1992年、世紀の大決闘があった。ゴジラにモスラが挑んだのである。、、、いや、もう一体、モスラと敵対しながらも、和解し、タッグを組んだ怪獣が、、、。
そう、それは、、、。
1万2000年前、、、
クゥークゥークゥー、、、
ザザーン、、、ザザーン、、、
微かに波の音と、その中にカモメの歌声が聞こえる、、、。
ここは、ラタニア大陸に栄えた王国、[ムー帝国]、、、。
港町に囲まれた小王国だが、高度な文明を花開かせていた。
あるとき、王宮にて
[王様、ついに我々は天候を予測するプログラムの開発に成功しました。]
[、、、そうか。]
[これを改良すれば、天候を操ることも可能となるでしょう。王様、何卒、次の研究の許可を、、、。]
そう、ムー帝国はついに天候を予測するプログラムの開発にまで、成功していたのだ。改良すれば、間違いなく天候を操ることも可能、作物などが効率的に収穫できるし、天災の脅威が一つ消えるのだ。
我々人類にとっては、夢のような装置の完成まであと一歩だったのだが、
[、、、却下する。]
[、、、へ?]
なんと、王様は研究を禁止したのだ。
王様はこう続けた。
[行き過ぎた科学は、国だけではなく地球も滅ぼしかねん。さらに、天候を操るなど神の諸行、人類にとっては禁断の果実なのだ。断じて、認められん。]
[ですが王様!我々国民は、貧困に苦しむこともなくなるのですよ!]
[だまれ!わしに逆らえば、一切の研究を永久に禁止ずるだけでなく、おまえの公職まで追放するぞ。]
[、、、わかりました。では、他の研究に勤しんで参りますので、何卒、御支援承りますよう、よろしくお願い申し上げます、、、。]
[よし!さがれ!]
[、、、はっ、、、。]
そうして、研究リーダー[タヤレム]は帰っていった。
[ふぅー、タヤレムのやつ、危ない研究に手をだしおって、あぁ、愛しきコスモスや、おまえたちは、母なる地球をいやしたまえて、我が王国の平和と安寧を護りたまえ。]
[わかりました、御父様。]
コスモス、、、王[ファラーダ]の娘であり、神秘的な力を持つ双子姉妹である。
姉、[ティアラ]は行動力があり、責任感が強いが、時にその責任感が自分を苦しめてしまうことがある。
妹、[ルナ]はおっとりした性格で、マイペースだが、正確な判断ができ、姉をフォローしながら一緒に行動している。
二人はうまれながら、代々受け継がれてきた巫女になった。
母は偉大な巫女だったが、難産の末に二人を取り残してパライゾへいってしまったのだった。
今日もコスモスは、神殿で祈りを捧げていた。
[モスラヤ、モスラ
ドゥオンガン、カサクヤン、インドンムゥ
ルストウィランド、ハンバハンバムヤン
ランダ、バンウーラダン、ドンジュカンラー、カサクヤング]
祈っている先には、聖母アジゴ像があり、アジゴ像は不思議な卵を抱えていた。
なんでも、モスラという神の化身の卵をかたどったものだそう。
だが、その卵も、肝心のモスラも、もう像と伝承という形しか残っていないのだ。
王国では、モスラは空想の中で生まれたものなのではないかと噂が広まっていた。
聖母アジゴや、モスラについて書かれた聖典には、現実ではあり得なさそうなことがあまりに多く書かれているため、信用している民はあまり少なかった。
しかし、最後の一文は聖母アジゴが遺した預言で、かつ現在の状況の的を得ているような内容だった。
最後の一文にはこう書かれている。
[民の一派は、禁断の果実に触れ、天の光を遮らん。
さすれば、母なる地球の怒りを買いて、やがて[あのもの]により王国は母なる海に飲み込まれるだろう。
そのとき、モスラに祈りを捧げよ。
モスラは、天より舞い戻り、悲しきしもべを救うだろう。
さすれば活路はひらかれん。]
これが、王国に伝わる預言だ。
王はこの預言と現状とに危機感を抱いており、天候の研究を禁じたのだ。
祈りの最中、
[ねぇ、ルナ。どうして、御父様は研究を禁じたのかしら。タヤレムは立派なことをしたのだと思うけど。]
とティアラは聞いた。
すると、ルナはこう返した。
[御父様は、禁断の果実に触れることを恐れているのよ。人はひとたび禁断の果実の味を知ってしまったら、歯止めが効かなくなるものなのよ。
そうなれば、王国だけではなく地球も滅ぼしかねない。
だから、御父様は、研究を禁じたのよ。]
[でも、わたし、もう国民が苦しんでいるのをみるのはいやよ。]
ティアラは、国民が貧困で苦しんでいるのをみているのは辛かったのだ。
[でも、だからといって、地球まで滅ぼしたら意味ないじゃない。もっと、ほかによい方法があるはずよ。]
[、、、そうね。]
コスモスたちは、聖母アジゴに王国の平和と安寧がいつまでも続くように祈りを続けました。
その晩、、、
タッタッタッ
[た、大変です!お嬢様!]
