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よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)
第5話 - 第5話 話します‼話しますから‼/え、セルカちゃん、北の洞窟行っちゃった?助けに行かなきゃ‼
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2023年02月17日
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コメント是非‼今回は2話分投稿です。
では、どうぞ‼
ハローミオです。ただいまルーリッドの村の教会に居ます。そしてガチガチに固まっています。私はベッドに座っています。目の前ではキリトが椅子に座っています。
おわかりいただけただろうか。
そう。私は今、キリトとお話という名の質問攻めを受けているのである。意外に怖い‼きっと私の正体が分からないからだよね‼話します‼話すから‼ユージオ助けて…。あ~ここでセルカちゃん来ないかなぁ…。「キリト‼何やってるの⁉」って。
ミ「え、え~と?」
キ「単刀直入に聞くよ。ミオは…君は何者なんだ?」
あ、これは真剣に話さなきゃいけないやつだ。そう直感で悟った私は、戸惑いの表情を消し、背筋を伸ばした。ゆっくりと息を吸う。
ミ「…まず、キリト。『トリップ』って信じる?」
私の発言にキリトは首を傾げる。きっと知らないのだろう。トリップ=旅行とか思ってそうだなぁ。キリトは申し訳なさそうに眉根を寄せ、謝って来た。いや謝らないで⁉でもイケボだなおい。
キ「…ごめん、全く分からない」
ミ「いや、謝らないで良いよ‼んまぁ、私はそのトリップというものをしてここに来たらしいんだよね。トリップって言うのは、簡単に言うと、異世界に転移させられちゃう現象の事なんだ」
我ながら頑張った。ここまで簡単に言えた事を褒めて欲しい。しかし、今度はキリトが戸惑っている。そう、ここはアンダーワールド。人の手によってつくられた仮想世界。異世界転移という非現実な事があるなんて、にわかには信じられないだろうなぁ。
ミ「で、私はただの夢女子。キリト達の事は一方的に知ってるんだ」
キ「どういうことだ?」
今まで結構警戒されてたのに、余計に警戒されちゃったよ…‼でも、もう隠す必要ないよね‼異世界転移は触れないでおこう‼
ミ「ソードアートオンライン」
私がそう口にした瞬間、キリトはビクリと肩を震わせた。まだ出会って数日の謎の女から、自分を2年間も閉じ込めたVRゲームの名前が出てくるのだ。無理もないだろう。そして、キリトが何か言う前に、言葉を重ねた。
ミ「これは、私の世界で大人気のライトノベルでね?主人公は黒の剣士ことキリトっていう少年」
そこまで言うと、キリトがベッドからがばりと立ち上がった。自然を私が見上げる形になる。キリトはかなり驚いているのか、その漆黒の瞳を極限まで見開いている。
キ「……それは、俺が主人公で、舞台は…」
ミ「お察しの通り。浮遊城アインクラッド」
人差し指を立て、きっぱりと言い切る。私がちらりとキリトの表情をうかがうと、かなり混乱している様子だった。だから、安心させるために私はあえて明るく話す。
ミ「まぁ、私はその『ソードアートオンライン』ってラノベが大好きで、読み漁ってたんだけど、なんかこの世界に来ちゃったって訳です」
そう言って、私は少し笑った。あれ、結構緊張しないぞ?イケメン耐性着くの早すぎないか?え、人間って凄い。
キ「…じゃあ、俺の本名とかも言えるのか」
ミ「ええ。じゃあ、暴露しようかな?まず、キリトの本名は桐ケ谷和人。妹さんの名前は桐ケ谷直葉さん。ALO、「アルブヘイムオンライン」でのプレイヤーネームは「リーファ」。そしてキリトの恋人はSAOで出会った結城明日奈さん。アインクラッドでは血盟騎士団の副団長を務めていた。で、超美人。可愛い。料理上手。私がキリトになってアスナさんの手料理食べたかった」
暴露の最後に本音を付け加えると、キリトは戸惑いから苦笑へと表情を変えた。でも、すこし雰囲気が緩んだから信じて貰えた……のかな?
