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「心」

私は“あのお方”の命令で、人気のない小さな山

「清流山」に来ている。ここには、“あのお方”

にとって因縁の相手がいるそうだ。

その人をーーーー◯害することが私に課せられた任務だ。


少し開けた場所にでた。そこには、琵琶を持ち灰色の衣を纏う法師のような男の人が座っていた。“あのお方”は、「盲目で琵琶を持った『誠』という男を◯してこい」と命じた。

盲目かどうかはわからないが、目を閉じているのが窺える。

「貴方は誠さんですか?」

「そうです」

誠は、淡々と答えた。

「私は貴方を◯すために来ました」

「そうですか」

誠は、平然としていた。

私は、いつものように戦闘体勢を作った。

そして、素早く誠に襲いかかった。

が…ジャンという音とともに、私の視界は、真っ暗になった。


天の川のような織物で髪をまとめ、上が白色、下が水色の袴[はかま]のような衣を纏った

少女…。可哀想な子だ…。なぜ、こんな酷いことをするのだ、“君”は…。

この子には、今、自分の心がない。そのように変えられたのだ。心がなければ、廃人になってしまう。だから「忠誠心」だけは与えたのだろう。1番使い勝手がいいからだ。自分の心があると、情が入り、強さに歯止めがかかってしまう。言い換えれば、自分の心がなければ、無限に強くなる。だが、それを成し遂げるのは、

極めて困難だ。人間は、自分の心を持って生まれてくるため、心と体が強く結ばれているからだ。他にも、“君”に唆された奴らが何人か、来たが、やはり、自分の心があった。

だから、私の能力と語りかけにより、正気に戻した。よくわからないが、間違いなく言えることは…彼女は、“君”が求めていた特別な力を持った子だったのだろう。だが、私は、許さない。…よし。…


凛とした顔つきで、透き通った双眸を持つ「水龍」にこの状況を説明し、あるお願いをした。

「水龍、交換条件だ。彼女の心になってくれ」

「交換する条件は、なんですか?」

「私が………使力者に戻る、ことだ」

「なるほど、上等な交換条件ですね。もちろん、お受けします」

「…これは…とても“つらい”ことだ。互いにとって…。それでも…」

「いいですよ。僕は、誠さんのお陰で、今、生きていますから」

「優しいんだな…彼女も きっと優しい子だ」

「どうしてそう断言できるん ですか?自分の心がなく、忠誠心のみ存在する子ですよ」

「彼女は、他の子とは違い、『貴方を◯します』と忠告してくれたんだ。普通は言わずに襲いかかるものだと思うが…」

「変な子ですね。だから弱かったのか」

「…弱くはないぞ。私の使力の4分の3ほど、持っていかれたからな。少なくとも、水龍の倍の強さを持っているだろうな」

「せ、せ、誠さんの使力の4分の3!?

…まぁ、いいや。僕にできることは、なんでもしますよ」

「…ありがとう、本当に」

私は、残りの使力で、水龍を彼女の心にとばした。

「2人に幸あれ…」

私は、彼女を抱え、家に帰った。


「それにしても、空っぽだな、ここ」

彼女の心の中に入ってそうそう、僕はそう呟いた。普通の人間の心の中は、色んな感情が取り巻く世界だ。その感情は、水晶のような形状で、点在している。だが、彼女の心の中は、忠誠心を表す透き通った水色の大きな水晶のようなものしかなかった。 (補足:忠誠心🟰感情)

強いて言えば、何かの感情なのか、特に意味はないのかわからない、赤色の小さな水晶のようなものは、あった。

「なんだこれ?不気味…。とりあえず無視して、誠さんが言ってた場所を探すか」

誠さんが言った場所、それは、感情とは異なる、その人の軸となり、作用している場所。

性格を示す場所と言ってもいい。

誠さん曰く、「この子の場合、忠誠心で埋もれているから、見つけるのは困難」らしい。


「やっと見つけた…」

そこには、清水が流れ、少しばかり緑が茂っていた。

「心地いい🎵なんだこれ?空っぽな心の中に、こんなにも豊かな場所が…本当なのか!?

優しいって当たってるかもな…」

少し休んで、さっきから視界に入っている草のベットを見た。

きっと、ここで寝れば、彼女の心になる。

「それにしても、お誂え向きのベットだな。

さも僕専用みたいな感じ(笑)」

そして、僕はそのベットに横たわり、寝た。

ーーー「これからよろしくな」

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初コメ&フォロー失礼します! めっちゃいい作品ですね! これからも応援します!

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