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よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)
第6話 - 第6話 もう北の洞窟⁉片道2時間で⁉/は?ダークテリトリーで売られる?そんなの御免なんですけど‼
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2023年02月23日
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どーも。wakaです。投稿遅くなって申し訳ございません!長いです‼こんな感じで、これからも2話一緒で投稿していきたいと思います‼
それでは、どうぞ‼
ミ「ねぇ…、もう何時間走ってるの…?っていうか、景色全く変わらないんだけど⁉」
ハロー‼アイアムミオ‼今、キリトとユージオと一緒に北の洞窟へ向かっている最中です‼アンダーワールドの体は凄いね
‼全く疲れないよ‼…じゃなくて、周りの景色が全く変わりません。ず~~~~~~~~~っと、緑、緑、緑‼
私が内心、うへぇと顔をゆがめている中、キリトがユージオに話しかけた。
キ「なぁ、ユージオ」
ユ「何?」
キ「念のために聞いておきたいんだけど、もしセルカが闇の国に入ったら、その場で整合騎士に捕まってしまうのか?」
キリトの問いに、ユージオは視線を彷徨わせ、かぶりを振った。
ユ「いや、明日の朝までに飛んでくると思う。6年前はそうだったけど…ねぇ、ミオ」
急に話を振られて私は驚く。え?何かあったか?えまって怖い。
ミ「な、何?」
ユ「君は…どうしてアリスの事を知ってるんだい?僕からミオにアリスの事を話した覚えはないんだけど…」
あ、やっちまった。
ですよね‼話した覚えが無いのに普通にアリスちゃんの事を知ってたら疑いますよね‼あの杵と臼を持ってる芸人さんの声が頭の中に降って来たよ‼全く気が付かなかったわ‼私は頭の中で必死に言い訳を絞り出し、声も絞り出した。
ミ「あ、えーと、キ、キリトに教えて貰ったんだよ。セルカちゃんにはお姉さんが居たんだって」
私はそう言いながら、謝罪の念を込めた視線をキリトに向けた。その事にユージオは疑う様子もなく、キリトを呆れ顔で見た。ユージオが純粋で本当に良かった~っ‼それがユージオの良いところだからな‼
ユ「キリト?」
キ「す、すまんユージオ」
……よし、いつかキリトに蜂蜜パイ奢ろう。そう心に決め、ホッと胸をなでおろした。
そして、走りながら川縁を駆けること5分。
ミ「おっ、ここが北の洞窟?」
急に地面が瑞々しい緑色から灰色のごつごつとした岩場に変わった。
キ「こんなに近いなんて…」
ユ「ああ、僕も最初に来た時に驚いたよ」
放心しているキリトの言葉にユージオは同意する。しかし、私は急かす様に言った。
ミ「早くセルカちゃんを探さなきゃ」
キ「そうだな」
とは、言ったものの、時折冷たい風が洞窟の奥から吹いてきて寒い。とにかく寒い。両手で二の腕を摩っていると、またキリトがユージオに尋ねた。
キ「おい、灯りはどうするんだ?」
ミ「……松明作る?」
知っているがあえて知らないふりをする。ベクタの迷子なので‼私も黒髪だから多分キリトと同じか、近い地方に住んでいたって思われてると思うからね‼ややこし‼
予想通り、ユージオは任せておけと言うように頷き、どこからか採って来た猫じゃらしみたいな草を右手に持った。
ユ「システムコール‼リット・スモール・ロッド‼」
ユージオがそう叫んだ途端、キリトは目が零れ落ちそうな程ユージオを見つめた。それと同時に猫じゃらしに光が灯る。
ミ「わぁ…凄い‼」
やっぱり、直で見ると凄いなぁ。いつか私も使えるようになろう。そんな私の横で、キリトがユージオに近付いて訊いた。
キ「ユ、ユージオ…いまのはなんだ?」
ユージオは得意げな表情を見せる。
ユ「神聖術だよ。すごく簡単な奴だけどね。一昨年に『青薔薇の剣』を取りに行こうと決心した時、練習したんだ」
キ「その…システムとか、意味は知ってるのか?」
あ、そっか。こういう詳しい事はキリトに教えてないんだった。まぁ、教えすぎても面白くないよね。せっかく最推しの世界に来たんだから、楽しまなきゃやってらんないわ。
