「先生って優しいね」
「‥‥何だよ」
「昨日来るなって言ったのに入れてくれるし」
「前に言ったろ?ここは保健室なんだから拒む必要が無いって」
でも昨日の目はそうじゃなかった
本気で最後まで会えないかと思った
「俺ここに来れなくなったら学校来れないよ」
「だったら考えて行動しろよ。煙草だって学校ではもう吸うな。見つかったら内申に響くだろ」
「先生は言わないの?」
「次はないからな」
「はーい」
「軽いんだよな、返事が‥‥。でも近頃は真面目に学校来てるみたいで偉いじゃないか」
「だって先生に会いに来てるんだから」
「お役に立てて嬉しいよ。でもクラスメイトとも仲良くやれよ」
「やってるよ?俺友達多いんだから。でもここに来なかったらさ先生取られちゃうじゃん」
「は?取られる?」
「見てないの?校内でアンケートとった中に人気の先生もあったじゃん。先生一位だよ?」
「なんて残酷な事してるんだ」
「玄関前の廊下にデカデカと貼ってあるよ。だから俺がここに来て先生見張ってないと」
「営業妨害だ」
「俺が先生を守る鉄壁のディフェンスだから」
先生が笑いながら入り口にあるエアコンのスイッチに触れる
多分俺が暑がってシャツをパタパタさせていたからだ
「先生優しすぎない?」
「何が?」
「俺の為にエアコン強くしに行ったんでしょ」
「そうだけど」
「暑いならエアコン強くしろって俺に言えば良いじゃん」
「言ってる時間あったらつけに行った方が早くないか?」
「‥‥他の人にも優しくしてたらみんな先生の事好きになっちゃうじゃん」
「お前‥‥またそういう事言うなら帰れ」
「分かった!言わない!‥‥言わないよ」
先生にキスしてから、俺の感情がダダ漏れになってるな
気を付けないと‥‥
「それにしても先生は暑くないの?」
「夏なんだから暑いだろ」
「でも長袖のシャツに白衣着てて、冬と変わらなくない?」
「校内はクーラー付いてるしな」
いつも白衣か背広着てる
ガッチリ着込んでる印象が強い
だから‥‥
「私服見たいなぁ」
「‥‥‥‥‥‥」
「思っただけじゃん!見せてって頼んだ訳じゃないしっ」
先生が冷ややかな目で俺を見る
その時扉が開き、一年生が2人やって来た
「すいません、この子転んじゃって。小柳先生お願い出来ますか?」
「ここに座れる?傷口見せてね」
俺は慌てて無言で保健室を出た
中からは女の子達の声がする
『良かったな。あまり酷く擦り剥かなくて』
『ホントに』
『ついでに聞いても良いですか?先生って彼女いますか?』
『‥‥さぁな』
『え?さぁな?もしかしているんですか?』
『教えないよ』
『えぇ〜⁈じゃあ好きなタイプは?』
『さぁ、どうだったかな』
え‥‥
彼女いないって俺に言ったよな
いや、真面目に答える先生はいないか‥‥
え、だったら俺には‥‥
これってどういう事?
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⸜(> <⑉))⸝キャッ♡ 脈アリ...?!続きめっちゃ楽しみにしています(´。✪ω✪。 ` )