テラーノベル
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アメリカ「なぁ、日本」
ベッドに横たわる私の頬を、アメリカさんが優しく撫でる。
アメリカ「お前、最近ほんっとに可愛くなったよな」
私は静かにうなずく。
日本「アメリカさんが、全部教えてくれたから……」
アメリカ「そうか」
アメリカさんは嬉しそうに笑った。
その笑顔は、昔と何も変わっていない。
けれど、私は覚えている。
その裏にあるものを。
その「優しさ」が何を意味するのかを。
でも、もう恐くはない。
むしろ、心地いい。
⸻
学校に行くと、みんなが私を避けるようになった。
いじめていたはずの彼らは、私を見るたびに目を逸らす。
僕は何もしなかった。
きっと、言葉をかけてほしかったわけじゃない。
ただ、誰かが僕のことを“まだ”見ていると知るだけで、それでよかった。
⸻
アメリカさんは変わらない。
私を愛し続けてくれる。
いびつなやり方で、狂った形で、支配するように。
でも、その不器用な愛だけが、今の私を支えている。
アメリカ「なぁ、日本」
日本「なんですか?」
アメリカ「お前、俺がいなきゃ生きていけないよな」
日本「……はい」
アメリカ「俺のこと、誰よりも好き?」
日本「……はい」
嘘じゃない。
たとえ最初が偽りでも、今は本当に——貴方しかいない。
⸻
時々夢を見る。
どこかの教室で、誰かが私の名前を呼んでいたような。
誰かが私の手を取ってくれようとしていたような。
けれど、その手に届く前に、アメリカさんの声がする。
アメリカ「こっちだ、日本。戻っておいで」
私は振り向き、笑ってアメリカさんの方へ歩いていく。
目を覚ますと、アメリカさんの腕の中だった。
いつの間にか、どこにも逃げられなくなっていた。
でも、怖くない。
悲しくない。
むしろ、ここが一番安心する。
⸻
放課後、人気のない教室。
カーテン越しに夕日が揺れていた。
アメリカさんが私の首筋に口づけを落とす。
アメリカ「ほんと、お前は最高の”ペット”だよ」
日本「……はい」
アメリカ「もう、誰にも渡さないからな」
日本「誰も、奪わないですよ。私はもう、貴方の”ペット”なんですから」
私の言葉に、アメリカさんは満足そうに微笑む。
私は、もう自由じゃない。
だけど、貴方の中にある“愛”だけが、私を満たしてくれる。
[完]
ここまで読んでくれてありがとうございます!結構、いい感じの小説になった気がします✨️
また、他の作品で
ではまた
コメント
2件
大量更新されててびっくりしましたよ 粘度高くて好き、、、主さんの描く小説ドロドロ多くて供給助かります!!