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誰か人がいたと思われるところに三人が着くと、先程と同じように塀の上にぴょんっと張り付いた。
「ほらあいつ」
『んー顔はよく見えないね』
「!!!」
ルフィとエマが二人で首を傾げていると、コビーは地面に尻もちをついて落ちていった。
「どうした?」
「く…く…くろい手ぬぐいに腹まき!!!
ほ…本物だ、本物のロロノア・ゾロです!!!なんて迫力だろう…!!!あれが…ゾロ!!!」
「あれがそうか…あのほど解けば簡単に逃がせるよな、あれじゃあ」
『サッとやってダッて戻ってくれば大丈夫そう』
「ば…ばかな事言わないで下さいよ!!!
あんな奴、逃がしたら町だって無事じゃ済まないし、二人だって殺そうとしますよあいつは!!!」
十字架の木の棒に大の字に括り付けられていたゾロという海賊狩り。
今にも処刑されそうな状況ではあるが、コビーを睨む目は魔獣そのものである。
「おいお前ら」
「ん?」
「ひい!!」
『っわ、びっくりした』
「ちょっとこっち来て、この縄ほどいてくれねェか。もう九日間もこのままだ。さすがにくたばりそうだぜ」
「おいあいつ笑ってるぞ」
「しゃ…!!しゃべった……!!!」
ゾロの口から出た声は、ルフィやコビーと比べてとても低く威圧感のある声だった。
しかしいくら賞金稼ぎと言えど九日間も括り付けられていれば疲れてくるのか、顔には血が着いており、少し息遣いも荒いようだった。
「礼ならするぜ。その辺の賞金首ぶっ殺して、てめェにくれてやる。
ウソは言わねェ、約束は守る」
『ルフィ、あれほどいてもいい…?』
「エマさん!?」
「ん?あーいいぞ別に」
「ルフィさんまで…!!だ…だめですよあんな口車に乗っちゃ…!!
縄を解いたとたんにぼくらを殺して逃げるに決まってるんですからっ!!」
許可を貰ったエマは軽々塀を乗り越えて、ゾロの方へ向かう。
コビーはそんなエマが危なっかしくて心配なようだった。
「殺されやしねェよ、おれもエマも強いからね」
「あァ!?」
「(こ…この人達はもお~~!!)」
『んー来たのはいいんだけどな…』
ゾロがルフィたちを睨んでいる間に、ついたエマ。
ただエマには盲点があった。
「あァ?」
『不器用なんだよね…わたし』
「んだそれ!?」
ゾロのノリツッコミに、ゾロ面白いとエマが思った瞬間である。
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