※表記 アメリカ→米 カナダ→加
前回の続きです。ギャグ要素なし。
カナダと一悶着あった翌朝、アメリカは
カーテンから漏れ出る陽の光で目が覚めた。 まだ眠い目を擦り、徐に身体を起こす。
米「…くあぁ……眠…」
小さく欠伸をしてベッドから降り、着替えを済ませると一階のダイニングに向かう。
加「あ、兄さんおはよー」
その声を聞いて一瞬 アメリカの肩が震えた。昨晩の出来事が頭を掠め、返事をするのに少し躊躇ってしまう。しかしその一方でカナダは普段通りに微笑んでいる。2人分の朝食をテーブルに並べているところだった。
米「……はよ」
目を合わせることもできないまま、呟くように言葉を返す。
米(気不味…!なんで平気な顔してんだよ、あれだけキモい言葉吐き散らしておいて…)
複雑な心境になりながらも、 椅子に座って 朝食のトーストを頬張った。食欲は無かったが折角用意してくれたのに食べない訳にもいかず、無理矢理口の中に押し込む。
加「どうしたの?なんか元気無いね」
米「誰のせいだと思ってんだか…」
まるで反省の色が見えないカナダに呆れて乾いた笑いが溢れる。できることならば早く、歪んだこの弟を突き放して縁を切ってしまいたい。そんなことを考えながらトーストを咀嚼し、嚥下する。
加「ご、ごめん……でもぉ…」
米「なぁ、頼むから変な気は起こすなよ?」
加「…ちょっとくらい向き合ってくれたり」
しかし結局のところ自分の弟は可愛く、冷たく拒絶することなんて出来やしない。
加「…兄さ、……ぁ、」
何か言いたげだったが、アメリカはそんな様子を無視して立ち上がると台所のシンクに食器を片付けた。
米「俺、これから会談だから。 その話はまた今度な」
手をひらひらと振っては足早に家を出てしまった。
加「…やっぱり理解してくれないんだ」
木製の箱を開け、液体の入った小瓶を手に取る。怪しげに光るそれは所謂媚薬。飲んだ者の性欲を増進させ、 同時に恋心を起こさせる薬。闇市で事前に入手していた。
瓶をぎゅっと握り締めたあと、胸ポケットに隠す。これをアメリカに飲ませることで、仮初の相思相愛が完成するのだ。
加「仕方ないよね?だって人たらしな兄さんが悪いんだもん…」
言い訳とも受け取れる小さい呟きは、 ただ虚空に消えていくだけだった。
それから暫く時が経ち、辺りもすっかり暗くなった頃だろうか。玄関から物音がするかと思えば、何故かやけに騒がしい。
米「かなだーっ!愛しのにぃさまが帰ったぜぇ〜!」
日「アメリカ、こんな時間にあまり騒がないでください…」
急いで駆けつけてみれば、完全にへべれけ状態のアメリカを日本が家まで送ってくれたらしい。変にテンションが高いのは酒の所為か。
加「日本、わざわざありがとうね。後は僕に任せて」
日「では失礼します」
軽く会釈した後、日本は家を後にした。
………。
これって絶好のチャンスじゃない!?兄さんが他の男と飲みに行くのは想定外だったし勿論許せないけど、でもこんなに酔っ払った完全に無防備な兄さんになら簡単に媚薬を飲ませられる!!!
リビングに移動し,アメリカをソファに座らせた。
加「兄さん、とりあえず水飲もうか」
媚薬入りの水が入ったコップをアメリカに渡す。
米「ん……ぅ、」
何の疑いも抱かずにそのまま水を全て飲んでしまうと,その微々たる甘さに小首を傾げる。
米「なんか甘くね……?」
加「そ、そう?普通の水だけど」
アメリカは特にそれ以上言及することもなくコップを机の上に置いた。
水に混ぜ込んだ媚薬は即効性だ。あと数分も経てば蕩けた顔が見られる、と期待に胸を膨らませて様子を伺う。
すると、アメリカは予想通り段々と顔が火照っていく。
米「ぁ゛…?……テメェ、なんか盛ったろ…」
加「どうしたの兄さん?僕は何もしてないよ」
米「嘘つけ、口角上がってんぞ…やけに嬉しそうじゃねぇか」
やはり兄に嘘はつけないようだ。表情から全てを悟られてしまった。
加「…振り向いてくれない兄さんが悪いんだよ」
米「お、ついに開き直ったか」
おかしそうにけらけらと笑うアメリカ。
米「まぁいい…俺をその気にさせた責任、ちゃんと取ってもらうぜ?」
なんて言いながら、ひょいとお姫様抱っこの形でカナダを持ち上げ寝室に向かう。
加「は、ぇ……、へ?」
思わず間抜けな声が出てしまった。本来ならば立場は逆のはずだったのだが、寝室に着くとベッドに放り投げられる。
加「うわ、ちょっ…扱い雑じゃない!?」
しかし、そんな心情などお構いなしに押し倒されてしまった。
米「はーっ、はーっ……♡」
完全に発情した雄の目をしている。カナダの声すら、最早届いていないようだ。
加「に、兄さん、待っ…!?」
制止を促すも徒労に終わり、半ば強引な接吻で口を塞がれる。
加「んぐ…っ、ぅ….んん…」
互いに舌を絡ませ合い、唾液を交換するような深いキスを交わす。口内を犯されていく感覚にビクッと肩を震わせた。
やっとのことで口を離すも、服を乱雑に脱がされてしまう。
加「…………調子乗らないでよ」
アメリカの両手首を掴んで押し倒す。
米「…は、……?」
未だ自分の置かれている状況をうまく掴みきれておらず、困惑しているようだ。
加「兄さんは下、でしょ?」
ふふ、と悪戯に笑う。するとアメリカの顔は徐々に青ざめていく。
米「やめろ、俺はネコなんて御免だぞ!!」
加「酒入ってるのに勃つ訳ないじゃん、大人しく僕に抱かれなよ」
米「…最悪だ」
そうして弟に徹底的に抱き潰された後、アメリカは三日間 1人で立つことすら叶わなかったのだとか。
おしまい もう続きません
コメント
3件
うわぁぁ あ 更新 最高 です ッ ... この後の展開が 妄想で 埋め尽く されていく .. これが 補給 なんですね ッ !! そして とても 読みやすかったです ッ 文才が 光っています ( 泣 )
大変長らくお待たせいたしました。濡れ場は書けませんでした、ごめんなさい。日常の中にエロさを見出しましょう。