58日目
奏の退院記念パーティーも無事に終わったし、奏喜んでたし……良かった。
これからも無理はしないで曲作りを続けて欲しいな、、奏の曲、好きだから。
さ…もうすぐ学校だから行ってくる
行ってきます
絵名
授業終わり。
痛い程の夕焼けはすっかり消えて、ただただ暗くて神秘的な夜に変わっている。
(早く帰って、ナイトコード行かなきゃ…)
急いで廊下を歩いていると、昇降口ら辺に人影が見えた。 同 じ定時制の生徒か、と思いスルーする。
(……え?ちょっと待って…)
『……瑞希、?』
「ぇ……」
『な、何でアンタが此処に…!?』
「えー、あー、まぁ…………忘れ物したから取りに来たんだけど、、、?」
『そ、そうなの?…………なら、待ってあげる。だから早く取ってきなさいよ』
「えぇ!?何で命令口調なのさ!」
『待ってあげるんだから良いでしょ。ホラ早く』
「分かったよ~…」
瑞希の背中が段々遠くなっていく。
そして、暫く経てばもう瑞希の影すらも見えなくなっていた。
何故か不安を覚えた
(…?)
(…………気の所為か。私の気にしすぎよね)
ゴミ箱の中に 何か が入っていたが、暗いし興味も無いから良く見なかった。
それに、ゴミ箱の中に入ってるんだからそれは当然ゴミだろうし…汚いと思うし、とか。
そんなしょうも無い理由。
でも別に、気に留める程の事でも無い。
だから私は見なかった。
数分経てば足音が聞こえてきて、手を振ってこっちに戻ってくる瑞希が見えた。
「忘れ物あったよー!」
『ん、なら帰ろ』
「うん!」
瑞希は靴に履き替えて、リュックを背負って、学校を出た。
それに続き私も学校へと出る。
謎の不快感、不安感もあったが無視を決める事にした。今は瑞希と話すのが優先だから。
「でさー!酷いんだよ~?先生ってばテストも宿題も増やすし…」
『それは瑞希が学校行ってないのが悪いんでしょ。』
「酷いよー!」
そんな他愛も無い会話。
この時間だけは、ストレスも不安も何もかも吹き飛ぶんだ。
『あ、そういえば…忘れ物って、何を忘れたの?やらなきゃ行けない課題とか?』
「っ」
瑞希の足が止まりかける。
それに疑問を抱くも直ぐにまた歩き始めたので特に気にも留めなかった。
「いや~まぁ、そんな所かな~w」
『はぁ?何よそれ……』
「あはは…………誰にだって忘れ物ぐらいあるでしょ」
『それはそうだけど…何か怪しいって言うか』
「 」
「……そう見える 、?」
『は…………?』
瑞希の足が*完全に*止まった。
今度は一瞬じゃなく、完全に止まった。
訳も分からず混乱する私を他所に、瑞希は何も喋らない。振り返らない。
月明かりが逆光となって瑞希の背中に影が出来る。まるで、孤独を表してるみたいな
『ちょ、ちょっと……どういう事?
それに、なんか様子おかしいし…』
「そう?別にボクは普通だと思うけどな 」
「でも、絵名がそう言うなら普通じゃないんだろうな。」
そこでふとさっきのゴミ箱が頭を過ぎる。
ゴミ箱の中には何が捨てられていたんだろうか。そう言えば、瑞希はゴミ箱の近くでしゃがんでいた気がする。あの時は靴を履き替えてるのかと思ったが、違う。じゃああれは何だったんだ……?ゴミ箱の中身は何だったんだ?
今更沢山の後悔が脳を埋めつくした気がした
『…………ねぇ、本当は忘れ物なんてしてなかったの?』
「……」
『もしかして、何か捨ててたの?』
「……」
『ゴミ箱の中を確認してたの?』
「…」
『ねぇ……何か言ってよ、、』
「………………ごめん、絵名。本当に大丈夫だから…何も、無いから__」
『はぁ!?絶対何かあった時の瑞希のセリフじゃない!!ちゃんと言ってよ!』
『私を頼ってよ!!』
「!」
瑞希の瞳孔が震えた気がした。
ナニカを掴めた様な気がした。
『……頼ってよ、私も、瑞希の事…頼ったから、、 』
「……頼りたい、頼りたいけど…もうよく、分かんないや…………!!」
瑞希は泣きそうになっていた目をぎゅっと瞑り、走り出してしまった。
でも、今ならまだ全然離れていない。走ったら追いつく距離。(追いつけるとは言ってない)
なら__
『あ、ちょっと…!?待ちなさ__っ、!!』
久しぶりに走ったからか足を絡ませてしまった。重心がゆっくりと傾く。まるでスローモーションになったみたいな。
(うわ…これ、転ぶ…………)
別に転んでもいい。と思っていた時、ある事に気付いた。
(あれ?私が倒れそうになってる方って……)
しかも瑞希が青ざめた顔で私の方に向かってきている。Uターンしたみたいな
…………?
車のクラクションの様な物が聞こえた気がしなくも無いがもう良くわからな
コメント
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わ … 、、 え … ど う な る ん だ ろ う 、 こ の ま ま 絵 名 が 事 故 っ 鱈 、 瑞 希 は 自 分 を 責 め る … 、??
は?
え?え?