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たくさんの歓声と拍手が僕達の10年間を肯定してくれているような気がした。夢のような景色、いや夢よりもっと綺麗で輝いていて尊い景色。
「もっくんありがとー!!」
「ありがとー!大好きー!」
精一杯の感謝を込めて手を頭の横でひらひらと振りながら振り返らずにステージを降りる。
今振り向いたらきっと泣いてしまうから。この景色をいつまでも見ていたいと思ってしまうから。ミセスのフロントマンとして、常に先のことを考えないといけない。現状に満足して立ち止まってなんかいられない。
ステージを降りて楽屋に戻りメンバーとスタッフとちょっとした打ち上げをした後、今日はゆっくり休んで欲しいから、と早めに僕達をホテルに送り届けてくれた。ライブの日はいつもこうだからありがたい。
ライブの高揚感と余韻と何とも言えない喪失感を抱きながら車に揺られ、ホテルに到着した。海風が心地いい。 お疲れ様でした、と送ってくれたスタッフと別れると僕達は部屋に入った。
部屋に入るや否や、僕は2人を思いきり抱きしめた。今日が終わってしまう喪失感に耐えられなかった。2人はびっくりしていたものの、優しく抱きしめ返してくれた。何を言うわけでもないが、俺達はここにいるよ、と言ってくれているようで強い安心感を覚えた。
「ありがとう、」
10年。長いようであっという間だった。色々なことがあったけど、2人は僕の我儘な要求にもいつだって笑顔で応えてくれた。嫌な顔せず着いてきてくれた。1人じゃ成し遂げられなかったこと、見れなかった景色を3人で叶えることが出来たということへの感謝を込めてそう呟いた。2人の顔は見えなかったけれどきっと同じ気持ちでいてくれているだろう。
柄にもなく、涙が溢れた。ステージに立っている時はミセスのフロントマン大森元貴として自分を律しなくてはいけなかったけど、ようやくそのレッテルが剥がれて2人の前でだけはありのままの大森元貴でいられる。
しばらくそうして抱き合っていて、気持ちが落ち着いて来たので涼ちゃんは一足先に部屋に入っていった。きっと気を使ってくれたのだろう。僕は若井を連れて寝室に向かった。
〜 wki side ~
元貴に手を引かれて寝室に入る。こうなるだろうとは思っていた。元貴はライブの日は特に酷い喪失感に襲われる。この間だって、ホテルに帰る車の中で俺に擦り寄って来て、涼ちゃんやスタッフさんを困らせていた。人の温もりでそのどうしようもない孤独感を埋めようとしてるんだろう。俺が一緒にいることでその気持ちが満たされるなら本望だった。
ベッドに押し倒される。俺より小柄なものの筋肉があるせいであまり抵抗出来ないがするつもりもなかった。今は元貴のしたいようにさせてあげよう。
俺に覆いかぶさってきた元貴の息は荒く、その瞳は寂しさに揺れていた。さっきまでステージでたくさんの人に囲まれて堂々と歌って踊っていた彼とは思えないほど弱々しく、1人の人間としての大森元貴がそこにいた。
普段とは違う様子の彼に見とれているとその顔が段々と近づいて来たので俺はそっと目を閉じた。
唇に何度か柔らかい感触がして少し口を開けると舌が中に入って来た。濡れた舌が絡み合い、くち、くちゅ、といやらしい音が響いた。
お腹辺りに固いものが当たる感触がしてふと目を開けると、元貴の腰が揺れていた。本人はキスに夢中で気づいてないみたいだけど。無意識に擦りつけてくる元貴が可愛くて、我慢の限界だった。
「元貴、」
「ん、っ?」
唇を離し、蕩けた瞳で見つめてくる元貴の背中に手を回して一気に横に倒れるとそのまま覆いかぶさって元貴を見下ろす形になった。突然のことにびっくりしている彼を他所に服を捲り上げて首、お腹、腰、胸とキスを落としていった。
「や、っあ/」
口付ける度に背中を反って甘い声が漏れてる。俺はキスをしながら少しずつピンクに勃っている突起に近づいていった。周りを指でくるくる撫でたり、舌先で舐めてやったりすると大きな声が出て恥ずかしそうにするから自然と口角が上がる。しばらくそうして遊んでいると、元貴が俺の腕を掴んだ。
「わかいっ、先っぽも触ってえ/」
涙ながらに訴える元貴が可愛くて、彼の限界まで腫れている突起を左手の親指でふにふにと弄りながらもう片方を丁寧に舐め上げた。
「っあ、だめっ、/」
到底嫌がってるようには見えない程に反応する彼は、焦らしたお陰で敏感になった突起に触れる度、びくんっと腹筋に力が入って身体が縮こまる。
ふと辛そうにしている下の方が目に入った。俺は彼のズボンのチャックを開け手をかけて下ろした。グレーの下着は彼の先走る体液と汗で中心が黒く染まり、先っぽまでくっきりと形が浮き出ていた。はち切れんばかりのそれは、俺が彼の突起を触る度にびくんっと動いてまるで生き物のようだった。
俺は左手は止めずに、右手で彼の中心を下着越しに撫で上げた。敏感な彼はさっきより少し大きく可愛らしい声を出した。最近忙しかったせいでだいぶご無沙汰だったんだろう。少し撫でただけで先端から糸を引いた。
元貴は顔を赤らめて苦しそうに息を荒らげているけど、それと同時に何かを期待しているようにも見えた。
下着越しに少しだけ先っぽを刺激してやると、くちゅっといやらしい音をたてると同時に元貴の腰が跳ねた。そのまま人差し指でくるくると撫でるとさっきまでとは違う甘いけど少し掠れて雄っぽい喘ぎが聞こえてくる。
「あ”っ、/や、だめっいぐっ、/」
「まだだめだよー笑」
元貴が達しそうになると、刺激するのを止める。それを繰り返して感度を最大まで上げていく。まだ下着脱いでもないのに、今日はいつもよりかなり早いらしい。
元貴のぐちゃぐちゃになった下着に手をかけてやっと下ろしてあげると、彼の身体に見合わないほど大きいそれはお腹につくくらいに勃っていて、元貴の汗と雄の匂いを感じて喉がなった。
膝を立てて少し開かせると恥ずかしそうに横を向く元貴を見下ろしながら、ゆっくりと上下に扱いてあげる。元貴のそれはかなり熱を持って濡れていて、いつも以上に固くなっていた。
「っあ、、わかいぃ、/」
蕩けた瞳で甘く俺の名前を呼ぶ元貴が堪らなく愛おしい。俺以外誰も見ることが出来ない元貴の夜の姿。その優越感に浸りながら動かしている手を早めた。
「あ”っ、ん”っ、わかい、だめくる”っ、/」
「いぐっ、//」
掠れる声でそう宣言した後足ががくがくっと震えて腰が大きく跳ねたかと思うと彼は俺の手の中で果てた。濃厚な白濁液が彼のお腹と俺の指にかかった。はー、はー、と浅い呼吸を繰り返す。
「いっちゃったね」
元貴は目を瞑って何も言わない。このまま眠ってしまいそうだ。疲れてるのはわかるけど、俺はまだ全然満足してない。俺をこんなにした責任取ってよ。
「元貴、もっかいだよ」