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どうにもできないクソデカ感情供養
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「ただいま」
「おかえりー」
まったりとソファでくつろいでいたところに涼ちゃんが帰ってきた。
「ねえ、あの…さ、今日ごめんね」
開口一番謝られて何のことか分からず困惑する。
「ん…?」
「結婚式のくだりのときとか。腕組んで歩いたり、…キス、しようとするふりしたりしちゃったから。」
「あー」
確かに撮影中もやもやする瞬間がなかった訳ではない。だけどエンタメ的にあの場面ではそういう振る舞いをするのが正解だったと思うし、何より所詮は仕事だ。
「全然気にしてないよ」
怒られる、とでも思っていたのだろうか。おそらく予想外の言葉に涼ちゃんはとても驚いた顔をしている。それとね、涼ちゃん…
「無自覚かもしれないけどあれさ、俺がいつも涼ちゃんにやってることだから。肩に手置いて、目見つめてじわじわ追い詰めて…って。」
「だから俺とのキス思い出してくれてるのかなって勝手に嬉しくなってた。」
「んっ…そう、だよ。僕にキスするのなんて若井しかいないんだから。」
ねえ破壊力…
「それは反則だって」
「反則…って、あ、そうだ!!」
「…若井こそ髪の話のとき急に僕が好きって言ってきたの反則!!!どうにかなっちゃうかと思った。」
僕が好き、ね。まあニュアンスは間違えてないか。ここ最近の涼ちゃんは一時期に比べてだいぶ自信を持ててるなって思える。…俺のおかげだといいな。
「大丈夫大丈夫。ちゃんとポーカーフェイスできてたよ」
「でしょ!照れないように頑張った!!」
「何なら元貴の方が反応が分かりやすすぎてバレないかひやひやした笑」
涼ちゃんのほっぺがぷくっと膨らんだ。あ、これ俺やらかしたやつか…?
「ねー…今元貴の話しなくてよくない…?家くらいでは僕だけ見てて」
何!今日の涼ちゃん!やばい!!
「ごめんね。…涼ちゃん、じゃあ涼ちゃんからのキスがほしいな」
「うん。いいよ」
大丈夫、安心してね。
俺はずっと涼ちゃんしか見えてないから。
甘くて、柔らかくて、蕩けるような空気が二人を包み込んでいる。