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R-18『赤縄でM字に縛られ、恋人専用の淫乱玩具に堕とされました』~h×j~
side樹
分厚い遮光カーテンが引かれた室内は昼間だというのに深夜のような静寂と暗闇に包まれていた。
唯一の光源は部屋の隅に置かれた間接照明のオレンジ色の灯りだけ。
それが床に敷き詰められたふかふかの黒いラグや部屋の中央に鎮座するキングサイズのベッドそして何よりもこの部屋の『用途』を物語る冷たい金属のフックや大きな姿見の輪郭をぼんやりと暗闇の中に浮かび上がらせている。
俺は今そのベッドの端に腰掛け自分の心臓が肋骨を突き破りそうなほど激しく打ち鳴らしている音をただじっと聞いていた。
手のひらにはじっとりと汗が滲み無意識のうちに膝の上に置いた自分の指先をきつく握りしめたり開いたりという動作を繰り返している。
緊張と恐怖とそれらを遥かに凌駕する甘い期待。
頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだった。
北斗とこういう関係になってからもうどれくらいの月日が経っただろうか。
普段の俺たちは普通の仲の良い仲間としての距離感を保っている。
北斗はいつもクールででも誰よりも熱い心を持っていて俺にも優しく笑ってくれる最高にカッコよくて大好きな人だ。
けれどこの部屋の扉を一枚隔てた瞬間、その関係性は根底から崩れ去る。
いや崩れ去るという表現は正しくないかもしれない。
むしろ俺たちの心の最も深い誰にも見せることのないドロドロとした暗い欲望の部分がパズルのピースのように完璧に噛み合ってしまうのがこの場所なのだ。
俺は北斗に支配されたい。
彼の冷たくも熱を帯びた瞳で見下され俺の全てを彼の意のままにコントロールされたい。
自分の意志など何一つ介入する余地のないほどの圧倒的な力とルールで俺という存在を縛り付けてほしい。
そんな歪んだ願望を俺が抱えていることなんてきっと他の誰も知らない。
そして北斗がその俺の願望を彼自身の奥底に眠る仄暗い支配欲で完璧に満たしてくれる存在だということも。
静寂に包まれた部屋の中でふと微かな音が響いた。
廊下を歩く規則正しく重い足音。
それがこの部屋の扉に向かって近づいてくるのがわかる。
足音が近づくたびに俺の背筋をぞくりとした震えが駆け上がる。
呼吸が浅くなり喉がカラカラに渇いていくのを感じた。
ガチャリと重厚な扉の鍵が開く音がしてゆっくりとドアが押し開けられた。
「待たせたね、樹」
間接照明の逆光を背に受けて北斗が部屋に入ってきた。
その瞬間部屋の空気が一変したような気がした。
普段の柔らかい笑顔はそこにはない。
黒いシャツに黒いスラックスという隙のない漆黒の出で立ち。
シャツのボタンは上までしっかりと留められており彼の表情からは一切の感情が読み取れない。
ただその漆黒の瞳だけが獲物を射抜くような鋭い光を放ちベッドに座る俺を真っ直ぐに見据えていた。
俺はその視線に射竦められ動くことすらできなくなる。
蛇に睨まれた蛙という言葉があるがまさに今の俺はそれだ。
北斗が一歩また一歩と距離を詰めてくるたびに俺の身体は本能的な恐怖とそれに相反する歓喜で小刻みに震え始めた。
「北斗……」
俺の口からこぼれ落ちた声は自分でも驚くほど掠れていて情けない響きを持っていた。
北斗は俺の目の前まで来るとピタリと足を止め見下ろすように俺の顔を覗き込んだ。
彼の整った顔立ちが間近に迫り彼の使っている微かに甘くスパイシーな香水の香りが俺の鼻腔をくすぐる。
その匂いを嗅いだ瞬間俺の身体の奥底で何かのスイッチがパチンと切り替わったのがわかった。
日常の俺から北斗のための『おもちゃ』へと変わるスイッチだ。
北斗は無言のままゆっくりと右手を伸ばし俺の震える顎に冷たい指先を添えた。
そのままぐいっと上を向かされ彼の深く暗い瞳と視線を強制的に絡めさせられる。
逃げることは許されない。
「震えてる。……怖い?」
「……うん。ちょっとだけ……」
「そう。でも俺にここへ呼ばれた意味樹はちゃんとわかってるよね?」
「……うん」
俺が掠れた声で肯定すると北斗はほんの少しだけ口角を上げて笑った。
それはテレビで見せるような爽やかな笑顔ではなくもっと残酷で嗜虐心に満ちた背筋が凍るほど美しい微笑みだった。
顎に添えられていた指先がゆっくりと俺の首筋を滑り鎖骨の辺りをなぞる。
その冷たい感触に俺はビクッと肩を跳ねさせた。
北斗の指先が触れるたびにそこに火を点けられたような熱が生まれる。
「今日は樹が自分の意思じゃ何もできないくらい徹底的に縛り上げてあげる。樹がどれだけみっともない姿になるか自分の目でしっかり確かめてもらうから」
続きは、pixivにて同タイトルで公開中です。
よかったらR-18『赤縄でM字に縛られ、恋人専用の淫乱玩具に堕とされました』
で検索してみてください。
※最初から最後まで甘く、濃く、容赦なく。読み応えたっぷりのR-18作品となっております。
コメント
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あおいです🤍 樹くんの視点から、日常と“あの部屋”での自分が切り替わる瞬間の描き方が繊細でぞくぞくしました。遮光カーテンや間接照明の灯り、冷たい指先の感触など、五感に訴える細かい描写が二人の特別な関係を際立たせていて…「おもちゃに変わるスイッチがパチンと切れた」という表現がとても印象的でした。北斗さんの登場シーンの空気感も、読んでいて息が止まるようでした。続きが気になります🌷