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バタン、ドアが閉じられる音がする。
刹那、自分の心を支えている〝 何かが 〟壊れて、人の前だからと我慢してた涙がポロポロと落ちる。
…… なんで言ってしまたんだろう、後悔しだって遅いのに。
「 あーあ、… トドメ刺したの僕だったんだ。」
もう壊れたっていい心を、僕を嫌ってる人を刺した訳ではなく、この僕自身だって、嫌なほど脳裏に響く。
―― あの日、僕は〝 二回目家族をなくした 〟。
二回目、ということは僕は一回家族をなくしている。
なのに、その時の記憶が全くという程無い。
ものこごろもついていない時に二人共なくなったんだと思う。
頼れる大人も、友達もいない時に僕を引き取ってくれたのが今のママとパパ。
別に、ご両親と血が違うよ。なんで言われても平気だった。だって僕は今のママとパパが自分の親だって、そう〝 思い込んで来たから 〟。
ただの他人から「 可哀想 」とか思われるのが辛くて、必死に今のママとパパが自分の親だって、思ってきた。
それは小さい頃からのものだったから、簡単に崩れないと思った。
だけど、現実は思ったより残酷だったんだ。
『 おらふくんって、かわいそう。』
『 なんで? とっても幸せだよ僕! 』
『 だって、今のおらふくんのおかあさんおとうさんって、本当のおかあさんおとうさんじゃないんでしょ? 』
『 かわいそうだよ! だって、本当にあいしてもらえてないかもじゃん! 』
納得した、だって、本当のママとパパじゃないもんね。今貰ってる〝 あい 〟が本当の〝 愛 〟かどうかは分からない、… 本当のママとパパの子どもじゃないから。
――― 虚像が壊れたんだ。
僕はこれから、ママとパパに壁を感じるようになってしまった。