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「いったぁ、、、」
深い穴の中に落ちた、だが骨折などの痛みは感じられなかった
無蒼(ウーアオ)が落ちた穴の先はもちろん真っ暗だが、その穴から差し込む光で植物が成長しそこには少し草が生えており、その草が痛みを和らげてくれたみたいだった
でも実際は硬くごつごつしているので多少の怪我をしてしまったが、かすり傷程度、大きい怪我というなら足の怪我で約五センチほどの擦り傷ができてしまった、そこからまぁまぁな血が出ているが止血すれば大したことではない
そして、今一番の問題はどうやってここから抜け出すかであった
深さは大体10メートル、ふと上を見上げると人影があるのが見えた、目を凝らして見てみると、髪の毛をくくっている人物とわかった
髪をくくっているのは残蘭(ジンラン)と義庶(ウェンション)であるが2人は自分の前にいたため背中を押して落とすのは無理だと考えた
もしかしたら誰か落ちたのに気がついて助けに来てくれたのか?と思い大きな声で話しかける
「おーい!すまない!助けてはもらえないだろうか!」
出来るだけ大きな声で叫び上に見える人影に問いかける、人影から返事はなく、そのままさっさとどこかへ行ってしまった
(嘘だろぉ、、、これでも南の皇帝だぞ、、、)
はてさて、こうなってしまったらどうしようもない、出口を探そうとあちこちを歩き回るが奥に行くにつれて暗くなるばかり
そしてここは洞窟段々と気温が低くなり肌寒くなってくる、早く火を起こさねば、凍え死んでしまうだろう
かと行って、火の起こし方は火打石(ひうちいし)を打つことぐらいしかわからない、火打石がどんなものかもわからないのだ
これはお手上げかも、と思った瞬間、自分が落ちてきた穴の辺りから声が聞こえてきた
「うわ!もう何これ!」
活発な声が聞こえる、この声は義庶の声だ
と、いうことは残蘭もいるということだ、だが落ちたのは1人分の音、不思議に思いチラリと見てみると、なんと残蘭はあの10メートル以上ある崖から落ちてそのまま立ってしまったのだ
まぁ、残蘭ならありあることだなと思い岩の後ろに隠れる、なぜ隠れているかは自分でもわからないがおそらく残蘭とあまり関わりたくないという本能だと思い、崖の後ろにしばらく隠れることにした
数分前
(くそ、せっかく無蒼と一緒だったのに、、、)
急に乱入してきた義庶にムカムカと腹を立てつつ後ろからついてきているはずの無蒼をふとみてみる
するとそこに無蒼の姿がなかった
「!?、無蒼、、、?」
「無蒼?、あれ、いないね、多分ポイントをとりにいったんでしょう!、ささ!僕と狩を続けましょう!」
そんな呑気なことを言う義庶をおいて来た道を走りながら戻る
すると大きな穴を見つけた、そしてかすかに暗いなぁ、と言う独り言のような声が聞こえた気がしてスッと飛び降りる、それに続いて義庶もあわてて下に降りるが着地するすべがなくそのままお尻から落ちてしまった
そして今に至る、とんでもなく気まずいこの状況、いったいどうしたものかと悩んでいるといつのまにかまぁまぁな時間が過ぎており、出るタイミングを逃してしまった、でもこのままここにいて、残蘭達が脱出する道を作ってくれたらこっそり後をつけて何食わぬ顔で戻ればいいか、と考えていたその時
「残蘭様、2人きりですね、、、」
と言う声が聞こえてきた、そういえば義庶は残蘭のことが好きなんだった!とハッとしたもしかして今からこの2人のイチャイチャを見ないといけないのかと思い無蒼は泣くに泣けず笑うに笑えず、その場をこっそりと聴くことしかできなかった
だが残蘭は塩対応で全く相手にする様子がない、だが義庶はグイグイと相手にしてもらおうと話しかけている、すると義庶が大胆な行動に出た
なんと残蘭に抱きついたのである
これはまた大胆なことをするなぁと岩の陰から見守っていると次はキスをするかのようにグイッと顔を近づけている
こんなことをしているのに、義庶が自分のことを好きだと言うことに気づかない残蘭は鈍感(どんかん)過ぎると思った
残蘭は顔色ひとつ変えずに何やってる、とだけ言って義庶を突き放す、ここまでくるとかわいそうに思えてきた
そんな色恋沙汰な場面をみるのに飽きてきた
そして地面に手をついた瞬間、尖っていた石に手をついてしまい、ざっくりと手を刺してしまった
「痛っ、、、」
思わず声が出てしまった、洞窟は響く、少しの声でも響いてしまう、何か声がしたと残蘭が動き出す
(まずい!こっちに来て覗き見していたとバレたら殺される!)
