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ピピピッ ピピピッ
いつもと変わらないアラームの音が聞こえる
ピピピッ ピピピッ …カチッ
「ふぁぁ…」
時計の針は6時46分を差す。
今日も今日とて変わらない日々が始まる
そう…変わらない日々が
今日も
決まった時間に歯を磨く
決まった時間に制服を着る
決まった時間に朝ごはんを作る
決まった時間に食べる
決まった時間に学校へ向かう
「…行ってきます。」
今日は雲一つ無い晴天だ。
またいつものように、遅刻せず普通に学校の中に入る
いつもと変わらない友人と会う
「おっは、雄人」
「はよ、イキリ」
「おい!早朝にイキリはねえだろ!」
変わらない会話を、変わらない日常をこれからもずっとずっと送っていくんだろう
「イキリじゃなくて、蒼亮な」
「…どした?急に黙りこくって」
「いや、なんでも無い」
「そういやしくは?」
「もうそろ来るだろ」
そういや自己紹介がまだだった
俺は村上雄人(むらかみゆうと)
ごくごく普通の男子高校生だ
さっき俺と話してた男は石井蒼亮(いしいそうすけ)
あだ名はイキリ。全ての行動にカッコつける
なぜか本人はイキリと言われるのを嫌がる イキらなかったらいいのに…
「ちっす〜。相変わらず早えな〜イキリとゆーは」
「おいイキリって言うな!」
「メンゴ〜w」
こいつは白川黒浪(しらかわくろ)
あだ名は名字に白が付くのに下の名前は黒が付くからしく
……ってイキリが言っていたが、正直意味がわからん
まあまあな金持ち。イキリと違ってイキらない
廊下を走る音がする
ガラガラッ
勢いよく扉を開く
「ハアハア…む、村上君!体操服持ってる?!」
「も、持ってますけど…」
「ごめん!貸してくれない?」
「全然大丈夫ですよ。どうぞ」
「ありがとう〜洗って返すね!じゃあね!」
そう言ってまた廊下を走って帰っていった。
さっきの人は椎名海斗(しいなかいと)
俺より一つ上の先輩。ちょっと鈍臭いところがあるけど
かっこいい先輩。
また廊下を走る音がする。今度はなんだ
ガラガラッッドンッ
さっきよりも勢いよく扉を開く
「村上先輩!体操服貸して!」
「お前何回目だよ!」
「26回目!!」
「うるせえよ!」
「それにもう海斗先輩に貸したよ」
「ええぇぇーー!!」
「じゃあ仕方ない。イキリで妥協するかぁ」
「おい!俺もお前の先輩だからな!まあいいけど」
「あざっす!」
さっきからやかましいコイツは大儀実竜輝(おおぎみりゅうき)
珍しい名前 いいな…
俺の一つ下で、幼稚園の時からの幼馴染。
なぜかずっと俺のことを先輩を付けて呼ぶ。
大儀実いわく先輩を付けて呼んだ方がなんかいいらしい。
「じゃあまたね!村上先輩!」
なぜか帰りは歩いて帰っていった
「たっくよ、あいつほんと生意気だよな〜」
「お前よくあんな奴とずっと過ごしてきたな。お前と真反対な性格なのに」
「確かに」
確かに俺と大儀実は真反対だ。真反対だからこそ気が合うっていうか…
なんというか…
だから今まで喧嘩せず小中高一緒に過ごしてきた。
「いやお前も村上と反対だろ」
さっきまでもはや空気だったしくがイキリに言う
イキリは実は小学校からの仲だ。
小学校の近くにある公園で大儀実とキャッチボールをしていたら、
「僕も入れて入れて!」とどっからともなく現れたイキリと
仲良くキャッチボールをした。後日、俺と一緒の小学校だと知り、
そこから仲良くなった。
「俺であれば誰とでも親友になれんだよ」
「はいイキリでたー」
「うっせえな!」
しくとイキリが取っ組み合いになる
…またやってるよ
そういえばしくは中学校からだ。
入学式の日、教科書に名前を書いている時、後ろからトントンと叩かれた。
振り向くと、初対面のしくは馴れ馴れしく「マイネーム貸して」 と言われた。
俺は混乱しながらも「あ、ど、どうぞ」と貸す。
しくは「てんきゅ」と言って、拙い字で名前を書いていく。
帰り際に俺は「えっと、初めまして…ですよね?」としくに聞く。
「うん、初めましてだけど…。あ、ごめんいきなり馴れ馴れしかったよね。
俺の名前は白川黒浪。よろぴく〜」
こんな感じで友達になった。
「俺別に親友だと思ってないけど」
「えぇっ!」
イキリはちょっとショックを受ける
「乙www」
それを煽るしく
こんな変わらない日常がいつまでも続いてほしいな。