ユ「意味は無いよ、式句だから。神様に呼び掛けて、奇跡を授けてくれるようにお願いする言葉なんだ」
その答えに、キリトは考え込むような様子を見せる。私はキリトを横目に、ユージオに尋ねた。
ミ「ねぇ、ユージオ。私にも使えるかな、神聖術」
ユージオは、少し間を開けてから答えた。
ユ「僕は、仕事の合間に練習して2か月で出来るようになったよ。アリスが言ってたんだけど、素質がある人は1日で使えるようになるけど、出来ない人は一生かけてもできないって。キリトやミオの素質は分からないけど、今すぐに使えるっていうことは無いんじゃないかな」
ミ「へぇ…、ありがとユージオ。私も練習してみるよ」
お礼を言いながらも、私達は暗闇の洞窟を進んでいく。奥に進むにつれて冷風が肌を撫で、鳥肌が立つ。これが仮想世界だなんて想像できないよねぇ。あ、でも私は現実世界なのかな。私のフラクトライトはユージオ達と同じところにある?それとも、フラクトライト自体はあるのかな?…ちょっとキリトに聞いてみよ。後で。まぁ、きっと忘れてるけど。
キ「なぁ…セルカは本当にこんな所を潜っていったのか…?」
キリトがそう呟き、ユージオが足元に猫じゃらしを向けた。光の先にあったものに、私は思わず声を漏らす。
ミ「ねぇ、この凍った水たまり…誰かが踏んだみたいなヒビがあるよ」
それを聞いて、ユージオはその水たまりを踏んだ。凍った水たまりがバリンと音を立てて大きく割れる。これで水たまりの上にユージオより体重が軽い子が乗ったって事が確定したね‼ってか、セルカちゃんで決まりなんだけどね‼
そして、私の横でキリトがぼやく。
キ「なるほど。間違いないみたいだな…まったく、無鉄砲と言うか恐れを知らないというか…」
ミ「それキリトじゃん」
キリトのぼやきに私が小声でツッコミを入れる。キリト君様々な世界で無理・無茶・無謀してますよね?十分、無鉄砲・無軌道だし、恐れって言葉の意味知りませんよね?魔法、銃弾斬りますよね?あれ、間違いだったかなぁ~。でも幸い、私のツッコミはキリトにもユージオにも聞こえていなかったらしい。安堵。
ユ「?別に怖いものなんてないよ。この洞窟には白竜もいないし、それどころかネズミやコウモリ一匹いやしないんだからさ」
ミ「へぇ…」
ユージオの解説に私は相槌を打つ。じゃあ、モンスターはいないんだ。安心した、と肩の力を抜こうとした時。
ミ「何この音…。声…?」
洞窟の奥の方から、妙な声が聞こえて来た。ぎゃっ、ぎぃ、というそれは、私には聞き覚えがあった。そうだよ‼なにが安心した、だよ‼
…確か、原作でもこの描写あったよね…?
ミ「この声…ゴブリンだ‼しかも、ちょっと獣臭いし‼」
思わず声に出してしまう。その事に、ユージオとキリトは驚愕し、2人も顔を青くする。
ユ「ゴブリンだって⁉まさか、闇の国の住人はこちらに入ってくる前に整合騎士に倒されるはずだよ⁉」
キ「でも、行ってみなきゃ分からないだろ?行くぞ‼」
キリトの声で、私達は走り出した。
その時。
セ「きゃぁぁぁああああああ‼‼」
ミ「セルカちゃんっ‼」
ユ・キ「「セルカッ‼」」
少女の悲鳴が聞こえた。その声は、昨日まで元気よく私に話しかけてくれていた声で。
私達はさらに加速して、洞窟の奥へと向かった。
私は今、北の洞窟の中を走っていた。奥に近付いていくにつれて生臭い獣臭や、ぎっ、ぎぃっ、という声が大きくなっていく。今、凄く命の危機を感じてる。横をちらりと見ると、汗を滴らせたキリトとユージオが血相を変えて走っている。きっと私の顔も同じように必死なんだろう。それでも…
ミ「2人ともっ、速いって…‼」
思わず愚痴をこぼしてしまう。2人とも速すぎるのだ。身軽さなら私の方が上かもしれないが、スタミナやパワーは絶対に敵わないだろう。でも、必死に2人に追いついていく。
不意に、目の前にオレンジ色の光が見えた。原作だと…けっこう広いドーム状の空間だったはず。私達はそこに走りこんだ。全速力で走ったからか、それとも寒すぎて感覚がないのか分からないが、寒くない。素早くあたりを見回す。オレンジ色の光の正体は、2つの篝り火だった。その周りには、あの気持ち悪いゴブリンたちが群がっている。うわっ、KI・MO・TI・WA・RU!
