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疲れた
雨の音が静かに響くリビングで、ほとけは毛布を抱えたままソファに沈んでいた。
泣き疲れたのか、目元は赤い。
兄たちもそれ以上学校の話には触れず、それぞれ仕事をしていた。
……はずだった。
「でもさ」
ぽつりと、ないこが呟く。
「ほとけ、あの高校本当に頑張って受かったよね」
空気が少し変わった。
ほとけの肩が小さく揺れる。
悠佑が「あー……」と苦笑した。
「あれはほんまえぐかった」
「毎日夜中まで勉強してたもんな」
りうらも懐かしそうに笑う。
ほとけは居心地悪そうに目を逸らした。
「……昔の話じゃん」
「昔ちゃうやろ、まだ去年や」
初兎がすかさず突っ込む。
いふは静かに頷いた。
「お前、自分で“ここ行きたい”言うたんや」
その言葉で、記憶が蘇る。
机に積み上がった参考書。
息苦しくなりながらも解いた問題集。
病院帰りに眠い目を擦って勉強した夜。
“この高校に行きたい”
初めて、心からそう思った場所だった。
自由な校風。
レベルの高い授業。
文化祭も楽しそうで。
“ここなら変われるかもしれない”
そう思った。
だから頑張った。
何回も体調を崩して、それでも勉強した。
合格発表の日なんて、泣きながら兄たちに電話したくらい。
「……なのに」
気づけば声が漏れていた。
「せっかく受かったのに、ほとんど行けてない」
胸が痛む。
「頑張ったのに」
努力した。
本当に。
でも身体はついてきてくれなかった。
入学してすぐ体調を崩して、欠席が増えて。
久しぶりに登校した時には、クラスにはもうグループができていた。
話しかける勇気もなかった。
気づけば、ひとりだった。
「僕、あんなに行きたかったのに……」
声が震える。
「今は学校の話聞くだけで怖い」
涙がぽろりと落ちた。
「みんな前向いてるのに、僕だけ置いてかれてるみたいで……」
静かになった部屋で、悠佑がゆっくり口を開く。
「ほとけ」
「……なに」
「お前、ちゃんと頑張ったやん」
「……」
「受かったことも、通おうとしたことも、全部事実や」
否定できなかった。
でも苦しい。
すると、いふが低い声で言う。
「頑張った結果、身体壊したんやろ」
「……」
「それ以上無理してどうすんねん」
ほとけは唇を噛む。
正論だった。
でも諦めきれない。
「僕、普通に高校生活送りたかった……」
その言葉に、兄たちの表情が少しだけ曇る。
ほとけが本当に欲しかったものを、みんな知っていたから。
友達と放課後寄り道して。
文化祭準備して。
テストの点で騒いで。
そんな当たり前。
でも、ほとけには難しかった。
りうらが静かに隣へ座る。
「悔しいよね」
「……うん」
「頑張った場所ほど、行けなくなるの辛いよね」
優しい声だった。
ほとけは堪えきれず、また泣いた。
「っ、……ぅ、……」
りうらは何も言わず背中をさする。
悠佑がぽつりと呟いた。
「でもなぁ」
「……?」
「お前があの高校受かった時、俺らめちゃくちゃ誇らしかったで」
「え……」
「ほんまに頑張っとったから」
ないこも笑う。
「兄弟LINE、あの日ずっと騒いでた」
「悠佑兄スクショ十枚くらい送ってきてたよね」
「嬉しかってん!」
「うるさかった」
「お前もスタンプ連打しとったやろが」
わちゃわちゃ言い合う兄たちを見て、ほとけは少しだけ目を丸くした。
自分の知らないところで、そんなふうに喜んでくれていたなんて。
「だから」
悠佑が改めてほとけを見る。
「今学校行けへんことだけで、自分の努力全部無かったことにすんな」
その言葉に、胸が熱くなる。
ほとけは涙を拭きながら、小さく頷いた。
「……うん」
その返事は、今日一番素直だった。
皆はもう夏休み…かな?お休みどこ行くかとか教えて。りりも行った気になれるから
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いま九州いるよ。 福岡、ライブ行ったの
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