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私
にとっての愛は とても醜くて汚らわしいものなのですが それについて語るのはとても楽しいのです なぜならそれは私がもっとも嫌っているものだから だから私は自分のことを語りたいと思うのです あなたの知らない世界をたくさん知っていますよ 私は自分がいちばん恐ろしいと思っているものが好きなんです その美しさを知っているからです この世でもっとも美しいものは死です 私の愛する人たちはみんな死にました そして彼らは二度と戻ってきませんでした それがすべてです 私はもうこれ以上生きられそうもない ああ! どうしてこんなことになったのかしら? 神様、どうかお助けください……
でも私はあの人のことが忘れられない あれほどまでに私を愛してくれた人はいない でもわかっているの 彼はただお金のためにやっただけ 私の財産が目当てだったんだって だって彼の目つきを見ただけでわかるもん ねえ、誰か教えてください 私はどうしたらいいのでしょう? どうすれば幸せになれるんでしょう? 私は今までずっと一人で生きてきました これから先もきっと一人きりでしょう でもそれでかまわないと思っていました でも今は違います 今こうしてあなたと話している瞬間でさえ 私は孤独を感じています この苦しみから逃れる方法は一つしかありません ええ、もちろん分かっていますとも でもどうしても決心できないんです いったい何を迷う必要があるんでしょうか? どんな犠牲を払ってもいいではありませんか なぜ躊躇しているのですか? さあ、早く決めてしまいましょう これで決まりです これでやっと救われたような気がします これで本当に楽になれたと思います ありがとうございました またいつかお会いできる日が来るといいですね そうして僕は目を覚まし、その夢を思い出していた。まるで悪夢のような内容だったが、なぜかひどく懐かしかった。しかしそれが誰なのかはまったく思い出せなかった。そもそもそれは現実に起きた出来事ではなかったのか? だとすると、僕には過去がないということになってしまうのだが……。
それにしても不思議な体験をしたものだ。まさか自分がこんな経験をするなんて思ってもいなかった。いや、ひょっとしたら今の自分は記憶喪失になっているだけで本当の僕は違う誰かになっていて、その僕こそがこの物語の主人公なのではないだろうか。それとも今ここにいる僕はただの夢の中の登場人物に過ぎず、目を覚ましたらまたいつも通りの毎日が始まるのかもしれない。
もしそうなのだとしても、それで構わないと思う。なぜならそれはきっととても幸せなことだから。だって僕の知らないことをたくさん知ることができるはずだもの。自分の知識が増えるということはつまり自分を成長させるということだからね。
さあ今日は何をして遊ぼうか? まずは街に出て新しい友達を作ろう!……あれ? おかしいぞ。どうしてみんな僕を無視して通り過ぎるんだろう。これじゃまるで透明人間みたいじゃないか。
もしかしたら今の僕は幽霊なんじゃないかと思って身体を見下ろしてみると、足がないどころか全身が透けていた。うわぁ本当に幽霊だったのかよ!? 参ったな、これからどうやって生きていけばいいんだよ。
ふと見上げると空には巨大な宇宙船が浮かんでいた。あんな大きな船が空を飛ぶなんてすごいなあと感心していると、船体の一部が開いてそこから何か小さなものが飛び出してきた。よく見るとそれは一匹の小さな猫だった。
『おおーいっ!』
宇宙船から聞こえてくる声を聞いてみると、どうやらあの猫が叫んでいるようだ。いったい何をするつもりなのかと思っているうちに、猫は空中でくるりと一回転して人の姿になった。
その姿を見た瞬間、僕の心臓が大きく跳ね上がった。
ああそうだとも。俺はこの世界のすべてを憎んでいる。
俺の生きる意味を奪ったすべてを許さない。
だがな、だからこそ俺はこの世界を愛している。
こんなにも美しく、醜く、不完全で不完全な生き物たちをどうして否定することができようか。
さあ……今こそ見ろ! これが人間だ!! どんなに絶望的な状況にあっても、決して諦めない。
最後の最後まで足掻き続ける。
その姿こそが美しい。
人間の美徳だ。
そう……だから俺は人間が好きだ。
愛してるんだ。
たとえそれが偽りであろうとも。
ああ、確かにそうだ。俺はこの世界のすべてが気に食わない。
俺から全てを奪い去ったこの世界に憎しみを抱いている。
だがな、それでも俺はこの世界を愛してるんだよ。
この世界で生きてきたすべての命たちよ。
その魂よ。
貴様らが歩んできた道程には価値がある。
誇りを持て。胸を張って生きていけ。
なぜならば貴様らは選ばれたからだ。
選ばれし者なのだ。
だからお前たちは幸せになる義務がある。
誰からも蔑まれることなく、誰からも疎まれることなく。
誰もが羨むような幸福を手に入れる権利を持っている。
そして……
それを手にするのは他でもない、貴様ら自身だ。
自分が何者かなんて分からない。
どこで生まれたのかさえ覚えていない。
気付いた時にはもう、ここにいた。
そして……いつの間にかそこにいた。
誰かに何かを強制されることもなく、 自分の意志で決めたこともない。
だけど……
この場所だけは好きになれた。
ここは居心地が良いけれど……
もうちょっとだけ頑張ってみるとしよう。………………