そう思った無蒼は咄嗟(とっさ)に髪を結び羽織を一枚腰に巻き立ち上がり走って別の物陰に隠れる
それに気づいた残蘭はすぐにその影を追いかける
無蒼は隠れてすぐ、髪をほどきサッと羽織をはおる、そしてさっき怪我した手を布で止血する
あの残蘭に傷を見られてバカにされるかもと思い、他の傷がないことを確認し、影から顔を出す
「げ、残蘭達、、、」
出来るだけ嫌味を込めて残蘭をジロリと見る
無蒼をみた残蘭は咄嗟に無蒼片腕を掴んだ
手首をおられるのか?と思いながら目を瞑る(つぶる)、痛いのは慣れっこだが、骨を折られるのは相当応えるし、なかなか治らない、、、
グイッと掴んだ手を上に持ちあげ、岩に打ち付ける
「いった、、、」
そういうと少し残蘭の力が緩んだ気がした、と同時に思いっきり叫ばれた
「お前!さっきの俺と義庶の会話を聞いたか!?」
「い、いや、き、聞いてない!」
思いかけないセリフを言われ、ポカンとする
聞いていないと言うと残蘭はホッとした様子で言う
ところが後ろで見ていた義庶が
「ふん、嘘だね、お前さっきあの岩の後ろにいたのが見えてたからな」
いつもとは違う義庶の低く活発ではない声に内心ビビりながら自分の嘘を見抜かれたとドキリとしたと共に残蘭からガンを飛ばされる
すると残蘭の力がまた強まる、だがまだ義庶にはそれを主張する根拠がない!でまかせを言ったかもしれないしと提案すると
根拠を話してくれた
「簡単だよ、さっき、腰に羽織を巻きつけた人が走っていったでしょ?、その走った先に無蒼がいたし、そこ行き止まりだし、」
その指摘を受けた瞬間しまったと思った
確かにここは行き止まり、あの怪しい人物が無蒼じゃないと言う方が示し(しめし)がつかない
これはお手上げだと思い、岩の後ろにいて、2人の会話を聞いていたと正直に話すと、速攻に残蘭が反応し、
「あれは違う!義庶が勝手にしたことだ!誤解するな!」
なぜか残蘭の弁明(べんめい)が始まった、、、
無蒼は別に2人の関係をお幸せにと考えていた上、そんなもの自分には無関係だと考えていたので、その弁明がなぜ自分に向けられ、残蘭が必死になって話しているのか不思議に思った
「待ってくれ!なんだそれは!誤解?そんなものしてないよ、、、」
少々呆れ(あきれ)気味だがなんとかその弁明を止めることができた
誤解をしていないと残蘭に伝えるとこれまたホッとしていた
彼は表情に出やすいなと思いつつ、ふと義庶の方を見ると
怒る狂った顔が真っ赤で鬼のような義庶の顔が見えた、思わず声が出そうになるが堪える(こらえる)と、こちらを見ていると気がついた義庶がいきなり胸ぐらを掴んで押し倒してきた
「はぁ!?どう言うことだよ!なんでお前ばっかりが!!」
襲うように怒鳴っりかかってくる義庶を残蘭が思いっきり引き剥がす、その時足の傷を思いっきりぶつけた
「い”っ!?」
あまりの痛さに声が出てしまった
すると手の方もじんじんと痛み出す、手も押さえて縮こまっていると残蘭が勢いよく足を掴み引っ張る
乱暴すぎる扱いに少々引きながらも、止血していた包帯を解く、さっきより悪化している怪我をまた義庶がいたそうとばかりに顔をしかめている
手の方もだんだん血が滲んできて血が一滴ポツリと落ちる、それを見逃さなかった残蘭は手の方もひっぱりじっと見つめる
さっきも手を掴まれた時にあった傷だがさっきは慌てるあまり、見えていなかったようだ
すると次は足の傷にゆっくりと包帯を巻いていく
慣れている手つきだった
