キキーッ!!
やばい、避けられない…!
『…さ』
『な…きり…』
『なおきりさん!!』
「は…っ、」
目覚めると、メンバーの皆が心配そうにこちらを見つめていた。
「皆さんどうし… 」
ズキズキッ
「い゛ッ、」
「なお兄、今は寝てていいから」
じゃぱさんがそう促した。
僕はベッドに再び横たわる。
「あの…何があったんですか、?」
「なおきりさんね…、車に轢かれて、死にそうになってたんだよ」
どぬちゃんが泣きながら教えてくれた。
自分の体に目をやると、身体中包帯だらけで、包帯やギプスに血が滲んでおり、点滴や管が大量に刺さっている。
「なおきりさんと連絡が取れないから、もしかしてと思って家に行ったら…」
のあさんが今にも泣き出しそうな声で言った。
「本当に心配したんですよ…もう大切な人が死ぬのは嫌です」
るなさんが目に涙を沢山ためて言った。
「そうでしたか…ごめんなさい」
「なおきりさんが謝る事やないで」
「そうだよ。でも今は、沢山休んで、少しでも早く傷が完治するよう務めてね」
皆が次々と優しい言葉をかけてくれた。
その後、メンバーは撮影の為、病室を出ていった。
最後まで病室に残ったのはじゃぱさんだった。
「なお兄、うりが死んじゃったのは俺も凄く悲しいし、もう取り戻せないものだけど…どうか気に病まないでね」
優しい顔でそう言って、じゃぱさんは病室を出ていった。
夜。
身体中が痛くて痛くて眠れない。
食事もまともに取れなかった。
でもそんな事はどうでも良くて、気がかりなのはあれからうりさんの姿が見えていないという事だ。
あれは僕が意識を失う前に見た幻覚だったのか?
なんて思っていると、いつの間にか0時になっていた。
「はぁ…眠れない…」
今は深夜2時。ちょうど丑三つ時の時間だ。
暇つぶしに動画でも見ようかな、と考えていると…
「…あれ」
部屋の角に、人影が見える。
よく目を凝らして見てみると、そこにはうりさんが居た。
僕が反応するより前に、うりさんの方からこっちに近づいてきた。
僕は痛む体を無理やり起こした。
「どうしたんですか…こんな夜中に」
すると、うりさんは少し黙ってから、
〝寂しい〟
「…え」
その言葉に少し驚きはしたが、生前、うりさんは寂しがり屋で甘えたがりで、僕が仕事の為数日帰ってこなかったりすると、猫みたいに自分の頭を僕の胸にぐりぐり押し付けて、一晩中僕から離れない、なんて事もあった。
うりさんは死んでしまってからずっとひとりぼっちで、寂しかったのかもしれない。
「ごめんなさい、1人にして寂しかったですよね」
するとうりさんは涙をぽろぽろ流して、僕に抱きついてきた。
〝俺の方こそごめんなさい。メンバーやリスナーさんを悲しませたりして…嫌いになった?〟
「うりさんは全然悪くないです。絶対嫌いになんかなりませんよ。」
〝そっか…ありがとう〟
うりさんは嬉しそうに笑うと、すぅっと消えてしまった。
…あれ?最初に会った時はそもそも喋れてなかったし、さっき玄関で会った時は喋れてはいたけど声はかすれてた。
なんで今はちゃんと喋れる様になってたんだろう…?
…まぁ気にすることないか。
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コメント
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やばッ 神作をまた見つけてしまいました!! 寂しがり屋って,,,, 可愛いですねww 続き待ってます!!
続き気になる…✨️ 体調にお気をつけてください!