焼いた餅

縁側に並んで座っていると、不意に湊がシンにもたれかかる。

「湊さん…？」

「今日は疲れた…」

「お店そんなに忙しかったんですか？」

「……心が」

「え？」

「お前のせいだろ」

「俺？何かしました？」

「わかってねぇならいい…」

「怒ってます？」

「別に…」

「怒ってますね…」

「言わねぇ」

「完全に怒ってるじゃないですか。何か怒らせるような事しました？」

「もういい…」

「言わないとわかりませんよ」

「……」

「湊さん？」

湊はシンの首に腕をまわす。

「お前女の子と楽しそうに話してただろ？」

「女の子？…あぁ、あれは道を聞かれたので…えっ？それで怒っているんですか？」

「笑顔ふりまいてんじゃねぇよ…」

「もしかして嫉妬してくれてます？」

「……うるせぇ」

シンは湊を抱きしめる。

「湊さんが嫉妬してくれるんだったらいくらでも笑顔ふりまきます」

「安売りすんじゃねぇよ…ばか」

「作り笑顔ならいくらでも…」

「それ……ヤだ…」

「どうしたんですか…今日はやけに甘えてくるんですね…俺は嬉しいですけど」

「シン…部屋連れていって…」

「いいですよ…何もしない保証はできませんけど」

「何もされないのは…もっとヤだ……」

「お誘い…ですか？」

「……お誘いだよ。ばーか……」

【あとがき】

尊い……

甘える湊さんが可愛いすぎる…笑

次回作は、番外編の予定です♪

月乃水萌