[ん、、、なんですか?こんな夜も更けた時間に、、、。]
[申し訳ありません。ただ、お耳に入れてほしいことがありまして。]
[、、、なにがあったんですか?]
[タヤレムが、、、タヤレムが、、、反乱を起こしました!]
[、、、えっ。]
寝耳に水であった。そう、先の出来事に憤慨したタヤレムは研究員と、民を連れて反乱を起こしたのだった!
[王ファラーダは、自分の利益を遵守し、我々国民の生活をくるしめた!今こそ、神の裁きを受け、天誅を下すのだ!]
ウォーーー!
王宮は、取り囲まれてしまった。
兵は塀をつかい防衛陣地を堅め、守り通そうとしたが、相手のほうが一枚上手だった。
そう、タヤレムは研究家でもあるが相当頭の切れる戦略家でもあったのだ。
なんと、密かに研究していた最新式のライフル銃をつかい、民と連携して王宮を取り囲み兵糧攻めで、兵と王たちを追い詰めたのだ。やがて、兵の疲労は限界に達し、陣地が破られ、王ファラーダとコスモスは捕らえられてしまった。
そして、、、
[みよ!これが我ら国民を苦しめた悪王ファラーダの首だ!]
王ファラーダは処刑されてしまった。
コスモスは、地下牢へ閉じ込められてしまった。
[ああ、御父様。私がもっと国民に寄り添っていれば、、、。]
ティアラは泣いていた。
ルナは、そんな姉の背中をさすりながら、
[あなたのせいじゃない。民だって、きっと辛くて、しょうがなくて、ああするしかなかっただけよ。]
しかし、地下牢に閉じ込められた二人は為す術がなかった。
一方その頃、新たに革命隊を率いたタヤレムが王の座につき、ついに、天候を操る装置[ポセイドン]を完成させてしまった。
[よし!これで、民は救われる!今すぐに、装置を作動し、作物が育ちやすい環境を整えろ!]
[はっ!]
[よしよし。これで、今年は豊作だ。民は救われ、、、俺は英雄扱い、、、。
すこしくらい、贅沢をしたところで反感は買われんだろ。フッフッフッ、ハハハハハハ!]
そう、タヤレムの表の顔は、国民を愛する善良研究家なのだが、裏の顔は金と女と酒をこよなく愛するクズ外道だったのだ、、、。
ジジジ、、、バババ、、、
装置が作動し、天候を自由自在に操った。次第に、ムー帝国は繁栄
を極めたのだった。それと同時に、タヤレムは悪行の数々をおこしたが、すべて[英雄]というたった二文字にもみ消された。
、、、、、ここは、深海、、、。
洞窟の岩場の陰に、その卵は鎮座していた。
(、、、、トラよ、、、、
、、、、目覚めよ、[バトラ]よ、、、、!)
すると突如、ギラン!と卵が光り、中からまがまがしい生物が顔を出した!
ギャオーーー!
(、、、、我を乱すものたちを排除し、自然の摂理を護るのだ、、、、!)
ギャオーーー!
ここに、バトルモスラ、、、[バトラ]が誕生したのだった。バトラは、ものすごいスピードで海の彼方へと消えていった。
[、、、、コスモスよ、、、、。]
[、、、ん、、、?]
