E.M side
智の家に来て3日。
練習も再開するから明日には帰らないといけない。
最後にと言ったらなんだけど、展望台まで夜空を見に来た。
ロマンチック過ぎるなと思いつつ、智も楽しそうだからたまにはアリかもしれない。
「あ、流れ星だ」
『まじ?どこ?』
「ほら!あそこ」
『ん〜?…お、ほんとだ。光ったね』
「願い事しようよ」
「消えるまでに3回言えたら叶うんだよな?」
『そんなの久しぶりに聞いたなぁ笑』
「んん…、あ!来た!!」
智は流れ星を見つけると、手をぎゅっと握り合わせて目を瞑った。
どうやら本気で願い事を星に叶えて貰いたいみたい。
「…よし、言えた!」
『ほんと?よかったね笑』
実際は全然間に合ってないけど、智が可愛いから秘密にしておこう。
とっくに星が流れ終えた空に向かって、智は目を輝かせた。
『なにお願いしたの?』
「は?!…いや、その、、」
『教えてよ~?笑』
「えーと…//」
「こういうのは言ったらダメだろ!」
顔真っ赤にしてわかりやすいね笑
智にとって言うのが恥ずかしいことなら、大体予想はつく。
『ふふ笑 そうだね』
『じゃあ俺も願い事しようかな』
「いいじゃん」
きらりと線を描いた星に向かって、俺は願い事を言葉で託した。
『智とずっと一緒にいられますように』
「…ぅえ、?」
『ん?』
『智と同じ願い事したつもりだけど、違う?』
「ち…がう、ちがう違う!」
「もう!言うなバカ!!」
『あれ?当てたと思ったのに』
「違いますー!」
「それに元稀は3回言ってないから叶わないかもね」
『叶えて貰おうと思ってないからいいよ笑』
「え?じゃあなんで…」
目を丸くする智の体を引き寄せて、思いっきり抱きしめた。
『俺と智で叶えたい願いだから』
「…流れ星にお願いして」
『叶えてくれないの?笑』
「返事いる?」
『わかった上で聞いてる』
「また意地悪かよ…、」
文句をこぼすけど、智はしっかり俺の背中に手を回してくれた。
「離れるつもりない」
『うん。これからも一緒にいてください』
「なに、プロポーズ?」
『こんな中途半端なプロポーズする訳ない笑』
「そりゃそうか笑」
『…だけん』
『待っててね。』
「ぇ、、?」
勢いよく顔を上げる智と目が合う。
智の目はキラキラしていて、真上に広がる夜空よりも、流れ星よりも綺麗だった。
暗くてよく見えないけどきっと耳まで真っ赤なんだろうな笑
「…はい。//」
たった一言の返事でも照れ臭そうで。
でもすごく愛おしくて、大切だと思えた。
~~~~~~~~~~~
『体冷えるしそろそろ帰ろうか』
「うん」
『明日からまた1人か~…笑』
「寂しい?笑」
『智がいないけん寂しい』
「俺も寂しい、かも」
『「かも」って、なんで確定じゃないの笑』
「うそだよ笑」
「やっぱ遠距離はたまにしんどいって思う」
『だから会えた時はベッタリだもんね?』
「…さっさと帰るぞ」
『はいはい笑』
「……元稀!」
展望台を降りようとして、突然呼び止められた。
『なに?』
「ちょっと耳貸して」
言われた通りに耳を傾け、少しかがんで智の高さに合わせる。
智は顔を近づけると口元に手で壁をつくり、秘密でも言うような格好をした。
「俺の願い事はね…?」
「元稀が俺の隣にいてくれますように」
『…!!』
びっくりして智を見ると、いたずらっぽくて可愛らしい笑顔を見せてきた。
いかにも、してやったりって感じ。
「言っちゃったから流れ星の意味ないし」
「約束してくれる?」
『もちろん!』
まだまだ智に適いそうにないなぁ笑。 最終的にドキドキしてるのはいつも俺だ。
でも今日の約束を守る日は、絶対にエスコートするよ。
プロポーズする日まで
待っててください。
コメント
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さすがに好きすぎて🤦♀️🫶🏻💞 もうほんとお話の続き待ってました🥹好きなCP×心温まるストーリーで最高です!続き待ってます!!