テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
mzkty
ご本人様とは一切関係ありません
今日は朝から体調が悪かった。頭が痛いし、体はだるいし。でも今日は撮影だから行かなきゃ。そう思い家を出た。
「おはようございます!」
「おはよけちゃ!」
「けちちおはよー!」
「はよー」
「おはようけちゃ」
僕が挨拶するとみんなも元気よく返してくれる。でも一人だけ、僕のことをじっと見つめてくる人がいた。
「まぜちもおはよ!」
「おはよ、お前顔色悪くね?」
いきなりそんなことを言われたから少し驚いた。ばれた?
「クマできてるし、顔色悪いぞお前」
「ええ?そんなことないよ〜笑」
「……そっか」
まずい。今日はまぜちの近くに居たらやばいかも。ばれないように、できるだけまぜちには近づかずに撮影を始めた。
「お疲れ様でーす!」
撮影が終わり、スタッフさんの声がして、みんな一斉に肩の力が抜ける。
「おつかれー!」
「みんなお疲れ様ー!」
あっきぃとちぐの声が部屋に響き渡る。それに続いて他3人もお疲れ様と言い合っていた。
「けちゃおもおつかれ」
「…あっ、ありがとまぜち〜」
まぜちが僕の所に来てお水をくれた。でも、撮影で疲れたのかお水を飲む気力もない。
「けちゃお?飲みな? 」
「うん!でも後で飲むから今は大丈夫だよ!」
「…ふーん、そっか」
まぜちは少し疑ったような目をしてきた。体調が悪化する前に家に帰ろうと思い、無理やり体を動かし身支度をしてみんなとお別れした。
「ただいまー」
誰もいない家にそんなことを言って廊下を歩く。
「っふぅ、」
「…っうッ、」
リビングに着いた瞬間疲れがどっと押し寄せてきてソファに倒れる。数分経つと、酷い頭痛に襲われ急に体調が悪化した。
「…まぜちッ」
何故か今はまぜちしか頭になかった。連絡先を開き電話をかける。1コール、2コールと呼び出し音がなると共にどんどん苦しくなってきて涙がでてくる。
「んぅっ…まぜちぃっ」
何回か呼び出し音がなって、やっとまぜちの声がした。
「どした?」
「っはっぁッ、まぜちッ…たすけてッ 」
「待ってろすぐ行く」
電話が切れてすぐ、僕は意識を飛ばした。
けちゃおの家に着いて急いで合鍵で入る。リビングに行くとソファで苦しそうに寝てるけちゃお。
「よく頑張ったな」
そう言って頭を撫でると、けちゃおの顔が少し穏やかになった気がした。触れただけでも分かるぐらいけちゃおが熱すぎて、急いで冷えピタを貼ってやった。
「もっと頼ってくれていいんだよ」
普段頼ってくれないけちゃからSOSの言葉がきた時は正直嬉しかった。人には頼れと言うくせに自分は頼らず抱え込む。本当に優しすぎる。実はけちゃを除いたメンバーで会議をしたことがある。けちゃが一人で抱え込みすぎないようにっていう会議。それくらいけちゃおは頼ってくれない。それも本当に助けてほしい時だけ。
「けちゃいつか壊れちゃうよ?」
そう言いながらまた頭を撫でた。