地下牢で眠っていた、コスモスは不思議な声で目が覚めた。
[、、、だれ?]
[、、、私である、、、アジゴである、、、]
[!?、、、アジゴ様!?]
なんと、聖母アジゴがコスモスにテレパシーで話しかけてきたのだ!
[おまえたちに、危険が迫っている。今すぐに、神殿に向かい、モスラの眠りを覚ますのだ!]
[そんな!むちゃです!わたしたちは閉じ込められていて、抜け出すことができません。]
ルナは、冷静に答えた。
すると、
[では、おまえたちに力を与えよう。]
と、聖母アジゴがそういうと、目の前に小さな光がふわふわと浮かんだかとおもうと、それが一点に集まり形を作った!
ピィーーー!
蝶のような、蛾のような、妖精のようなものがあらわれた。
[それは、フェアリーモスラだ、実態はないが、言葉を理解し、おまえたちに協力してくれるだろう。
後は、たのんだぞ。]
そういうと、聖母アジゴの声はしなくなった。
[、、、フェアリーモスラ。]
ピィーーー!
すると、ルナがフェアリーモスラにこう頼んだ。
[フェアリー、おねがい。地下牢の鍵を探してきて!]
ピィーーー
すると、フェアリーは牢の間を抜け出し、鍵を探しに行った。
ピィーーー、
フェアリーが鍵を探していると、なにやら警備室らしき部屋から話声が聞こえた。
フェアリーは、そっと近づく、、、
[おい、きいたか?]
[なにを?]
[タヤレム様、また国の財政を使って豪遊したらしいぜ。]
[ああ、でも仕方がないさ。だって、あのポセイドンのおかげで、国民は飢えに困ることはなくなったからな。]
[うらやましいな、俺もあんな生活してみたいぜ。]
どうやら、タヤレムは国の財政を自分の豪遊のために使っているらしい。
、、、!ピィーー!
すると、話している兵士の腰に鍵があることをフェアリーは気づいた。
フェアリーはこっそり近づいた。
[、、、ん?]
[どうした?]
[いや、気のせいか。誰かがいたような気がしたが、、、。]
[おまえ、最近寝不足なんじゃないか?]
[う、うるせぇやい。]
フェアリーは、兵士の影を活かして身を潜めつつ、鍵に近づいた。
ピッ、
やった!ついに鍵をとることに成功した!
[あっ、フェアリー!]
ピィーーー!
ガチャン、鍵が開いた!
[やった、外に出られた!]
[いこう!ルナ、神殿へ!]
[うん!]
二人とフェアリーは、神殿へ向かった。
それと同刻、、、
ギャオー!
[おい!なんだあれは!?]
ついに、バトラがムー帝国めがけて突き進んできた!
バトラがかき分けた海は、港町を襲い、船を転覆させた。
[タヤレム様ー!]
[なんだ、さわがしい。私は今、忙しいのだ。]
[緊急で御座います。たった今、東の港に巨大怪獣が上陸しました。]
[な、なに!?どういうことだ!?巨大怪獣!?防衛陣形は!?]
[いま、兵を動かしてはいますが、怪獣は異常なスピードで、町を蹂躙、こちらに向かっているそうです!]
[うーん、、、よし、ポセイドンを使おう!]
[ポセイドンでどうするんですか?]
[おまえは頭が足りないなぁー。いいか、ポセイドンを利用し、怪獣に雷を落とすのだ。いくら巨大怪獣でも、天からの攻撃には耐えられまい。]
[さすが、タヤレム様!]
[わかったなら、ゆけ!]
[はっ!]
一方その頃、、、
[あっあれは!?]
[巨大なまがまがしい怪獣、幼虫のような姿形をしてるわ。]
ピィーーー
彼女たちは、燃える街を眼下に見た。
[、、、ますか、、、聞こえますか?]
[アジゴ様!]
[あれは、バトルモスラ、、、バトラと呼ばれている地球の守護神です。]
[あれが、、、バトラ、、、。]
[どうしようお姉ちゃん。]
[、、、神殿へ急ぎなさい、、、。]
、、、アジゴの声がまた聞こえなくなった。
[急ごう、ルナ!もう、一刻の猶予もない!]
