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「……ただいま」
頭の中は…
[どんな顔でママたちと
顔合わせたらいいんだろう…]
[言うなって言われたけど、やっぱり言うべきなのかな…?]
[裸見られて、あんなことされたなんて言うの…恥ずかしいよ。]
そんなことばかり、考えていた。
「姉ちゃんお帰り!!またゲームしに行っていいかな?楽しかったし!!」
「え、あ。うん…もう、あたしは……」
「どしたの?姉ちゃん?」
「なんでもないよ!」
「奈月、パパ今日遅いみたいだし、
後で蜂蜜紅茶でもふたりで飲もっか!!」
ママは、何かを察したのか…。
そう明るく話しかけてくれた。
蜂蜜紅茶🍯あたしの大好きな紅茶。
20時半、弟と妹は既に寝室で
眠りについていた。
蜂蜜の良い香りがリビングに漂った。
コト…。ママが蜂蜜紅茶を入れてカップを
テーブルに置いた。
「どしたの?楽しくなかったの…?大輝くんと、遊んだの?勉強会あるって…言ってたけど、それは、事前に聞いていたの?」
首を横に振った。
あの恥ずかしさと、感覚が蘇った。
言えない…言えない。
あんなことされたなんて…。
涙が目に溜まる…。
「…奈月?大丈夫?何かされた…?」
ママが顔を覗き込んだ。
肩まである髪をそっと、ママが触れた。
「さっき、帰ってきた時にね。すぐ気づいたんだけど、ここの首のところ赤くなってるの。
どしたのかなあって。気になって…」
首…?
首を抑えて記憶が戻る。
恥ずかしくて、恥ずかしくて…
たまらなかったけど、あの時首元を…
吸われている感じがした。
何されていたかわからなかったけど。
え…何をされたんだろう。
何を付けられたんだろう。
あの時は、恥ずかしいばかりだったけど。
急に恐怖が込み上げ。
体が震え出した……。
同時に涙が止まらなくなった。
「奈月…変なことされたのね……?」
首を縦に振る。
「マ…マ……あたし。何された……んだろう」
嗚咽を漏らしながら応える。
「裸にされたり、キスされたりした?」
「キス…は、され……てない……」
「そう……わかった、他は…?」
「アソコ舐められた…その時は……恥ずかしくて……それだけが……頭いっ……ぱいで、でも今思い出し……たら、怖かった……。」
「そっか。怖かったね……。大丈夫。他は何もされてない?」
「うん……」
涙が止まらなくなった。
ママ……ごめんね……。
ありがとう……。
「今日は疲れたでしょ、嫌なこと思い出させて、ごめんね。今日は、寝なさい。」
あたしは、涙を拭き自分の部屋へ向かった。