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先生、私と出会った日を覚えていますか?
はっきりと覚えてるんだよ、先生から受けとった校外学習の点呼カード。
同じ半の子が かっこいい!って騒いでたから覚えてるだけだよ、別に大切な思い出とかじゃないです。
意味もなく先生の監督下の部活に入ったのも、毎日帰りに遠回りして先生が担任のクラスに行くのも 全部意味なんてないです。
部活、こじんまりとしてて好きだった。今では見違えちゃうね、こんなに沢山女の子入ってきて。
みんな先生に目当てなんだよ、あれ。
みーんなさえない子で笑っちゃう ってのはほんとに内緒で。 別にめちゃくちゃ嫌な訳じゃないです。賑やかなの好きだしワイワイ出来ればとも思ってます。
でも先生も人が増えて残念そうにしてるの凄く嬉しいんだ。
先生がそんなこと言っていいの?って感じですけど。
会議でもなんでも私の目ばっかり見てくるのも良くないし、私たちしか知らない会話するのも良くないんだよ、先生。
私の取り柄は明るくて本音を隠せて友達がいっぱいいること。
あとはあの日話し合いでノリで部長をやれる暇さを持ち合わせてて良かったって思うんです。
今、それにすっごく感謝してるんです。会議のことも これからの方針も 貴方から切り出してくれるし、そこからすれ違う度話しかけてくれるようになりましたね。
ほんと私ってば運もいい。
まあまあ、だから私はどこかの誰か達と違って本音を上手く隠せる。場の雰囲気を読むことだってできる。
みんなじんわり先生が好きなの透けててちょっと気持ち悪いの。
隠せてないのがあざといって思ってんのかな。
でも悔しいんだよ、素直さが羨ましくなる
いつもいじわる言ってごめんね、好きなんです。でも好きって、可愛い、かっこいいって言ったら終わっちゃうから。
あなたが多分距離を置き始めるから。
いっつもキモイとか怖いとか 1ミリも思ってないよ。
今日楽しかった!とかありがとう!とか、帰りたくない!とか素直さに憧れて口走ったあの日。 あなたなんて言った?
「いつも元気でいいね」
ほんっとにお前は!って思いました。
でもあの子たちはもう見境なく話し合いの場でも先生に話しかける。品も何も無いしょーもない話を永遠と。
それに上手く相槌を打つ私の健気さ。
こんな健気な女あんまい ないよ?なんて。
本当は1ミリも思ってないですよ。
悩んでて苦しかったのを見つけてくれたあの日。深刻そうな顔が忘れられません。
それに耐えられなくなってふざけたけど、あの時ほんとにマメな人なんだなって思いました。
でもどうせあの切なそうな顔と慈悲深い言葉、みんなにも知らない所で向けているのでしょう?
教師である自分のことが好きなのも分かってます。
ただあの一言だけでもう逃げることなんで出来なかった。
あなたと出会ってから忘れられないものがどんどん増えていく。
Fenderのギター、星空の柄をしたシャーペン、ジャスミンティー。
忘れられない人なんていくらでもいるんだろうな、こんなに素敵なあなただから。
あの日歌ったラブソングは当時の彼女に向けてでしょうね。
なんでこんな気持ちにならなくちゃいけないのでしょう。つらいですよ、ほんと。
彼女さんと別れてからですかね?髪切ってないでしょ。
正直おかしいくらい長いんですよそれ。
もう、二度と切らないでね。
とか言っても新入生入ってくると切るんでしょ?分かってるよ、それくらい。
ほんとに苦しいんです。
なんであんな優しい声をかけてくれるのか。
たまに酷いくらいにこき使ってくるのか。
どうしてそれがこんなに嬉しいのか。
なんで地味なのにあんなにモテちゃうのか。
なぜ1歩引いたところから楽しそうな顔を見なきゃ行けないのか。
なぜ友達伝いに優しいエピソードを聞いて胸を痛めなきゃ行けないのか。
なぜこんなに見て見ぬふりして嫌な苦い気持ちにならなきゃいけないのか。
なんでこんな愛しいと思うのか。
夕日を通して赤く光る髪と、反射するメガネ、綺麗で筋の這う手と、ちょっとだけ力強そうな腕、私の耳に低く纏わりつく声と 理屈ばっかりの言葉のせいなんだろうな、って私は考えているのです。
あなたのせいで、あなたの行動、言葉のせいでつらくて惨めな気持ちに私は毎日耐えています。
私に話してくれるのもどうせ気まぐれなのでしょう。貴方にも自分にも嫌気がさします。
月曜の一限は先生の担当。
早く会いたいな、って思っちゃうのです。