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ーSレイマリ視点ー
「私、よく今まで耐えました。偉いですよ。来世では神にでもなれるのでは、?笑」
そう言い、ユラユラとカンカン音のなる踏切へと足を向けた。そして電車が来た頃。
これで終わるんだと。これで間違っていない。後悔など微塵もしていない。
なのに何故、涙が溢れて来るのだろう。
人生を振り返れば”めめ村”の方々達が私に優しくしてくれたのなんてほんの少しの間だけかも知れない。
やっと開放される。そう思った時。
━━━━━━━━━━━━━1年前
「これからめめ村の村民となるSレイマリです
仲良くしてくださいっ、!!」
緊張で胸がはち切れそうだったし、吐き気が押し寄せて来た。だけども皆は優しく宜しくねと迎えてくれた。
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そこからのしばらくは楽しくて仕方無かった。
皆と色んなゲームをして、私はネットに溺れていたんだと思う。
とある日、私はどうしても外せないリアルの用事があった。祖母が亡くなったのだ。
その時からだったっけ?私が1人孤立したのは。
でも仕方無くない?ネットと葬式、葬式じゃないの、?
私はネット初心者のままめめ村に入村してしまった為か、はたまた空気が読めないキャラが良くないのか。
皆にどんどん避けられて行くようになった。
リアルで友達なんて居ない。歳が遠く離れている人も居るけれど、めめ村の皆は確かに友達だと思っていた。
そこからは酷かった。地獄と言う言葉を表すのに相応しいと思った。
私達はシェアハウスをしていた。いつも私が来た瞬間皆が黙りこくっていた。
私がどれだけ「おはようございます」
と挨拶をした所で、返してくれる人なんて数人程度だった。
そんないじめ?の様な事が始まって2?…いや3ヶ月かな?まぁそのくらい経った時だ。
そこから私へのいじめはエスカレートするばかりだった。
目の前で「キモ」「お前のせいで空気悪いんだけど」悪口を言われるのは当たり前。
挨拶の代わり。こんなの楽勝。
いやだ
私の教科書が破られていたり。あと水をかけられた時もあったっけ?笑
ここまで来れば面白かったね。こんなので私がメンタル崩壊する訳ない。
やめてよ
殴られる。怒鳴られる。私何かしたっけな~笑、あ、掃除しないと。綺麗な方がみんな機嫌がいいもの。
何で?
数ヶ月経った頃、初めて私の部屋に訪れた人が居たんだ。
何で?今更何って思った。でもその人と一緒に居るうちにその人だけは信用出来たし、これからも一緒に居たいって思った。
この人のおかげで私の命は今もまだあるし、この人と居たいからめめ村を抜けたくないと思えた。
私のいじめの1年記念日!そろそろ彼奴らに復讐しようと思ったんだ。
「明日が雨だったら死のう」
たすけて
雨だ。やっぱり私の命は今日ここで終わりにしよう。
私は1年ぶりにめめ村の皆と話した。
「出掛けてきます」そう一言。
あの人は私が皆に話しかけたからかな。びっくりしてたし心配そうだったよ。
「行ってきまーっす」そう元気にあの人に最期の挨拶をした。
部屋に呼ばれたんだ。後悔しちゃいけない、泣いては行けない。だから私は「なんですか」と冷たく突っ放した。
嗚呼、お酒。飲もうか。
今日20歳になったんだった。
あの人の部屋。初めて入った部屋で初めてのお酒を飲んだ。
「お酒飲んでもいいですか?」と私は問う。
承諾され、飲んだお酒は私の口には合わない。
すぐに吐き出してしまった。即座にもう一口飲み込む。
「何で無理して飲むの?嫌なら飲まなくていいんですよ」そんな優しい事を言われ思わず泣きそうになった。
でもね、飲まないと今は私が私で居れなくなっちゃうんです。「Sレイマリが、Sレイマリと言う人を保てなくなってしまうんです」
彼は不思議そうに笑みを浮かべる。
「Sレイマリはどんな姿でもSレイマリだよ」そう言ってくれたんだ。
その瞬間私は目の奥がジンと熱くなっているのを感じた。泣きそうなのだろう。何なら涙が溢れているのかも。
