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「相手が余一人だけなら勝てると思うならかかってくればいい」 「もちろんだ。言っておくが、瑠奈の娘だからといって容赦しないからな」
「恭平、ダメだよ。少しは手加減してあげて」
母親のくせに間男が娘に暴力を振るおうとするのを止めもしない。性根が腐りきっている。不倫したから腐ったのか、腐っているから不倫したのかは定かではないが。
何が〈少しは手加減してあげて〉だ。余もおまえたち二人に一切手加減する気はないけどな。
間男はナイフまで用意していた。見せびらかすようにそれを手に持って余に突進してきた。瑠奈とは運命の恋と言っていたはずだが、運命の恋人の娘をナイフで傷つけるのはいいのか?
いじめられっ子ならナイフで脅せば震え上がると思っているのだろう。こんな外道を運命の恋人だとありがたがる瑠奈も同類であり同罪だ。
間男は躊躇なく余に向けてナイフの刃を突き出してきたが、余はその刃ごと手のひらで握ってみせた。少しは皮膚が切れて血が出ただろうが、筋力に差がありすぎて間男はもう何もできない。