キ「信じるほか…ないよな」
キリトはそう言いながら安心したように笑う。ウッ‼眩しい…‼やっぱりイケメン耐性ついてなかった‼
じゃあ、これで話は終わったかなと頭の中で情報の整理をしてみる。ちょっと知的な表現だけど、キリトに言わなきゃいけない事無いかなって探してるだけだからね。あ、2つあった。
ミ「ねぇ、キリト」
キ「なんだ?」
ミ「2つ、言わなきゃいけない事がある」
キ「……分かった」
キリトは、まだ立ち続けていたことに気が付いたのか、ベッドに座りなおした。
ミ「まず、キリトがこの世界に来た理由。知りたい?」
キ「ッ‼」
なーんか、驚かせてばっかだな。ごめんキリト。その驚かせてばっかの黒髪の青年は、すぐに気を取り直すと、落ち着いた声音で言った。
柊澪(17歳)
誕生日は6月18日。キリトに「話がある」と言われ、部屋に通されると質問攻めされた。だからもう包み隠さず話した。ユージオとユジアリ推し。
キリト(17歳)
ミオの正体が分かって一安心。え、俺がこの世界に来た理由?知りたいけど…でも…。答えはスクロール‼
キ「いや、自分で探すよ。俺がこの世界にやって来た理由」
ミ「そっか。分かった」
ある程度予想はついていた。でも答えがはっきりと分かった以上、私があれこれ言う必要はないね‼さて、2つ目。
ミ「じゃあ、もう一つ。…私に協力して欲しい」
キ「どういう事だ?」
私の言葉にまたもや訝しげな視線を寄こしてくるキリト。え、待ってちょっと傷つく。しかし、なんとかその視線に耐えると、詳細を話した。
ミ「これは確かな情報。このまま行くと…とある戦いで…ユージオが死んじゃう」
キ「なんだって⁉」
キリトは、私の返答が予想の斜め上を言ったのか、今までで一番勢いよく叫び、立ち上がった。私は膝に置いている両手を強く握りしめた。そうしなきゃ涙が零れそうだったから。でも、キリトに言っておかないとユージオは助からないかもしれない。耐えろ、私。
ミ「まだ、詳しくは話せない。でも、ユージオが死んだ後の事は、キリトのこれからにものすごく重要になってくる」
私がそう言えば、キリトは落ち着きを取り戻してベッドに座りなおした。
キ「それは、時が経てば話してくれるんだな?」
ミ「もちろん。約束するよ……だから、お願いします。私はどうしても、ユージオを救いたい」
私がベッドの上で頭を下げると、キリトがクスリと笑った。思わず私は目を見開く。
ミ「え…?」
キ「そんなの、協力するに決まってるよ。で、それはいつくらいなんだ?」
ミ「確か、2年後…だった」
キ「ならまだ準備できるな。心配するなよ、絶対にユージオを死なせたりなんかしない」
目の前に座っている黒髪の青年は、力強く、安心させてくれるような頼もしい笑顔を見せた。
ミ「…私も努力するから。ありがとうキリト。信じてくれて」
キ「ああ。…おやすみ、ミオ」
ミ「おやすみなさい」
そう言って、ベッドから立ち上がり扉を開ける。最後にキリトの方に視線を向けると、キリトと目が合った。ひょえ、イケメン過ぎんだろ。直視できない。きっと赤くなっているだろう顔を下に向けながら、キリトの部屋を出た。その時。
セ「ミオじゃない。どうしたの?」
そこには、パジャマ姿のセルカちゃん。どうやら寝るつもりだったらしい。
ミ「あ、セルカちゃん。ちょこっとキリトと話してたんだ。まだ緊張してて」
セ「そうだったのね。私でよければ何でも聞くわよ?」
些細な気遣いもセルカちゃんらしい。可愛い。もうアンダーワールドの住民はユージオとかセルカちゃんみたいな人だけで良いと思う。本当に。ライオスとかウンベールはもういらん。
ミ「ありがとう。何かあったら相談するね」
セ「ええ。じゃあ、おやすみなさい」
ミ「おやすみなさーい」
この時、ちゃんとセルカちゃんを見届けておけばよかったのだ。この時の私の頭の中は、北の洞窟なんて抜け落ちてた。
私は、キリトの隣の部屋の癖に、セルカちゃんがキリトの部屋に入って行くことに気が付かなかった。
次の日
5時半の鐘が鳴り響く。その音で私はぱちりと目が覚めた。
ミ「あ~。学校が無いって幸せ」
目覚めてからの第一声はそれだった。いや本当に‼学校が無いって幸せだよね‼朝日が差し込む窓に向かって、あくびを噛み殺しながら伸びをする。さて、キリト達に会いに行くかぁ。
そうして、部屋から出た時だった。あの松岡ボイスが聞こえた。シスター・アザリヤの声も聞こえてくる。