[う、うん!]
二人とフェアリーは走って、走って、神殿に駆け込んだ。
[ハァハァハァ。]
息も絶え絶えだったが、もう休んでいる暇もない。
二人は聖母アジゴ像に向かって、祈りを捧げた!
[マハラ マハラモスラ
ラーマ ラーマモスラ
ラーマ ウエララマナム
マハラ マハラ マハラ]
すると、聖母アジゴ像とともに壁が崩れた!神殿と一体になっていた山の斜面が現れ、そこに卵が鎮座していた。
ピシャアーー!卵は光だし、ついにヒビが入った!
ピュイーーー!
卵から、巨大な幼虫が生まれた!
バトラのようなまがまがしい見た目ではなく、蚕のような姿形をしていた。
[あれが、モスラ!]
[やったね、お姉ちゃん!]
[モスラ!私たちに力をお貸しください!]
ピュイーーー!
すると、モスラは神殿の入り口を破り、バトラめがけて進んでいった。
その間も、二人は祈りを絶やさなかった。
ギャオーーー!
バトラは、破壊の限りを尽くした。街は炎と瓦礫に包まれ、その炎が、バトラの姿をより鮮明にうつしていた。
ピュイーーー!
そこに、モスラが駆けつけた!
[はっ、、、この声は、、、。]
二人はモスラとバトラがなんと話しているかがわかった。
(私はモスラ、ムー帝国の守護神である、平和を愛する私は、其方と争いたくはない、すぐに、立ち去ってはくれないか。)
(ことわる!私は破壊の守護神バトラ、天候を操る機械なぞを生み出しおって、今こそ、私は破壊の限りを尽くし自然の摂理を護るのだ。)
、、、どうやら、交渉は決裂のようだ。
モスラは、バトラと戦うことになった。
ギャオーーー!
ピュイーーー!
二体は激しくぶつかり合った!
ビューーー!
モスラは糸を吐き、バトラを糸で、雁字搦めにした!
しかし、、、
ビィィィイ!
なんと、バトラは頭部に生えている角のような突起物から、光線を放った!
モスラは吹き飛ばされた!
ピュイヤーーー!
[あっ、モスラ!]
もはや、これまでかと思われたその時、、、
ゴロゴロ、、、ピシャアーー!
雷がバトラめがけて落ちた!
ポセイドンが、バトラにめがけて雷を落としたのである。
ギャオーーー!
さすがのバトラも、天の力にはあらがえないようだった。
ピュイ!シャアーー!
そこに、モスラの糸攻撃も重なり、バトラは不利になった。
ギャオーーー
バトラは、海へいったん引きあげた。
なんとか、モスラはバトラを追い返せたが、街は崩れ去り、焼け野原だけが残っていた。
モスラは、神殿に向かった。
ゴゴゴゴゴ、、、
神殿を、少しばかり崩して、自分の体に収まるような形にすると、、、
シャアーーー
モスラは、糸を吐き、繭になった。
繭は、美しい虹色のようなキラキラとした糸からできていた。
[お姉ちゃん、またバトラは来ると思うわ。その前に、ポセイドンを止めなくちゃ。]
[私も、そう思っていたわ。タヤレムを説得して、ポセイドンを破棄しないと、、、最悪、国が滅びるわ。急ぎましょう、ルナ!]
[えぇ!]
ピィーー!
二人とフェアリーは、王宮へ向かった。
ポセイドンがある限り、いつバトラがまた来てもおかしくはないのだ。
二人とフェアリーは、さらに王宮へ急いだ。
[タヤレム!今すぐに、ポセイドンを破棄しなさい!]
ティアラは叫んだ!
しかし、
[なに?ポセイドンを破壊しろと?それは、聞けぬ相談だな。おい、こいつらを引っ捕らえよ!]
、、、ついに、タヤレムを説得することはできなかった。
二人とフェアリーが捕らえられそうになったそのとき、、、
[タヤレム!いるだろ!出てこーい!]
[そうだぞ!ひきょうもの!]
外から、声が響いた!