私は安心した。この人になら、ありのままの気持ちで話せるって。そして私は貴方に救われる前からの気持ちも、出来事も全てを語った。
あの人はただ黙って頷いてくれていた。
全てを話して、貴方には迷惑を掛けれないと思った。けれど貴方はそんな私をお構い無しに抱きしめてくれた。好きと言うのはこう言う物だろう。
でも私はそっとその手をどけ、出て行った。もう帰ってくることの無い、私のおうち。
「さよなら”ウパパロン”さん」
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電車が来た。嗚呼、ウパさんと居るの。楽しかったなぁ。あの時のアモアスもマイクラも…
走馬灯の様に私の脳内にはめめ村の皆が映し出される。私の目からは涙が溢れていた。
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ザシュッと言う音と共に私は抱き抱えられていた。私が困惑を隠せないでいると、そこにはあの家に置いてきたウパパロンさんが居た。
「お願いだから、傍に居てよ。俺が何とかするから、傍に居てくれるだけで良いんだよ」
そう泣き声と共に聞こえた気がする。詳しくは私も覚えていない。
ねぇ、じゃあ何でウパパロンさんは助けてくれなかったの?「やめてよ、ウパさんは実際にいじめを無くしてくれた?見て見ぬフリして私の前では偽善者ぶってるだけでしょッッ、」
そう私は言ってしまった。1度言ってしまえば歯止めが効かない。ツラツラと理不尽な理由でウパパロンさんに怒鳴ってしまう。
こんなの。彼奴らと同じじゃないか。
そう思い、ハッと我に返る。
「ごめん」と俯いているウパパロンさんを私は見てられなかった。
「私が悪かったんです……ごめんなさい」
即座にそう謝る。
そう言ってしまった。自分を肯定してくれた相手に、そうすれば次は自分を傷付ける言葉ばかりをツラツラと並べてしまった。でも、私が空気の読めるキャラだったらいじめも無かったかな?
私はさっきのようにウパパロンさんの手を解く事も無い。何故だろう。男の人で体が大きいからかな。すごく暖かくて、安心出来た。
安堵した途端、私は何かの糸がプツンと切れたように嗚咽混じりの涙を流した。
1番見せたくないと思っていた人の前で、腕の中で。まるで子供みたいにわんわん泣いた。過呼吸になる私の背中をさすってくれるウパパロンさん。落ち着くまでずっと待ってくれた。
「とりあえず、めめんともりに話しに行こ。と言うか皆に。」ウパパロンさんの顔は覚悟の決まった様な目をしていて、そう言う。でも、私が話し合いをした事でめめ村が解散してしまったら、ウパパロンさんと一緒に居られない。
ウパパロンさんは私の心を覗いたかのように「大丈夫、俺に任せろッ」と笑いながら答えてくれた。
「話し合い自分から持ちかけたいんで、お酒飲みたいんですけど…酒屋寄りませんか?」私はそう言ってウパパロンさんの隣を歩き酒屋で缶のお酒を2本買った。
公園のベンチでお酒を開けた。ウパパロンさんは、「酔った勢いでブチギレすんなよ笑」と笑っていた。
私達の夜はまだまだ続く。
「乾杯!」
そのお酒は、部屋で飲んだお酒とは違いとても美味しいと感じた。
ー後日談ー
あの後話をした所、めめんともりさんが私の空気の読めないキャラを嫌ってしたみたい。他の皆は命令でやらされてたそう。
謝ってくれて私はもう1度皆と共に歩むことになった。
尚、めめ村を解散して以来めめんともりさんの姿は見ていない。
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終わりです!!
語彙力が欠けてるところもあったと思いましたがここまで見てくださりありがとうございました!
めめ村でもしこんな事が起きていたら考えられないですが、結果幸せなエンドで良かったですね。
これにて!
👋🏻
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