ゆっくりと優しく、丁寧に手当をしてくれた、その時、李淵(リエン)の姿と重なった、手当てが終わった後他の傷も探すため、義庶に洞窟内に水があるか探させた
不服そうに義庶は水を探しにいった、すると次に残蘭が今から他の傷にしみる薬を塗るから目を瞑ってくれ、と無蒼に言った
言われた通りに目を瞑り、特に思い当たりもしない傷に薬を塗ってもらおうとした
そして残蘭はそっと、手のひらと足の傷にキスをした
数分後、帰ってきた義庶が残蘭に水があったことを報告し、水を汲みにいった
そこで義庶と2人きりになってしまったこの気まずさ、、、
すると
「2人で何してたの」
まぁ気になるよな、と思い、薬を塗ってもらっていたと正直に答える
「はぁ?薬?僕が水を探していたのに?」
そういえばそうだ、水で先に綺麗にせずに薬を塗るなんておかしい!そういえば、しみる薬も全くしみなかったし、、、一体どう言うことか考えていると、残蘭が帰ってきた
そして刺打鐘(シーシャン)の助けもあり、無事に穴から脱出することができた
怪我をしていた無蒼は南国の兵を呼びすぐに帰っていってしまった
その後に義庶の過保護な医師が義庶をそのまま持って帰ってしまったため、この狩の結果はいつも通り、だが3位に戒(かい)という、飛び入り参加の国が入った
いつもとほぼほぼ変わらない結果、そして狩の後、残蘭に刺打鐘が話しかけてきた
「今日はなかなか災難でしたね、、、」
「ああ」
「あの穴、私が点検の際に看板を立てていたはずなのですが、、、」
「おそらく、誰かが壊し、無蒼を落とした」
「、、、そうですか、、、ところで、あなた無蒼殿が好きなら早くくっついてください、いつまで経っても義庶を取られていては嫌なのです」
「いたくて一緒にいるんじゃねぇよ」
「全く、、、それと、あなたならあの洞窟から戻ることなんて容易い(たやすい)ことだったのでは?」
そんなことを聞くと残蘭はニッと口角を上げ
「まぁな」
と意地の悪そうな態度で返した
全く性格の悪い人だなと思いながら刺打鐘と残蘭はそれぞれの国に帰った
そしてその後、残蘭は戒の国を攻めて滅ぼした
とんでもない行動派だと思うが、ここまで早かったことは今までなく、北国以外の国はびっくりしたと同時に改めて北国とはガチでやりあってはいけないなと思った
大会から10日後のことだった急に南国に残蘭がやってきた
どうやら傷の様子を見にきたらしい、今まで無蒼に酷いことをしてきて、急に優しくなるとかいったいどういう風の吹き回しか不思議に思っていると
「お前、外へは出ているか?」
突然そんなことを聞いてきた、足はかなり大きな怪我を負ってしまったため、歩くのが大変なのでこの10日間、全く外へ出れていない
だがなぜそんなことを急にきいてきたのだろうか?、もしや、抱っこでもして外へ連れ出すのか?
そして布団に横たわっている無蒼を残蘭はヒョイっとお姫様抱っこをして外へ出ていった
まさかの予想が当たってしまったのだ
本当にこんなことをするとは、、、そんなことを考えていると
「しっかり捕まってろ」
その命令に思わず両手を残蘭の首に回してしまった、そして庭をお姫様抱っこのまま歩いた
久しぶりの外だったため、嫌な気分も忘れて楽しんだ無蒼の心境も残蘭はもしかしたらそんなに悪いやつではないかもしれないという気持ちになった
決戦は確かに酷いものだったが、無蒼が負けを認めれば、こんなに優しい人物だったのかと思うと早く負けを認めていればよかったなと心底思った
そしてその後、残蘭は自分の国へ帰って行った