あの日のあなたは変だった。
あなたがあなたで無い様な気がして。
私は「あなた」が好きだった。
あなたがあなたで無くなれば、私はあなたを嫌いになるかもしれない。
でもそうとも言いきれずに、また口を噤む。
私はなんて弱いのだろう。
海のように綺麗な目をしたあなたは、どこか吸い寄せられる瞳だった。
とても美しく、綺麗で、濁っている。
美しい青に泥を塗りたくったような瞳。
そんな瞳が大好きだった。
なのにそんな瞳では無くなってしまった。
単調で、絵の具を適当にぶちまけたような。
そんな雑な色をしていた。
そんな瞳、あなたじゃない。
あなたはあの綺麗で濁った汚く美しい瞳なんだ。
あなたはあなたで居て欲しい。
あなたを変えた人は一体誰なのだろうか。
そればかり考えていた。
あなたは何も得ようの無い、真っ黒な目をしている方が良い。
だから……
「あなたを壊してもいい?」
コメント
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んぐぅ凄い……