この二人の組み合わせ。私の頭の中でスパークが起きた。その瞬間、今の今まで忘れていたことを思い出した。
ミ「まさか…‼」
思わず一言零してから、深刻な表情をしている2人の元へ駆け寄る。
ミ「おはようございます‼どうしたんですか?」
切羽詰まった声で2人に話しかけると、キリトとシスターが驚いたような表情をする。しかし、すぐに気を取り直すとシスターが、私を落ち着かせてくれるような声で話してくれた。
シ(シスター)「ミオさん。おはようございます。実は…セルカが居ないのです」
ミ「そんな…」
私は声を漏らし、キリトは言った。
キ「ええと…いや、俺は何も聞いていませんが…。今日は安息日なんですよね?実家に戻っているのでは?」
キリトの答えにシスターはかぶりを振った。セルカちゃんは、教会に来てからの2年間、一度も実家…ツーベルク家には戻ってないらしい。このやりとり、知ってる。何度も見た、間違いない…‼セルカちゃんは北の洞窟に向かったのだ。だったら、すぐにキリトにこの事を伝えなきゃ、セルカちゃんが危ない。瞬時にその答えに至った私は、キリトとシスターの会話に無理やし入り込んだ。
ミ「分かりました。私も探してみます。…キリトちょっといい?」
そういって、キリトと視線を合わせる。私のこの行動で、ある程度予想はついたらしい。味方を作っておいて良かったね‼
キ「ああ。俺も、セルカの事探してみます」
シ「昼まで待って、それでも帰って来なかったら、村役場へ相談に行くことにします。ごめんなさいね。では、私は拝礼の準備があるので」
そう言い残して、シスターは速足で歩いて行った。
シスターが見えなくなるのを確認すると、勢いよくキリトの方に顔を向けた。
ミ「キリト‼」
キ「何か知ってるのか?」
ミ「うん。キリト、昨日私と話した後、キリトの部屋にセルカちゃん来たよね?」
途端にキリトは目を見開く。図星だったらしい。昨日の私のバカ‼ちゃんとセルカちゃんのこと見届けてれば。北の洞窟のことだって分かったのに‼ちゃんと早起きして止めたのに‼…早起きできるのか…?私。…まぁ、過去のこと嘆いてもしょうがないよね。
キ「まさか…読んだのか?この話を」
ミ「読んだ。SAO全巻読破した私をナメるなよ?」
この時は、キリトからセルカちゃんのお姉さん『アリス』が禁忌目録を犯した経緯を話して、セルカちゃんがアリスちゃんに少しでも近づきたくて北の洞窟に言ったんだよね。その事をキリトにかいつまんで説明すると、キリトは頭を抱えた。
キ「北の洞窟だって⁉俺が話したから…」
ミ「後悔しても時間は流れる。ほら、もしかしたらまだ村に居るかもしれない。探してみよ」
キ「…ああ。そうだな」
朝の礼拝を済ませ、キリトと共に朝食を食べる。それでもやっぱりセルカちゃんは帰って来なかった。朝食が終わると、私とキリトは教会を飛び出した。その時、亜麻色の髪の青年にばったり出くわす。ユージオは、キリトが焦っている理由が分からないのか、首を傾げた。ウッ‼カワイイ!!
ユ「どうしたんだい?そんなに急いで」
ミ「ユ、ユージオ‼ここら辺でセルカちゃん見なかった⁉」
ユ「セルカかい?見てないけど…」
キ「教会からセルカが居なくなったんだ」
キリトの言葉にユージオは「え?」と素っ頓狂な声を上げる。続いて、キリトが詳細を話すと、ユージオは心配そうに目を伏せた。
ユ「北の洞窟…分かった。僕も一緒に探すよ。本当は今日は安息日だから、キリトとミオに村を案内してあげようと思ったんだけどね」
キ「ごめん。俺がアリスの事をセルカに話したばっかりに」
ミ「謝ってる時間なんてないよ…‼早くセルカちゃんに追いつかなきゃ‼」
私の一言でキリトとユージオ、そして私も北の洞窟へと続く道を走り出した。
ミオ(17歳)
走ってる時、ずっと「ゴブリン、セルカちゃんに触るんじゃねぇ…」って唱えてた人。体力はある方。運動神経もそこそこ。頭は…下から数えた方が早いね‼
キリト(17歳)
うっかりセルカにアリスの事を話しちゃった人。ミオの原作知識を信じてる。ユージオは絶対に死なせない‼何があっても‼走ってる間に、ミオが鬼の形相でなにかぶつぶつ話していてちょっと震えた。
ユージオ(17歳)
教会の前で焦っているベクタの迷子2人を見つけて声を掛けた人。事情を聞いてセルカを心配する。走っている間、ミオの声は聞こえなかったらしい。ミオとしては嬉しい限りであります…‼