
一途『あー、だね』
三奈『ほんと駿みたい』
一途『だねー。』
三奈『大丈夫?』
一途『うーん、現実離れしててあんまりピンと来てないんだよね』
三奈『会ってないの?』
一途『二人で最後会ったのは、半年前?』
三奈『やば、どしたん。』
一途『なんかね、誘わなくなったし、誘っても忙しいってさ。』
三奈『ほんとどしたのあいつ。毎日会ってたじゃん!』
一途『うーん、わたしにもわかんない』
三奈『でも、私は好都合だね。一途を独り占めしてんの。』
一途『三奈はかわいいね』
三奈『今日もうちくるでしょ』
一途『あー、今日はパス』
三奈『なんでよ!!』
一途『駿にね、会いに行こうと思ってんの』
三奈『ほんとだいすきだねー』
一途『三奈、怒るよ』
三奈『ごめんなさーい。でも、駿のこと!もうあんまりつけこんじゃためだよ。わかってるでしょ』
一途『三奈のおかげだよほんと。がんばるね。』
三奈『一途、危ないよほんと。』
一途『そうする。また三奈に相談するね』
三奈『いつでも待ってるし、いつでも駆けつけるよ』
怜也『はーい』
一途『来ちゃった!』
怜也『え、ど、どしたん。』
一途『だって、一向に連絡くんないし。誘っても断るし。むかつく』
怜也『ん、とりあえず中入り。』
一途『うん。』
怜也『で、どしたん。』
一途『ただ、あいたかったの』
怜也『かわいいな』
一途『ね、はやく』
怜也『ん?』
一途『しよ、って』
怜也『なにを?』
一途『あんた、意地悪なった?』
怜也『俺さ、半年あけたんやん。』
一途『うん。』
怜也『本当はすごい会いたかったし、連絡取るの我慢してたの。』
一途『うん。』
怜也『一途の理想の人に近づくことが出来ても、俺はその人になることは出来へん。って分かってたけど、一途に好きになって欲しかった』
一途『うん。』
怜也『でも、俺は駿さんにはなれん。』
一途『当たり前でしょ』
怜也『うん。そうやな。』
一途『でも、あんたでいい』
怜也『え、?』
一途『あんたは、あんたでいいの!』
怜也『でも、それじゃあ一途の好きな人にはなれない。』
一途『あんたにも教えたげる』
怜也『ん?』
一途『私ね、人のこと好きになんないの。!なんないようにしてんの。好きになっちゃいけないの!』
怜也『そんなの、寂しいで』
一途『いいの。だから、体で埋めてんの。』
怜也『俺は、体で埋まってると思えないんやけど』
一途『埋まってるよ。』
怜也『ううん。そうじゃないと思うで』
一途『うるさい!だまれ!』
怜也『一途、』
一途『押し倒したって無駄だよ。私はあんたのこと好きになんない。他の何人もの人と同じなの』
怜也『でも、俺を見てる一途の目は、他の人を見てる目と違う。』
一途『だまれ』
怜也『俺が、駿さんに似てるから?』
一途『そう。』
怜也『ちがう、俺は、怜也。呼んで、俺の名前』
一途『やだ!』
怜也『一途、俺は、一途が殺した人間じゃない』
一途『あんた、なんで知ってんの。』
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