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4 - 第4章〜残りの時間〜

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2024年09月10日

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第4章〜残りの時間〜


私は、石井さんから次のように言われました


石井「言い難いですが、遺言書を書きなさい」


私「…………………わかりましたぁ…」


そうして私は紙とペンを家族分計4枚をいただきました。薄々わかっていました。もう。治らないってことを。無駄な抵抗をしても無駄だと、だから私は他の仲間を優先したのです


一刻でも早く収容所から逃れれることを。


私は、残りの時間を全て遺言書を書くことに使いました。書いている時もどんどん衰え、

口から流血をすることも頻繁に、起き上がって書くことなんてできませんでした。手が動く限りひたすらに書きました。しかし、ソ連軍は日本語を残すことを許可していないので、隠れて書くことと言われました。


上官「お前にはほんとにお世話になったよ。最初はただウザくて嫌いだったのにな。」


私「そぅですか…それなら良かったです」


石井「自分のペースで書いて下さい。慌てて書くより気持ち込めて書いた方が、家族も喜ぶことでしょう。」



時が流れ終戦から14年


中村さんは亡くなってしまいました。

私(石井)は中村さんから貰った遺言書をどう日本に持って帰るかを考えていました。

見つかってしまうと没収されてしまいます。


樂永「中村さんが言ってました!文字には残せないけど記憶に残るものは誰にも没収されないっと。」


そうして我々は4枚を1人ずつ分担して覚えることにしました。作業中もソ連軍の目を盗んで覚えることに没頭していました。この時、我々は日本に帰ることが認められていたのです。一字一句一生懸命覚えました。

手元に残るはずもなく、4枚とも全て没収されてしまいました。が、その頃には完璧に覚えていました。


上官「大丈夫か?」


私「大丈夫です。記憶にはおそらく残っています。」


そしてついに私たちは日本海行きの船に乗ることが出来ました。遂に帰国できるとみんなで喜びあっていました。14年以上もシベリアの中で暮らし、遂に日本。とても感極まっていました。しかし、私はどうしても中村さんのことが忘れられないのです。


上官「仕方ねぇことだろ。悔やむが、」


私「中村さんの分まで生きましょう。そして無事に遺言書を届けましょう。」


日本につき我々は覚えていた言葉を中村さんに似せ書きました。それを各自1人ずつ中村さん宅に持っていくことにしました。



第5章〜意思よ届け〜


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