実は天才な出久くん
「赤点補習者は、上鳴、芦戸、緑谷の三人だ。」
「嫌だぁぁぁ!!」
芦戸が叫ぶ
「なんでだよ~!!」
上鳴が唸るように言う
もう一人の赤点補習者の緑谷は退屈そうにペンで遊んでいた。
「放課後残るように。きっちり教え込んでやる」ニヤリ
「ノォ……」
「神は……居なかったのか」
緑谷はそんな二人を置いてただただ退屈そうにしていた。
放課後
「お前らにはこれを終わらせて貰う」
山のように積み重なったテストが目の前に一人ずつ置かれていく。
「教科書は見て良い。せいぜい頑張るんだな」
上鳴と芦戸は顔を真っ青……いや真っ白にして白目にしてただテストを見つめていた。
緑谷と言うとまだペンで遊んでいた。
「よ、ようし。ここは協力しよう。」
「そ、そうだね!」
芦戸と上鳴は協定を結んだ。
「緑谷も協力しようぜ!」
「辞めとく」
緑谷は秒で断った。
「え、なんで?!」
「面倒くさそうだから?」
疑問形で返す。
「あ~もう。早く終わらそう!!」
二人は取りかかる。
十分位して
ガラガラドンッ
誰かが扉を勢いよく開けた。
「お兄ちゃん!」
エリちゃんだった。
タッタッタッタと緑谷に向けて走ってくる。
「お兄ちゃん頑張れ!終わったらリンゴアメ作ってくれるんでしょ!」
忘れていた。
そう言えばエリちゃんと昨日リンゴアメを食べる約束をしていた。
「ご、ごめんね!ちょっと待ってよすぐ終わらすから!」
そう言いながら緑谷はポケットから一口サイズのアメを渡す。
「有難う!。……でも早くしてね」
「うん!」
緑谷は鉛筆を握る。
テストを手に取り上から順にやっていく。
テストは約30枚程度。
一枚に一分もかからずにやっていく。
テストの山は約五分程度で全てがとかれた。
「エリちゃん終わったよ!遅くてごめんね。次からは約束忘れないから!」
「うん!指切りげんまん!」
「え?!嘘!もう終わったの!?」
「化け物かよ……」
緑谷とエリちゃんは手を繋いで教室から出て行った。
数分後
ガラガラ
「終わったか?まぁ終わってないと思うがな。」
入って来たのは相澤先生だ。
「ギクリ」
二人は肩を震わす。
「緑谷はどうした。」
「えっと、エリちゃんと帰りました。」
「は?終わったのか?」
相澤は緑谷のテストを確認していく。
「全問正解だ……。いつ帰った」
「時間はほぼさっきで……でもエリちゃんが来てから猛スピードでやっていて五分程度で終わってました…。」
「はぁ…?化け物か彼奴は」
「同意します…」
教師と生徒が初めて意見が合った瞬間であった。
「今日は2年生で二回目のテストだ。一回で赤点補習者になった奴せいぜいあがくんだな。」
スタート
緑谷(面倒くさ…今回もやらなくていいか)
上鳴(やべぇ!全然分からね!)
芦戸(このテスト……終わったか……)
八百万(楽勝ですわ!)
爆豪(はっ、こんなの簡単だわ)
轟(面倒くさい…)
飯田(集中してやらなくてはな!!)
始まって数分たったぐらいに相澤はあるところに向かって歩いて行った。
スタッと止まる。
止まった隣にいる人物は緑谷出久。
そして耳元まで顔を近づけこういった。
「真面目にやらないと~~~思え」
エリとはもう会えないと思え
小さく緑谷にしか聞こえない声で言う。
その瞬間緑谷は鉛筆を持ち替えてシャシャシャと物凄いスピードでといていった。
「テストを返す。今回の補習者は上鳴だけだ。」
「赤点回避出来たぁ!!」
「芦戸……裏切ったのか…………?」
「まともに勉強してない君が悪いんだよぉだ!!」
「くそぉ!!!」
「あ、ちなみに4位は爆豪、3位は飯田、2位は八百だ」
「先生!!1位は誰ですか!!」
「1位は緑谷だ。」
「「「「は????」」」」
「おまぇ!!この前まで赤点だっただろ!!」
「不正したのか?!」
「緑谷は今まで不合理きまわりない……本気を出してなかったんだ。」
「本気出したら八百万より上か………」
「す、スゲぇ!!」
「相澤先生…約束、守ってくれますよね?」「あぁ、守るよ」
「緑谷!!約束ってなんだ!!?」
「教えろよぉ!」
「お前、天才だったんだな!」
「凄ぇ……」
実は天才な出久くん
end
コメント
2件
えりちゃんのために頑張るとかどっちとも可愛すぎだろ