「やっぱりお前じゃないとダメ。」
「都愛もわがままだけど俺だって同じくらいわがままなんだよ。」
優しく包み込まれた身体、背中に回された手に服を強く掴まれた気がした。
『……わたしも、好き』
少し一緒にいただけでも見えてしまう女の人の影からずっと目を逸らし続けてた。
どうせ遊ばれるだけなんだからそんな人やめときなって言われても
その頃には簡単にやめられるような好きじゃなくなっていて、
いつかきっとわたしにその目を向けてくれるって特別になれるって思っていた。
ダメな部分も全部引っ括めて好きで仕方なくて
きっと何があってもわたしはこの人じゃなきゃダメなんだって。
真っ直ぐな言葉に目頭が熱くなりこのまま目を開けていたら
涙が溢れだしてしまいそうだと思った。
『っ……でもわたし、わがままだよ』
「俺だってそうだよ」
『女の人と仲良くしてるのとか絶対嫌だし、2人きりとかで会われたらすっごい怒る』
「今後一切そういうのねーから。ほんとに都愛しか見えてねーんだよ、俺」
必死な言葉に笑ってしまう。
背中に回されていた手を解いて顔を見ると目と鼻が少し赤くなっている。
それを見て我慢していた涙が頬を濡らした。
『ローレン』
「ん」
『絶対、離さないでね』
「言ったな?お前が離してーって言っても絶対に離さねーからな?」
『言わないよそんなこと』
今まで見たことのないくらい優しくて甘い目を向けられて、
ぐすぐすと子供みたいに泣いてしまった。
そっちだって泣いてるくせにそんな泣くなよなんて笑われる。
好きになった日からずっとこうなるといいなって思ってたんだから
今日くらい許してほしい。
ローレンの目がわたしに向くなんて奇跡とかそのレベルのもんなんだから。
「一瞬目閉じてよ」
『一瞬ね』
言われるがままはい、と目を閉じるとほんとにほんとーに一瞬触れるだけのキスをされた。
驚いてばっ!と目を開けると目が合ってとてつもなく恥ずかしくなる。
「やべえ幸せすぎるかもしれん顔が溶ける」
『……もう終わり?』
「終わり!!終わりに決まってんだろ悪いけど俺お前が20歳なるまで手出すつもりはないから」
『変なとこ真面目だよね』
「うるせーよ」
大切に思ってくれてるからこそだからいいんだけど。
惚れた弱みってやつなのかきっと今まで遊んできた女の子達が見たら
ドン引きするくらいにでろでろに溶けた顔をしているローレンをみてもときめきが止まらなくて、
多分、負けないくらいにやにやしている。今のわたし。
コメント
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え、地味にセンシティビティーで好き♡ おめでと、末長く幸せになりやがれください、