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〇〇県〇〇市に建っている仮設住宅にとある姉弟が住んでいた。弟・西条大地(さいじょうだいち)(26歳)と姉・西条雫(さいじょうしずく)(30歳)。彼らは半年前に起こった地震で被災した。その地震では死者86名。行方不明者64名となっている。死者のうち、彼らの両親も含まれていた。彼らは実家暮らし。ちょうど家にいなかった姉弟が生き残り家にいた両親は家が倒壊するとともに亡くなったのだ。そして姉弟は地震が起き半年後建てられた仮設住宅に住むことになったのだった。
「はいよ〜さっき採れた野菜ね」
大地達がいる仮設住宅に大地の友達、桑木健吾(くわきけんご)が野菜を届けに来てくれた。
「おお!ありがと!夏野菜か」
と大地は礼を言った。桑木の家はこの〇〇県から近い□□県に住んでおり、農家を営んでいると聞いたことがある。5日に1回そのできた野菜を届けに来てくれる。〜数時間後〜桑木が「用事があって…」と自分の家に帰っていった。早速雫はその野菜をみて火がついたようだ。味付けをし、皿に乗せ大地にその調理をした野菜を出した。
「どう?」
と自信満々そうに姉は言った。
「うん!美味い!」
と笑顔で大地は答えた。その後、雫は水をもらいに外へ出ていった。その時、ふと大地が窓から外を見るととある男性が目の前の道を歩いているのが見えた。
「あ!…いや…そんなわけ…」
大地はその男性に見覚えがあったのだ。中倉悠次(なかくらゆうじ)。彼は大地の小学校からの友人だ。しかし、3年前に病気で亡くなっている。当然亡くなっている人が歩いているなんてことは現実世界ではない。すると、「ガシャン」とドアの音がした。大地は玄関の方を見た。
「ああ…姉ちゃんか…びっくりした…」
雫は「ただいま」と言って居間の方へ歩いてきた。
「はあ…疲れたあ」
と床に寝っ転がった。
「どした?」
と大地が言うと
「いや〜変な人に絡まれて」
と雫は答えた。
「はあ…変な人?」
「うん…でもなんか…お母さんみたいな人でさ…」
「母さん?」
「そう!変でしょ?」
「ああ…俺もさあ窓から悠次っぽい人見かけたんだよ」
「悠次君?」
「うん…なにがなんだか…」
「だね…まあ忘れよう!1回」
「ああ夢でも見てんのかもしれないし」
と雫はこの話をきりあげた。