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👑「ゆめゆめ様!」
🦒「リクエストありがとうございます!」
シチュ:10分前まで景瑚が瑠姫に甘々だったけど何故か飽きて、テレビに没頭。瑠姫は寂しくなる
👑・🦒「それではどうぞ!」
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ソファの上。さっきまで、景瑚が後ろからぎゅっと抱きしめてくれていたはずの場所。
けれど今、景瑚はその腕を離して、テレビに釘付けになっていた。
ドラマの笑い声。部屋に広がる暖かい照明。なのに、空気だけは少し冷たい。
瑠姫が小さく声を出す。
瑠「……景瑚。」
景瑚は振り向かず、軽く返す。
景「んー、あとでね。今ここめっちゃいいとこ。」
その言い方は、優しいのに、遠かった。ほんの数分前まで、
景瑚の胸の中が「居場所」だったのに。
瑠姫は唇を噛む。
瑠「…景瑚〜。」
さっきより小さな声。けれど、景瑚はまた同じ返し。
景「あとで、ね。」
“あとで”が来ないこと、知ってる。瑠姫は、ゆっくり立ち上がる。そして
迷うみたいに一瞬ためらってそっと、景瑚の背中に腕を回した。
景「…え?」
瑠姫の指先が震えていた。肩に額を押しつけて、声も押しつぶして。
瑠「…やだ。」
景「るっくん?」
瑠「あとで、って言われるの……やだ……。」
言った瞬間、瑠姫の目から涙がこぼれた。
景「…ねぇ、泣かないで、、」
声は優しいのに、自分が悪いってわかってる声だった。
瑠「っ、でも、寂しかった景瑚、、」
景瑚はゆっくりリモコンを置いて、振り返って、瑠姫を正面から抱きしめる。
強く。落ちないように、離れないように。
景「…ごめん。」
瑠姫は泣きながら、景瑚の服を握る。
瑠「嫌だった……。」
景「わかってる。ほんまにごめん。」
瑠「景瑚に触れてたいのに……離されたくなかったのに……」
景瑚はその言葉に、息を呑む。そして、瑠姫の頭を胸に押し寄せた。
景「……俺があかんかった。るっくんが寂しがるの嫌なのに、、」
瑠姫は涙のまま、小さく言う。
瑠「景瑚……好き……。」
景瑚の腕が、限界みたいに強くなる。
景瑚「俺も。誰より。なあ、聞いて?俺、ほんまにるっくんのこと大事やねん。」
瑠姫は胸元で小さく頷いた。
景「だから、泣かんといて……。なあ、泣かれると俺、いやや」
瑠「……じゃあ、離さないで。」
景瑚は即答だった。
景「離さん。」
ソファでも、寝るときも、明日の朝も、これから先も。
景「ずっと、ここにいて?」
瑠「……うん。」
景瑚は瑠姫の背中を撫でた。
優しく、繰り返し、安心を塗り込むみたいに。
景「もう“あとで”なんて言わん。」
瑠「ほんと?」
景「本当。……今がいい。今、るっくんがいい。」
涙の跡を指で拭って、そのまま、ゆっくりキス。離れたいなんて、思えないくらいの、
あたたかいキスだった。
END