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1 - いさひな👾🎣

♥

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2024年12月26日

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(⚠️無断転載、AI学習全面禁止❌)

ーーーーーーーーーーーーーーーー


一緒にいて苦じゃない相手。俺の中で、すぐに思い浮かぶ相手と言ったら、まぁ、伊佐くらいだろう。 同じ教室、同じ部活で毎日のように顔を合わせる。


「ねーってばー!しゅーちゃん!」


「あ?あぁ、悪い」


「考えごと?」


「そんなとこだ」


何考えてたの?と聞かれるが答えない。というか答えたくない。馬鹿正直に言ってしまえばニヤニヤされて、ここぞとばかりに質問攻めされる。大した事じゃ無いと誤魔化し、別の話に切り替えよう。しかし何を話したものか…


「そーいえばさ、しゅーちゃんから見て、はーちゃんのベースはどうよ?」


「反郷?」


「ダブルベースの感想だよン」


伊佐から話題を切り替えてもらって助かった。でも、此処にいない反郷の話をされるとは思ってなかったな。ダブルベースの感想か。

“見て”というより“聴いて”の方が正しいだろう。


「安心して任せられる」


「と!言いますと?」


「声の低さも、土台としての重さも申し分ない。実力があると思ってるよ」


いつもは土台として、曲全体を支える役目を担っている。歌詞をメインで歌うのは数秒だけ。

その数秒の間、誰かに役目を一旦預ける。俺のベースの代役が反郷というわだ。

声の低さは十分。普段は胡散臭い面もあり、大里への強い愛を語る面もあるが、歌う時はしっかり歌う。


「シンヨーしてんのね」


「VadLipは個々の実力が高い。信用しないと思うか?」


「まっさか〜」


「任せる任せられるというのは、そういう事だ」


VadLipは実力主義なグループ。春宮の独断で決められたメンバーではあるが、今となっては彼の人を見る目に賞賛だ。


「はーちゃんに直接言ったら?」


「面と向かって言われたら困るだろ」


「喜ぶと思うよ?」


あの反郷が褒められて素直に喜ぶか?いや、俺の憶測でそんな事を言うのは良くない。ただ彼は、分からない部分が多い。

丁寧な言葉遣いと声色の端々に、ただのお坊ちゃんでは無い雰囲気を感じる。実際、伊佐と仲良く悪戯をして、揉め事に首を突っ込んでは程よい距離で楽しむ。今まで何となく接していたが、改めて思い返すと本当に謎が多い。


「まぁでも、わざわざ言う必要ないか!」


「どうしてそう思う?」


「しゅーちゃんが思いっ切り歌えてるからさ」


何故か嬉しそうに答えた。俺は、そんなに歌えているのか?そもそも俺の歌う姿は、どう見えてる?


「楽しそうだよね」


俺の心を読んだかのような言い方。


「僕も楽しいよ。 しゅーちゃんの歌、ほぼ毎日 間近で聴いてるし?」


「そうか」


「その特権持ってるの、このクラスで僕だけだもんねぇ。しゅーちゃんの歌の素晴らしさ1番最初に見つけたからかな?」


「大袈裟だ。クラスが同じだけで…」


俺の机に肘をつき、頬杖しながら話を遮った。人の話くらい最後まで聞いてくれ。


「大袈裟でも何でも良いよ…しゅーちゃんが歌ってるんだから」


目を細め、柔らかい笑みを浮かべた。微笑んでる伊佐は一言も発することなく俺を見ている。口を閉じれば何とやらってやつか。 元々綺麗な顔立ちの伊佐。よく喋るよく動くよく…笑う、だから気に止めて無かった。

こんなにも、綺麗だってことを…


(今の俺、どんな顔してるんだ)


「しゅーちゃん?」


「…何でもない」


「えぇ〜?うっそーん」


ほら戻った。おちょくってくるし、指でつついてくるし。何か言わないといつまでも執拗く話しかける。正直、うるさいと思う日は少なくない。

でも、これが1番落ち着くことを俺は知ってる。


「課題、手伝ってやらないぞ?」


「わぁ〜!それだけはご勘弁を!」


「じゃあこの話は終わりだ」


「へーい」

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