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奏斗視点
アキラのGPSを頼りにセラのもとへと向かう。 大きなマンションの目の前でアキラの足が止まった。
ng「ここですね…。随分と高いので屋上から入りましょうか。」
hb「…おん。」
屋根から屋根へと飛び移り、屋上から階段を降りていく。 途中の死体からして、小さな傷がついていたため、 セラが出来るだけ痛くないよう、苦しまないように殺したのだろう。 そんなところが優しい人間味を感じる。
kn「…何、此処。」
やけに血が多い。セラがやった?…いや、やられた?
hb「…9階か‥」
kn「アキラ、このマンションに着くまでに何分くらいかかった?」
ng「…6分はかかってないですね…。」
止血剤を使ったのは事務所を出てから10分以内。セラの足の速さ的に此処に着くまで約3分、最上階の14階から今居る9階まで 遅く見ても約5分。
hb「ほぼ確定で此処でやられたみたいだな。」
kn「…そうだね。」
ng「…早く行きましょうか。」
hb「おん。」
階段を降りるにつれて死体の数は減り、血の量が増えていく。 どうやらこのマンションには地下があるみたい。強そ~な武器が沢山並んでいる。
hb「…此処が最後か。」
ng「そうみたいですね。」
任務に使うために持っていた小型懐中電灯をつける。照らす先を足下に向けると、引きずられたような血の後があった。辿って行くと少しずつ苦しそうな息の音が聞こえてきた。きっとセラだろうな。
kn「はぁぁぁ、」
大丈夫、普通に振る舞え。
普通に
‥普通に
…普通‥に、
四季凪視点
hb「ッ……、」
ng「…。」
奏斗が少し乱暴にセラ夫を背中から降ろす。手を出すのは少々やり過ぎな気がするが、セラ夫が悪いから仕方がない…と自分に言い聞かせる。私は変に口出しをしてこれ以上奏斗の機嫌を損ねないように黙っていたが、たらいは先ほどから俯いて歯を食いしばっているように見える。事務所に戻ってからも急いで 手当てをして、セラ夫の傍を離れようとしない。しばらくして、嬉しそうな顔をした奏斗がセラ夫を担いで事務所を出て行った。
体を揺すられる感覚とともに目が覚める。寝てしまっていたのか。奏斗が事務所の開きっぱなしのドアの先を指差した。言いたい事は大体分かった。早歩きで向かい、部屋の扉を開ける。その先にはベッドに倒れ込んでいるセラ夫がいた。鼻血を垂らしているのがまた良い。名前を呼べば、視線をこちらに向けてくれた。思わずニヤけてしまう。髪の毛を掴んで床に引きずり降ろす。抵抗して来なかった。だから試しに、思い切り腹を蹴ってみた。
sr「ッカ”ハ!?…ハ-ッケ”ホッ…ゥッ」
痛むところを押さえ、深呼吸を繰り返す。肩を震わせる。蹴る度に身体を丸め、目に涙を溜める。殴っても叩いても、何をしてもいい反応を見せてくれた。
sr「アグッハッァアハック…、ぁあ”ぁ”ぁ”ッ」
やっと声をあげてくれた。もう一度叩こうとしたとき、… たらいがすぐ後ろに立っていた。良いところだったというのに。
hb「アキラ、、交代…! 」
ng「…はい、分かりました。」
もう少し、と言いたいが腕時計は8時を指している。40分近く夢中になってしまっていた。早くしてほしいたらいの気も、分からなくもない。それに寝不足のため、次の番が来るのを待つことにした。