見てみると、国民が武器を手に取りデモを起こしていた。
王宮にいる兵士だけでは抑えきれないほどあふれかえっていた。
[げげ、とうとう下民どもが反乱を起こしやがった!]
タヤレムは、王宮の奥へ逃げた。
[おぉ!ティアラ様に、ルナ様!ご無事でしたか!]
[我々、ムー国民はタヤレムに正義の鉄槌を下しに来たのです!]
みなは、タヤレムの悪行とバトラ襲撃による大被害に不信感を募らせていたのです。
ティアラはいった。
[みなさん!あの巨大な禍々しい怪獣は地球の破壊の守護神バトラです。バトラは、本来は自然であるべきの天候を我々が操作してしまったことに憤慨した地球が目覚めさせた怪獣なのです。ですから、あの禁断の果実、ポセイドンさえ破棄すれば、バトラは、攻撃する理由を失い、そして深海で再び眠りにつくことでしょう。ポセイドンを破棄するためには、あなた方国民の力が必要です!どうか、力をお貸しください!]
[あたりまえです!我々だって、バトラの攻撃で失った人が大勢いますから、もう二度と、あの悲劇を繰り返してはならないと誓ったまでであります。バトラを止めることができるなら、我々はあなた方について行きます!]
[みなさん、ありがとう!]
(、、、チッ。これは、いよいよマズくなってきたな。しかたがない、隠し通路からポセイドンがあるところまで退くか。)
タッタッタッ、、、
、、、二人とフェアリーは王宮を探したが、タヤレムはどこにもいなかった。
あれから、幾日か経ったが、タヤレムとポセイドンの居場所は見つけ出せずにいた。
[ついに、見つからなかったわね。]
[どうしよう、お姉ちゃん。]
ギャオーー!
[!、、、あの声は!]
なんということであろう!
ついに、バトラが再上陸した!
[あ、バトラが!]
ギャオーーー!
バトラは天に向かって咆えた!
すると、まがまがしい光を放ち、その光はやがて空中に形を形成した!
ギャオーース!
バトラがついに、成虫となってしまった。
[こうなったら、、、ルナ!モスラを起こすわよ!]
[そうね!急いで神殿に向かいましょう!]
ピィーー!
二人とフェアリーは再び神殿に訪れた。
そして、二人は祈りを捧げた。
[モスラヤ モスラ モスラヤ モスラ]
ミシミシミシ、、、
祈りを捧げると繭が破れ、そこからモスラの顔がニュッと現れた!
ピュイヤーー!
ついに、モスラも成虫となった!
美しい、虹色の羽を広げたモスラは一直線にバトラに向かって飛びたった!
ギャオーーース!
ピュイヤーーー!
バトラとモスラは、激しくぶつかり合った!
(バトラ!これ以上王国を傷つけてはいけない!ポセイドンは我々がなんとかするから帰ってはくれませんか!)
(だまれ!我は破壊神バトラ!すべてを破壊し地球を浄化する!邪魔をするやつは誰でも容赦はせん!)
ドン!ドン!ドン!
やはり、破壊神と呼ばれるだけあってモスラでは歯が立たなかった!
ジジジババババ!
そのとき、バトラに雷が命中した!
[くっそー!私の財産をこれ以上壊すなー!この化け物めー!]
タヤレムがポセイドンを操作し、バトラに攻撃してきたのだ!
ギャオーーース!
、、、しかし、なぜかバトラには全く効かなかった!
そう!バトラは、角に雷のエネルギーをためて、ダメージを軽減していたのである!
さらに、それだけではなく、、、
(みつけたぞ、、、!天の裁きを受けよ!)
バトラにポセイドンの在処が勘づかれたようだった。
雷のエネルギーにより、威力が倍増したプリズム光線を地面めがけて発射した!
ドカーーン!
[うわぁーー!あ、あついーーー!ギャアーーー!]
ドッカーーーーン!
バトラはついに、ポセイドンを破壊した!、、、しかし、、、。
ポツ、ポツポツ、ザァーーー!
信じられないような嵐がたちまちムー帝国に降り注いだ!
キャアーー!うわぁーーー!
王国は、大洪水に見舞われた!
[みんな!はやく高台に避難してください!]
