コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
何だか、生暖かい、、、誰かの温もりを感じる。
そう思い重い目蓋をこじ開けると、
黒髪でボブの美しい青年が自身の膝に僕を寝かせ
上から其の角張った大きな掌で僕の顔を包み込んでいた。
「お早う御座います、ニコラーシャ。」
また永く睡ってしまいたい程に、心地良い。
男らしく低音だが、人間国宝が手に縒りをかけて作り上げたグランドピアノの様な寛美な音色が僕の鼓膜を震わせた
確か、、、僕の名前はニコライ・ゴーゴリで、
彼の名は「そう言えば云い忘れていましたよね。
僕の名前はフョードル・ドストエフスキー。フェージャとお呼び下さい」
沢山の記憶の中から思い返しているとそれを察したのか彼が先に答えを示す。
こうして眼の前の彼。
フョードル君との同棲生活が始まった訳だが、彼はとても優しく右も左も解らない僕に色々な事を教えてくれた
でも、ごく偶にとても怖いときがある
「あの人は、!!!ニコラーシャはそんな事しません!!」
そう声を荒げ怒鳴る彼は正に異常で、僕はそっと、ヒリヒリと傷む頬を抑えた。
「、、、、、、ごめんね、!もっと頑張るよ!!」
犇々と感じる怒気に一生懸命赦してもらおうと微笑み掛けるが、其れは火に油を注いだ様で
僕の身体は彼によって大理石の床に叩き付けられた
防ぐ暇も無く頭を打ってしまった僕の身体があっという間に大きな影で包まれる
「どうか、僕の全てを受け入れて下さい、」
嗚呼、僕は彼に愛されているんだな、、、
あの人の優しさに触れる迄、ずっと、そう思い込んでいた
next→100