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~🧡~
少し前から付き合っていた恋人と連絡が取れなくなった。
一昨日に「出かける」と俺に電話をかけてからそれっきり。
集められたメンバーもスタッフたちも騒然としている。その中で、唯一めめだけが無表情で遠くを見つめていた。
💛「心配だよな…なぁ、目黒」
🖤「え?ああ、うん」
リーダーの声掛けにも曖昧な態度だ。俺は何か違和感を感じながら他のメンバーと不安を共有する。
🧡「どこ行っちゃったんやろ、阿部ちゃん…」
🩷「前はあんなに元気そうにしてたのにな…」
🤍「何事も無いといいんだけどね」
🧡「せやな」
俺は心の中で必死に恋人の無事を祈った。
不意に、不安や焦燥が押し寄せてきて涙が溢れそうになった。
だめや。みんなが居る前で泣くな。
そう自分に言い聞かせるほどに我慢できなくなり、遂に大粒の涙が溢れた。呼吸も苦しくなってきた。
💙「康二?どうした」
❤️「大丈夫か、康二」
💜「…過呼吸になってる」
🤍「え!落ち着いて!康二くん」
🩷「俺スタッフさん呼んでくるよ!」
💛「いや、俺が休ませてくる」
そう言って、照兄が俺を抱き抱えて別室まで連れて行ってくれた。
🧡「あり、がと」
💛「あんま喋るな。今はとにかく休んどけ」
ぶっきらぼうでも優しいその態度が、憔悴しきった心に染みた。阿部ちゃんとは違う、男らしい頼もしさに気持ちが動いた。
独りじゃ眠れないから、と我が儘を言ったらあっさり照兄は家に入れてくれた。
💛「俺はさ、昔から弟みたいな存在じゃなくて、一人の恋愛対象として康二を見てたんだ」
その夜はそう言われて、俺は夢見心地で照兄に抱かれた。
改めて見る照兄の体はやっぱり逞しかったけど、力量に任せない優しい愛撫だった。
照兄の腕の中で何度も絶頂に達した。
二人で激しく互いを求めあった。
阿部ちゃんのことを思い出すと、胸が締め付けられた。でも、温もりを感じていなければ俺が壊れてしまいそうで、その晩は照兄から離れなかった。
今はただ、何も考えられないようにしてほしかった。
次回に続きます。