ゴブリンには、背が低く小さい奴もいれば、私の何倍も背丈がある奴、横幅がある奴など、人間のように体型は様々だ。鋭い爪は何でも引き裂いてしまいそうにギラギラと鈍く光っている。へっ、キルアには勝てないだろ(分からない人は、「HUNTER×HUNTER キルア 爪」で検索してみてね‼グロいかもしれないよ‼)。体には、何か装飾品を身に着けていて、動くたびにそれがジャラジャラと音を立てる。それよりも、セルカちゃんは…?
ミ「どこ…セルカちゃん」
私は、焦燥を滲ませた声を零す。どこだ。
そしてハッとした。隣でキリトが呆然と立っている。あ、やばい‼ゴブリンに見つかる‼そう思って、キリトの腕を引こうとした時だった。
ゴ1(ゴブリン1)「おい、見ろや‼今夜はどうなってんだぁ⁉まぁた白いイウムのガキが3匹も転がり込んで来たぜぇ!」
ゴ2(ゴブリン2)「しかもそのうち1匹は女じゃねぇか‼こりゃあ、売れるぜ!」
遅かった。マジかよ‼しかもターゲットにされちゃったわ。まぁ、ここで終わるつもりは無いけどね‼ユージオを生存させるんだよ何があっても‼
ゴ1「どうする!こいつらも捕まえるかぁ?」
私が一番の標的にされたことで、キリトは私に言った。
キ「ミオ、君は逃げろ」
しかし、その言葉に私は「嫌だ」とかぶりを振った。ユージオが厳しい顔で叫ぶ。
ユ「今、君があいつらに狙われているんだよ⁉」
ミ「私の取り柄は素早いところだよ。他の子と比べて力もあるはず。私がセルカちゃんを助ける」
ユ「でも…」
ユージオはもう一言言おうとしたが、キリトがそれを制した。キリトの漆黒の夜空のような瞳と目が合う。
キ「分かった。俺とユージオがゴブリンたちを引き受ける。そのうちにミオはセルカを連れて逃げろ」
ミ「了解…と言いたいところだけど、私は逃げないよ」
ユ「…はぁ…何かあったらミオもセルカも逃げろよ」
ミ「ありがとうユージオ」
そう言って、私達の会話が終わった時。ゴブリンの耳障りな笑い声がピタリと止んだ。ゴブリンの群れの中から出て来たのは、今までのゴブリンよりも一際巨大なゴブリンだった。さらに、そいつだけは金属の武装をしていて、首元にも鳥の羽のような飾りを下げている。見覚えのあるそれに、私はキリトに耳打ちをした。
ミ「あの一番でっかいやつがゴブリン隊長」
キ「だろうな。一番厄介な感じがする」
キリトが私の言葉に肯定する。その間、ゴブリン隊長は声をドーム中に響かせていた。
ゴ隊長「男のイウムなんぞ連れ帰っても、いくらでも売れやしねぇ。面倒だ、そいつらはここで殺して肉にしろ。女のイウムはさっきのイウムと同じように荷車で運べ」
そんなこと言っていても、私はセルカちゃんを探すことに専念する。どこだ、どこにいるのセルカちゃん。
ドーム内を見回していた私の眼を止めさせたのは、ゴブリン隊長の後ろにあった木製の荷車だった。そこには、手足を縄で縛られたセルカちゃんが居た。あのゴブリン野郎の話からして、殺してはいないんだと思う。で、もし捕まったらダークテリトリーで売られる、と。は?なにその鬼畜プレイ。絶対嫌なんだけど。私が戦慄している間に、キリトとユージオは何か話していた。
絶対にセルカちゃんを助ける。このまま助けられなかったらきっと、12歳の彼女に待っている運命は、死よりも過酷なものになる。私が、セルカちゃんを守るんだ。
そう覚悟すると、私は深呼吸を一つ。ゆっくり目を閉じて、今までにないくらい集中する。カッと目を見開くと、丁度キリトとユージオが叫びながら、ゴブリンたちに体当たりをかましているところだった。
