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*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
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#オリジナルキャラ含む
Luna Emma
110
しっつもーん!
後書きみたいなものって書いてもいい?
-—–
放課後。
図書室には、夏の終わりの風がゆっくり流れていた。
「……。」
冴は一冊の文庫本を手に取る。
何度も読んだ、お気に入りの小説。
少しだけ迷ってから、本をバッグへ入れた。
-–
翌日。
昼休み。
いつもの図書室。
「神崎。」
「ん?」
冴がバッグから文庫本を取り出す。
「これ。」
「え?」
「貸す。」
奏斗は目を丸くした。
「……俺に?」
「うん。」
「なんで?」
「……面白いから。」
「……。」
「神崎なら。」
「好きだと思った。」
その一言で、奏斗の思考が止まる。
(”神崎なら”……?)
(俺のこと考えて選んでくれたのか。)
「ありがとう。」
奏斗は両手で大事そうに本を受け取った。
「絶対読む。」
「……急がなくていい。」
「でも感想聞かせて。」
「うん。」
その返事だけで、冴は少し安心したように笑った。
-–
その日の夜。
奏斗の部屋。
机の上には宿題。
……その横には、借りた文庫本。
「よし。」
「少しだけ読むか。」
一ページ。
二ページ。
三十ページ。
五十ページ。
気づけば時計は午後十時を回っていた。
「……面白い。」
でも。
物語以上に気になったのは。
(冴は。)
(この場面が好きなんだ。)
(このセリフを読んで笑ったのかな。)
(このページで泣いたのかな。)
本を読んでいるのに。
頭に浮かぶのは、冴のことばかりだった。
-–
翌日。
「石川!」
朝から珍しく奏斗が駆け寄る。
「昨日。」
「読んだ!」
「……。」
「まだ途中だけど!」
「すっごい面白い!」
冴は少し驚いたように目を見開く。
「……ほんと?」
「うん!」
「主人公さ。」
「あそこであんなこと言うと思わなかった!」
「……。」
冴は嬉しそうにうなずく。
「俺も。」
「そこ好き。」
二人は自然と本の話を始めた。
気づけばチャイムが鳴るまで夢中になっていた。
-–
「おーい。」
後ろから颯太が苦笑する。
「神崎。」
「ん?」
「朝からそんなにしゃべる相手、石川だけだぞ。」
「え?」
「……。」
奏斗は固まる。
「……そうかも。」
「今さら気づいたのか。」
颯太は肩をすくめた。
「お前さ。」
「石川といると、笑い方が違う。」
「……。」
奏斗は思わず冴を見る。
冴は窓の外を眺めながら、本を開いていた。
穏やかな横顔。
その姿を見ているだけで、自然と口元がゆるむ。
「ほら。」
颯太が笑う。
「また笑ってる。」
「……。」
「重症。」
「……否定できない。」
-–
放課後。
帰り道。
「神崎。」
「ん?」
「本。」
「急いで返さなくていい。」
「読み終わったら。」
「また貸す。」
「……!」
奏斗は目をぱちぱちさせる。
「また?」
「うん。」
「シリーズだから。」
「全部読む?」
「もちろん!」
「……。」
冴は少し照れくさそうに笑う。
「じゃあ。」
「全部貸す。」
その笑顔を見た奏斗は、心の中でそっと思う。
(”全部”って言葉。)
(なんか嬉しい。)
-–
その夜。
冴の机の上には、小さなメモ帳が置いてあった。
普段は何も書かないのに、その日は一行だけ。
> 「神崎、本気で楽しそうだった。」
書き終えて、自分で少し驚く。
(……なんで書いたんだろ。)
メモ帳を閉じる。
でも、そのページだけは、なんとなく捨てられない気がした。
コメント
2件
アンケートとりまーす! 後書きしてもいいよー!って人はいいね👍️お願いします(◍•ᴗ•◍)
第十四話、読み終わりました。夕焼けの図書室っていうタイトルが、もう雰囲気を全部語ってますね…。 冴が奏斗に「神崎なら好きだと思った」って本を貸すシーン、すごく好きです。あの一言に、冴のなかで奏斗の好みをちゃんと考えたんだなっていう気持ちが詰まってて。奏斗が夜遅くまで読んで、浮かぶのは冴の笑顔ばかりっていうの、読んでるこっちまで胸が温かくなりました。 颯太の「笑い方が違う」「重症」ってツッコミも絶妙で、二人の関係がゆっくり変わっていくのが伝わってくる回でした。続きも楽しみにしてますね。