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僕と真白はまずペンギンを見ることになった。真白が「ペンギンさんみたいからペンギンさんのとこ行こうよ!」と言ったからである。

(ペンギンさんなの可愛いな…)

と、内心悶えながら僕はペンギンコーナーをまわった。途中で餌やり体験があり、真白とペンギンのツーショットを撮った。真白は本当に余命1ヶ月もないのか…?と疑いたくなるほど元気だった。でもそんな事を考えると余計に辛くなって顔を曇らせてしまう。そんな僕を見て真白はまた僕を呼ぶ。笑いかけて「大丈夫だよ」と言ってくれる。僕はそれだけで幸せだと感じた。幸せだと感じる分真白が離れていくことへの恐怖が強まっていく。僕は一体どうすれば真白と長く側に入れるのか。

「真白と離れたくないなぁ…」

そう呟くと、真白が驚いた顔をして僕を見ていた。

(そんな顔…するなよ)

「拓馬くん、どうしたの?」

「なんでもないよ」

「そんなことない」

真白は泣きそうなくらい辛そうな顔をして僕に「だったら…」と、言った。

「だったらなんで泣いてるの…?」

その時僕は、初めて自分の頬が濡れていることに気がついた。


心の声が聞こえる僕と、心を殺した君の話。(完結)

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