[おちついて、あわてないで!]
ピィーーー
二人とフェアリーは国民を高台へ避難させた。
ギャオーーース!
バトラは、沈みゆく街の上空を飛んでいた。
ピシャアーーゴロゴロ!
その時、まばゆい光が空に光った!
ピュイヤーーー!
なんと、モスラに雷が直撃してしまった!
[モスラーーー!]
ドーーン!
モスラは墜落してしまった。
二人とフェアリーはモスラに駆け寄った。
ピュイヤーー、、、
だんだん、モスラは弱っていった。
[モスラ、、、]
[モスラが死んじゃったら、私たちどうすれば良いの?]
二人は悲しみに暮れた。
ピィーーー!
そのとき、フェアリーがまばゆい光を放ち、モスラの体へ消えていった!
[フェアリーー!]
ピカァーーー!
すると、モスラは虹色の羽をさらに光らせ、体は黄金に輝いた!
[、、、フェアリー!あなたの力なのね!]
[お姉ちゃん、みて!]
モスラは羽を広げ、スクッと起き上がった!
その姿はまさに、神そのものであった!
ギャオーーース!
ピュイヤーーー!
そして、モスラとバトラによる最終決戦の幕が切って落とされた!
ギャオーーース!
バトラはプリズム光線を放った!
キラキラキラ、バリバリ!
すると、モスラの羽から黄金色の粉がちらばった!
鱗粉のように見て取れるそれは、バトラの攻撃をはじいた!
それどころか、その攻撃をバトラに跳ね返してダメージを与えた!
ピュイヤーーー!
[、、、すごい!]
モスラの攻撃は煌びやかで美しかった。
暗い空は、幻想的な黄金の光に包まれた!
やがて、バトラはだんだん弱っていった!
ピュイヤーーー!
すると、モスラはバトラにめがけて突進した!
そして、ぐんぐんスピードを上げてバトラを押していった!
モスラはものすごいスピードで南の空に消えた!
その姿は、まるで彗星のように綺麗な尾を引いていた!
[モスラーー!]
ピュイヤーーー!
ギャオーーース!
ドッカーーーン!
そして、モスラは南極の氷にバトラを衝突させた!
バラバラバラバラ、、、
バトラは、南極の氷の下に埋まってしまった。
ピーーーー、、、
すると、モスラは怪しげな紋章を描いた。その紋章は、バトラが埋まっている氷にスッと消えた。
モスラは、バトラを封印したのである。
[、、、、!みて、お姉ちゃん!モスラが帰ってきた!]
モスラは無事、二人の元へ帰ってきた。
、、、二人は、眼下に広がっている世界を見つめた。
街や、王宮、神殿、、、故郷は大洪水によって沈んでしまい、そこは大海に化してしまっていた。
[わたしたち、これからどうすれば、、、。]
(、、、コスモス、、、。)
[!、、、モスラ、、、。]
(コスモス、、、あなた達は、残った人々と力を合わせて、この島を以前の国よりも豊かで平和なところにしなさい。そして、この悲劇を後世に語り継ぐのです。
、、、私の封印は永遠ではありません。
時がたてば、バトラは復活してしまうでしょう。
わたしは卵を残します。
あなた達はこの悲劇とともに、私のかわいい子供たちを見守ってください。
いつの日か、私の子供たちがまた、バトラと向き合ってくれることでしょう。)
[!、、、はい!]
二人は、ニッコリとモスラに向かって笑った。
(、、、では、後のことは頼みます。さようなら、私のコスモス。
そして、世界、、、、)
ピカァーーー!
モスラは光の粒となって、天へと舞い上がった。そして、そこには卵が横になっていました。
[、、、モスラ、、、ありがとう。]
、、、1万2000年後、 、 、
、、、クゥー、クゥー、クゥー、、、
ザザーン、、、ザザーン、、、
かすかな波の音の中にカモメの歌声が聞こえる、、、。
そんな海の中を、ある一隻の船がすすんでいた。
目指す場所は、、、
[、、、インファント島、、、。]
その島は、インファント[王国の悲劇]と呼ばれている。
噂では小さな妖精のような双子が潜んでいるのだとか。
終