相楽「ん? 何なのお前、何がしたいの?
俺たち全員 退学にでもしようっての?」
九条「そんなことは考えていません。
なぜなら、あなたたちは正当な罰が下されても
『自分は悪くない』
『なぜ自分が罰されなければいけないんだ』と、
起きた出来事を省みず、誰かのせいにして過ごすだけ ということを知っていますから。」
九条は俺が蹴り飛ばした机を直しながらそう言った。
コイツはどこまでも俺の神経を逆撫でする
殺したい……
九条「自分に起きたマイナスな出来事を、誰かのせいにしてぶつけるのが得意な生き物でしょ? あなたたちは。」
相楽「うるせえ!!!
何なんだよてめえ!!!」
九条「担任教師です。あなたたちの。」
黙れ、、、
九条「今、下を向いている皆さん。
あなたたちも思ってませんか?
『悪いのは他のあいつだ』
『俺たちは本当はやりたくなかった』
そう心で唱え、誰かのせいにしてませんか?
そんなにも、誰かと違うことをするのは怖いですか?」
そう言って九条は教室の中心へ歩き出した
九条「ひとつ、質問をさせてください。
この中で、本当に心の底から鵜久森さんに憎しみを抱き、怒り、どうにかして彼女を苦しめてやりたいと強く心に思って、
このような仕打ちに参加してる人は手を挙げてください。」
クソみたいな綺麗事
九条「誰もいませんか?
もし、強い感情もなく、その場の空気であったり
誰かがやっているからという同調的感覚や、
自分に矛先が向かないためだけの逃避的思考で、
こんなにも彼女の心を砕き、踏みにじり、
さげすむような出来事に参加できるのだとしたら
ここにいる皆さんはもはや、人間ではないと思います。」
金澤「……、なんで、なんでそこまで言われなきゃいけないの……、こんなこと、どこの学校にだって似たようなことあるし、どうせ先生だって、学生時代同じようなことやってたんじゃないの」
九条「人間の感情として、誰かを嫌いになったり、文句を言ったり、そう言ったことは確かにありました。
でも、今回の貴方達のように、無感情に、人の心を壊すことに力を注いだことは決してありません
それに、他の誰かが同じようなことをしていたとして、貴方が、人を傷つけて良い理由にはなりません」
九条「鵜久森さん。改めて伺います。
あなたは、このクラスの人たちに何をされたんですか?
あの時も言いました。
自分がされた嫌なことを、自分で口にするのはとても苦痛です。
でも、ここにいる人は、自分がしたことがどういうことなのか、誰ひとり自覚していません。
だから、あなたが何をされ、どんなに苦しみ、どんなにも痛んだのか
それをハッキリと告げることが、この無自覚な動物たちにできる まず最初の攻撃なんです。」
ああ、殺したい
白雪「ちょっ!」
この状況に耐えられないほどイラついた俺は
自分の鞄と先程の騒音で目を覚ました恋の首を掴み教室を後にしようとした。
美月や迫田も後からついてきて
迫田に至っては机を蹴り飛ばしている
ガタンッ!
いち早くこのクソみたいな環境から出ようと扉を開けようとしたが、鍵がかかっていた
九条「電子錠ひとつ付けずに、こんな話をすると思いますか?」
ああ、ムカつく
九条「私は、あなたたちに今日殺される覚悟でここにいるんです。
そして、今日殺されると本気で思ったとき、
私は初めて、あなたたちに今日伝えるべきことが
たくさんあることに気がつきました。
私にそう思わせてくれたのは、鵜久森さん。
あなたです。
あなたの言った通りただ生徒に寄り添うだけで
何かが変わるならば苦労はしません。
でも、世界を変えようと本気で思うなら、
必要なのは、覚悟です。
たとえ刺されても、最後の力で絶対に刺し返してやるというくらいの覚悟。
今日からは、あなたは独りではありません。
私がいます。
絶対にあなたを独りにはしません。
そして、彼らに一矢報いるための武器も、
あなたのおかげで手に入れました。
鵜久森さん。私と一緒に闘ってくれませんか?
そして、この教室を変えるんです。」
西野「うるせぇんだよ、さっきから!
コイツが調子に乗ってるから悪ぃの!
いるだけでウザいし、ずっとアワアワして
『いじめてください』って顔して過ごしてるからこうなんだよ。」
どこまでもムカつく九条に美月は耐えられなくなったのかイラつきを顕にした
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