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ひなみち / みちひな(どっちがいいかね?)
「雛乃先輩、 ですか?」
「ん?あぁ、雁屋園か」
「こんにちは。今日はお1人ですか?」
いつも伊佐先輩が隣にいるから、1人の雛乃先輩は珍しいなと思った。
「一応1人だ」
「あの、雛乃先輩。喫茶店行かれました?」
「えっ、あ、あぁ、よく分かったな」
「匂いがしたので」
ほんのりコーヒーの匂いがして、さっき行ってきたばかりなんだと予想。匂いが着いたばかりな気がして、聞いてみたけど当たってて嬉しい。
彼は少し、驚いた表情をしている。
「駅前のアンティークな…」
「オシャレな老夫婦さんの所、ですね?」
「そこまで当ててくるか。凄いな雁屋園 」
「ボクの家も飲食店 なので、情報は自然と入ってくるんです。実際に行って、雰囲気と食事楽しんでます!」
つい楽しくなっちゃって、雛乃先輩の倍、話してしまった。また驚く先輩の表情で我に返って…
「あ、すみません。つい…」
「構わない。というか、もっと話さないか?」
「えっ」
「雁屋園の店で話したい」
まさかのお誘い。話したいと言われたこともだけど、まさかのボクの家で!
雛乃先輩とはいつか話してみたいと思ってたから、こんな機会逃す訳にはいかない!コーヒーの話だけど、カッコイイの秘訣を聞きたい。
「はい、今から行きましょう!」
「急にすまない」
「いえいえ!お客さんが増えることは良いことですから」
ここから徒歩15分。せっかくだから、カッコイイの秘訣はここで聞いてみよう。
「雛乃先輩、質問いいですか?」
「ん?あぁ。俺に答えられる範囲でなら 」
「雛乃先輩は何でカッコイイんでしょうか!」
「え、は?」
身長も180cmと高く、体も程よく鍛えられている。過去にミュージカルの子役をやっていたと風の噂で聞いたことがある。
落ち着いた雰囲気と、口調。これだけでも十分カッコイイけど、もっと何かあるはず。
「アカペラの時もそうです。落ち着いたパフォーマンスの中に熱を秘めているというか、」
「気のせいじゃ…ないか?」
「いえ!何か、あるはず!」
「…自分を信じるは、答えになるだろうか」
自分を信じる。
「誰かに教えられるほど俺も自信家じゃないが、自分の歌や意思を曲げず、貫き通す」
「自分の歌や意思…」
「友達に言われてから、そうするようになった。雁屋園から見て、俺がカッコよく写っているならそれが理由だ」
自分の力量で、優勝の為に練習や経験を重ねて、努力が報われるまで歌っても、ダメだと思う時が、アオペラ優勝者の雛乃先輩にもあるんだ。
でも、ダメだと思う時を乗り越えたからこそ…彼はカッコよくて、敵だけど憧れてしまうのかな。
全く同じではないけど、VadLipが歩んできた道をボクらも歩むことになる。
その先に、ボクが望むカッコイイがある。
「参考になったか?」
「はい!とっても」
「自分を信じれば、自分らしさ…雁屋園らしさが分かってくると思う」
「ありがとうございます」
何だかじんわり温かくなってきた。他校の先輩と話すことは、とっても刺激的で楽しい。
だからもっと…何か話したい。
雛乃先輩を、知りたい
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