まだ涼ちゃん続きます。
数日後スタジオ練習があったのでみんなで集まっていた。
しかし、なんだか元貴の調子が悪い。というか何かイライラしているようでいつものような笑い声も聞こえない。周りの雰囲気もギクシャクし出しみんなチラチラと元貴の様子をうかがっている。
「おい、なんて顔してるんだよ」
そんな中、見かねた若井が注意してくれた。
「なんだよ」
「なにあったか知らないけど、そんなんじゃ進むものも進まないだろ」
若井はちょっと気分を変えてくるようにと元貴を外に追い出した。
「元貴、何かあったの?よくあるっちゃあるけどレコーディング中にあそこまで機嫌悪いのも珍しいよね」
理由に心当たりがあるのか若井は目線をキョロキョロさせ言うかどうか迷っているようだ。
「あー、なんかあいつ好きな女ができたみたいなんだけど、どうもうまくいってないらしくてさ」
若井は頭をポリポリとかく。
好きな女…その言葉にズキッと胸が痛んだ。
「元貴好きな人いたんだ」
「俺もちょっと前に聞いてさ。片想いで全然相手にされてないって落ち込んでたからそれが原因じゃないかな?」
そうだよね。元貴だって好きな人くらいいるよね。
もし元貴が恋人を連れてきた時、俺は笑っておめでとうって言えるかな。
そう考え、俺の方まで気分が急降下してしまった。
俺も気分変えよっと。
休憩がてらレコーディング室を出て廊下をあてもなくプラプラと歩く。そうすると後ろから声をかけられた。
「涼架くん」
「えっ?アツシさん?こんなところでどうしたんですか?」
そこにいるはずのないアツシさんの姿を見つけてびっくりする。
「いや、この近くまできたんだけど、君たちがここでレコーディングしてるって聞いたからちょっとのぞいてみようかなと思ってさ」
アツシさんは楽しそうに笑う。
「この間は楽しかったよ。涼架くんってお酒強いんだねぇ」
「いえ、そんな大したことないですよ」
あの時の事を思い出し、恥ずかしさに顔が赤らむ。
「そういえば涼架くんって今日これ終わったらその後なにか用事ある?」
「いえ、ないですけど…」
「じゃあさ、また飲みに行こうよ」
「えっ、あの…」
どう答えていいものか迷っているうちに向こうからスタッフの自分を呼ぶ声が聞こえる。
「ほら、呼ばれてるよ。仕事なんだから待たせちゃダメ。終わったら連絡くれたら迎えにくるからさ、約束だよ」
そう俺に断る隙を与えず強引に約束を取り付け、さぁ行った行った、と俺を仕事に追い立てる。
「それじゃあ失礼します」
それだけ言って俺は大慌てで駆け出す。アツシさんが言っていた「口説き続ける」という言葉が思い出されてどうすればいいかわからなくなってしまっていた。
直接対決前のシーンですね。ひろぱよけいな事涼ちゃんに教えてるし…。
次やっと新しいシーンに進みます。進み遅くてすみません。
コメント
6件
ここからですよ!! アツシさんの口説き続けるって言葉はものすごく言うの大変だっただろうなとしんみりしているものです(・~・)ヌンヌン これからが楽しみ( ˶>ᴗ<˶)
さぁさぁ!盛り上がって参りましたぁ!!!!
イヤイヤイヤイヤ🖐️ 大事、ここの長さ大事ですよぉ! もどかしいのなんのって!ワクワク、ドキドキ、モヤモヤですっ!