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#恋愛
十色
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「あはは、あはははは! すごい、本当に壊れちゃった……っ!」
星蘭は、自身の極上の甘い脅迫によって完全に発狂し、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして叫び狂う遼太の姿を、特等席で見つめていた。そのゾクゾクするような背徳感と歓喜に、九尾の狐としての瞳を妖しく濡らし、狂おしいほどに艶やかな笑い声を上げていた。助けの来ない異界の闇の中、二人の高位の妖に挟まれた遼太は、ただただ悪夢の深淵で、完全に狂わされた叫び声を上げ続けるしかなかった――。――はずだった。
「……ぁ」
ピタリと、遼太の狂乱の叫びが止まった。ガクガクと震えていた身体の動きが完全に静止し、ダラリと下を向いていた首が、ゆっくりと、異様なほど無機質な動作で持ち上がる。
「は……?」
星蘭の艶やかな笑みが一瞬で凍りついた。目の前にあるのは、精神が崩壊した人間の顔ではない。涙と鼻水に塗れた顔のまま、その瞳だけがギラギラとした禍々しい真紅の光を放ち、二人を極限の殺意で射抜いていた。パキィィィィン!!!あまりの羞恥と苦痛のストレスで脳のブレーキが完全にぶっ壊れ、神代家が数百年隠し続けてきた「覚」の真の力が、完全に覚醒したのだ。他人の心を読み、喰らい、あらゆる妖術のパスを逆流させて自分のものにする――精神の絶対捕食者としての本能が、遼太の自我を暴力的に乗っ取っていた。
「……おい」
遼太の口から、地を這うような、低い声が漏れ出す。
「てめぇら……いい加減にしろよ、このクソ狐が……!!」
バギィィィィン!!!遼太が激昂した瞬間、彼を縛り付けていた呪術的な椅子が、内側から放たれた圧倒的な衝撃波によって一瞬で粉々に爆発した。
「なっ……呪具の拘束を力技で引き裂いただと!?」
水無瀬が驚愕して後退る。
「人の頭の中を勝覗いてんじゃねえよ……!! 好きな人のことも、アンパンマンのハンカチも、闇の支配者もなぁ……!! 全部俺の、最高の思い出なんだよ、ぶっ殺すぞコラァァァァァァッッ!!!」
羞恥心が限界を突破して逆ギレの怒りへと変貌した遼太は、完全にブチギレていた。彼はスッと細い指先を、目の前の星蘭へと突き出す。その構えは、先ほどまで星蘭自身がやっていたものと、寸分違わぬ美しい所作だった。
「お前がさっき使った術の構造……全部丸見えなんだよ。脳みそハッキングして、術式のパス(経路)は完全に逆流させてもらった」
遼太の指先に、青白く、そして星蘭のものよりも遥かに巨大で禍々しい「狐火」が、爆音を立てて狂い咲いた。
「バカな……九尾の狐の最高等妖術を、ただの人間が、一瞬でコピーして使いこなすなんて……っ!?」
星蘭の感情を読み取る力が、遼太の脳内から放たれる「底なしの呪力」を感知し、初めてその美しい顔を恐怖に戦慄かせた。「おい、水無瀬。お前のその薄汚い影も、まとめて燃やし尽くしてやるよ」遼太は真紅の瞳を血走らせ、狂気的な笑みを浮かべながら、奪い取った最高位の「幻術」と「狐火」を同時に解放した。アジト全体の空間が真っ赤な炎の幻影で埋め尽くされ、水無瀬の影鰐の牙が、自らの炎によって次々と焼き払われていく。
「調子に乗ってんじゃねえぞ、違法コピー野郎どもが……!! 泣いて謝るまで絶対に許さねえからな!!!」
立場は完全に逆転した。悪夢の深淵から這い上がってきたのは、暴言を吐き散らしながら高等妖術を完璧に操る、最凶のダークヒーロー。助けが来ないなら、この異界ごと敵を全員ボコボコにして更地にする――覚醒した遼太の、容赦のない大反撃が幕を開けた。
コメント
2件
わぁ✨️逆転やんすごぉい てか覚ってコピー出来たんだ初めて知ったw
わあああ、新庄さん!第13話もう読んだよっ!✨ 今までの鬱屈が全部吹き飛ぶようなカタルシスがやばすぎた〜!!😭💥 遼太が覚醒して「てめぇら…いい加減にしろよクソ狐が!!」って逆ギレブチギレするシーン、脳汁ドバドバ出たわ…!!!「人の頭の中を勝覗いてんじゃねえよ」って自分の思い出を守るための怒りが最高にエモいし、アンパンマンのハンカチを堂々と「最高の思い出」って言い切る遼太に泣いた。星蘭と水無瀬が完全にビビってるのがスカッとする〜!🔥 次回、この最凶ダークヒーローがどう暴れるのか待ちきれないよ!⋆♡