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そうして女ヶ島に向かうことにした俺たちは迎えの九蛇の海賊船と合流した。
「姉様~!」
「姉様!」
「蛇姫様~!」
女ヶ島の住民たちがハンコックの元へ駆け寄る。
ハンコックが彼女たちに微笑みかけると、歓声が一層大きくなる。
俺はその様子を遠目で見ていた。……やっぱり、すごい人気だな。あの美貌、あのスタイル、そしてあのカリスマ性。そりゃあみんな憧れるよな。
イワンコフはカマバッカ王国へと向かうために海軍の軍艦を動かした。イワンコフを含めるニューカマーたちはルフィに手を振り、声援を送っていた。
「さあ、わらわたちも直ちに女ヶ島に向かうのじゃ」
ルフィを乗せたポーラータング号は男子禁制の女人国、女系戦闘民族九蛇の住む国〝女ヶ島・アマゾン・リリー〟へとたどり着いた。門をくぐるなり、ハンコックを出迎える住民たちが手を振り、笑顔で歓迎の言葉を口にしていた。
因みに男ばっかりの俺たちは8割くらいの女性に睨まれています。ハンコックと同じように男が嫌いな人もいたりいなかったりするんでしょうね。あ、ほら、あそこ弓向けてる。あ、放った。
矢はハンコックのおかげで当たらなかったものの、血気盛んな女性がたくさんで困る。
「お前たち、一刻も早くルフィを九蛇の城へ運び込むのじゃ。これからはわらわが傍でルフィの看病を…」
「待つのじゃ蛇姫」
「ニョン婆!」
「ルフィだけならともかく、その妙な船の男どもまで女ヶ島へ立ち入ることは国の掟として許されるものではニャい」
「ならば、同行するのは医者1人だけとしよう。それならば…」
「ニャらぬ! たとえ医者であろうと、男の立ち入りは断じてニャらぬ! この国にも優秀な医者は大勢おるわい」
「まぁ、どっちでもいいが、この島には俺の船と同等の医療設備と技術があるんだろうな?」
ローの言葉にニョン婆が眉を顰める。
「傷口がまた開いたら今度は死ぬぜ。それでも構わねえなら麦わら屋を連れていけ」
「ロー」
俺がローの顔を見てキッと睨むと、ローは俺の頭をポンと撫でた。
「お前の撫でる手は好きだが、流石にこれで絆されんぞ。次ルフィが死ぬとか何とか言ったら怒るからな」
「わかった」
俺はそう言って、再び女たちに視線を向ける。
ルフィを救うためにローの力が必要なのは明白。ローが同行できないのならば女ヶ島を出るしかない。ジンベエが言うが、すぐにハンコックが海王類の餌食になりたいのか、と俺たちに告げた。海王類から逃げても、今俺たち、というよりは主にルフィが海軍に追われている。見つかればどうなるかなんて子供でも想像がつくだろう。
「……しかたニャいニョう。あくまで特例としてじゃが……島の湾岸に行きニャされ。そこならば、海王類の危険もニャいからのう」
「ならばわらわも海岸に行き、ルフィの看病を…」
「ニャらぬ!」
「おのれニョン婆! 二言目にはニャらぬ、ニャらぬとばかり言いおって!」
そうして俺たちはポーラータング号を島の湾岸に停泊させることになった。