ミ「我ながらナイスタイミング‼」
そう自画自賛すると、私は一気に走り出した。2人に体当たりされているゴブリンたちが倒れていくのを尻目に、ゴブリンたちの間を縫って、セルカちゃんの元まで辿り着く。その時、はっとしたようにゴブリン隊長が声を荒らげた。しかし、ゴブリン隊長の私には気付いていないみたいだ。背が低いって役に立つね‼高校生なのに、小学生と間違われるからね‼
…悲しくなってきたわ。
ゴ隊長「おい!そいつらに火を近づけるなっ‼」
そう言った途端、辺りが真っ暗になった。しかし、私の後ろで光っている猫じゃらしの灯りを頼りに、一目散に荷車へかけていく。そして、セルカちゃんが乗った荷車に飛びつくと、私はセルカちゃんの肩を揺らしながら声を掛けた。勿論小さい声で。
ミ「セルカちゃん‼セルカちゃん‼起きて!」
セ「……」
何度も声を掛けてもセルカちゃんは起きない。でも、大声を出すわけにもいかないので、縄だけ解いておく。
解き終わった時、後ろで轟く声が鼓膜を揺らした。
ゴ隊長「ぐるらぁ!イウムのガキらめが…この蜥蜴殺しのウガチ様と戦う気かぁ⁉」
その声とともに、じゃりんと鞘から剣を引き抜く声も聞こえた。思わず後ろを見ると、キリトが黒の剣士キリトとして戦っていた時のような鋭い瞳で、そのウガチとやらと戦っていた。これで確かユージオとキリトが負傷するから、早くセルカちゃんを起こさなきゃいけない。嫌な汗が背中を伝う感覚を感じた時、後ろから…荷車から掠れた声が聞こえた。
セ「…んぅ」
ミ「セルカちゃん起きて‼キリト達が大変なの!」
原作みたいに悲鳴を上げなかったのは、私が女だからだろう。うん、女で良かった!すぐに覚醒したセルカちゃんは、周りの状況を見て、目を見開いた。
セ「ミオ…?どうしてここに…?」
ミ「教会からセルカちゃんが居なくなったって聞いて、探しに来たんだよ」
私が柔らかく笑った時、セルカちゃんが私の後ろを見て、さらに目を見開いた。少し震えているし、さっきまで出かけていた涙も引っ込んでいる。その表情は、私の後ろにいる誰かに怯えているような、恐怖しているような表情で。
ゴ1「こんなところに居たぜぇ…2匹目の女イウムがぁ!」
ミ「っ‼」
セルカちゃんが怯えていたのは、ゴブリンだった。
私の背中を、今度は冷や汗が伝った。
ミオ(17歳)
絶賛大ピンチ。「まぁ、セルカちゃん助けられたし良かったか」精神のお気楽者。でもやるときはやる…?キリトの剣技を肉眼で見て鳥肌が立った人。この人は「習うより慣れろ」なので、片手剣はキリトとユージオの真似をして使えるようになるはず。
セルカ・ツーベルク(12歳)
原作読んでて、「12歳でこれは絶対トラウマになるよ…」って本気で思った。でも、流石セルカちゃん。トラウマにならなかった。今はミオの後ろのゴブリンに気付いて怯えている。ちょこっとSAN値ピンチ…?
キリト(17歳)
ごめんなさい主がこういうバトル系を書くのが苦手なものでして全くカッコよくなりませんでした。でもキリトはかっこいいです。超カッチョイイです。アニメの第1期と異界戦争のクライマックスが一番熱いです。あ、GGOも熱いです(※個人の感想)。
ユージオ(17歳)
もしかしたら死ぬかもしれないのに逃げなかったミオを心配した人。「だって、君が狙われているんだよ⁉危ないよ‼」
だったけど、ミオの揺らがぬ覚悟に折れた人。いやぁ、ユージオかっこいい。きっとユージオならこうすると思ってた。