「ねぇ拓実。俺たちさ、別れよ」
「……は?」
話がある、と言われて景瑚くんの家へ来たら突然、別れ話をされた。俺は景瑚くんが好きで、景瑚くんは俺が好き、そう思っていた。いや、それが当たり前だと思っていた。だから、彼から発せられた言葉を受け止めることができなかった。
「なぁ、今、なんて…」
信じられないほどに声が掠れ、小さくなった。なぁ、景瑚くん。俺のなにがあかんの?なにが気に食わんかったん?言ってよ、言ってくれたら直したんよ、俺。景瑚くんを愛してるから。
「だから、別れよ。俺たち」
「別に、拓実が悪いってことじゃないよ。俺と拓実が釣り合ってる気がしなくて」
「……だから、ね?拓実はさ、かっこいいから俺より何倍も可愛くて綺麗でいい人見つけて幸せになってね」
「なん、」
「俺は、拓実に幸せになってほしいの。同性愛者をあんまりよく思ってない人もいるし。それで拓実になんかあったら嫌だから別れよ。ごめんね、それじゃあ元気でね」
なんなん、勝手に決めつけんといてや。俺は、景瑚くんがおるから幸せなんに。景瑚くん以外の他のやつと付き合っても、幸せになんかなれん。景瑚くんがおらん人生なんて、考えられん。それに、その綺麗な瞳に俺以外のやつが映るって思うと吐き気がする。景瑚くんの隣は、俺だけやろ?なぁ。
「なんで1人で話進めとるん?」
「…拓実?腕、痛いから離して…ッ」
「勝手に、決めつけんといてや。俺、景瑚くんとおるから幸せなんやで?」
「景瑚くんはさ、いい人見つけてね、って 話したやん?俺にとっていい人は景瑚くんしか居らへんから」
「それが伝わらんかっただけやろ?じゃあ身体に教えたるわ。俺が景瑚くんをどれだけ愛してるか」
「ぁ゛ッ、ぅ……ッ!!」
パチュン、と卑猥な音が鳴り始めたのは、何時間前だろうか。ギシギシと軋むベッドの音、ガチャガチャと両手を飾る金属の音、濁点のついた景瑚くんの喘ぎ声。全て俺の興奮材料になる。結合部からはグチュグチュ、という音が聞こえて、ベッドには汗やら吐き出した欲やらでベタベタになっている。普段、あんなにスマートでかっこいい景瑚くんが、俺の下でぐちゃぐちゃになって、鳴いてると思うと、俺だけが見れる景瑚くん。という優越感に浸る。そんな優越感に浸ったまま、景瑚くんの細くて長い首に手をかける。なにをされるのか悟った景瑚くんは、綺麗な瞳を、俺に「やめて」と抗議するように大きく開いた。息ができるよう、コントロールしつつ、首を締めると、喉からカヒュッ、という細い音が聞こえた。その音すらも愛おしいと思える俺は、尋常じゃないのだろうか。パッ、と手を離し、直ぐに深いキスを落とす。
「んッ……ふ、あ……」
吐息混じりの甘い声を、隙間から出す景瑚くんが愛おしくてたまらない。蕩けた目、ただ甘い声を出すだけの口、俺がつけた噛み跡と紅い花で咲き乱れてる身体、全て俺がしたことだと思うと、嬉しさで笑みがこぼれる。
「はっ……、なぁ、今誰のこと考えとる?」
「たくみッ、たくみらけッ……〜〜〜ッ!!」
俺のことだけを考えてる、と言われて、更に興奮する。もっともっと、壊してみたくて、壊してみたらどうなるんだろう。ただその好奇心と欲望に従って、腰を激しく打ち付けると、面白いくらいに跳ねる身体。顔は、快感と苦しさでぐちゃぐちゃになっている。その顔がもっと見たくて、また腰を打ち付ける。そうしたら、一回目よりいい所にあたったのか、出しすぎて色が薄れている欲を吐き出す。
「ぅ、ぁ……ッ」
気持ちよすぎて声も出ない景瑚くん。イッた余韻で、身体がビクビクと痙攣している。でもまだ、俺は満足していないため、愛してるの言葉を全力で伝えるかのように、ラストスパートをかけた。
「たくッ、たくみッ……!!すき、らいすきッ、、!!も、たくみ、らけ……ッ!!」
急にそう言われ、思考が固まる。だが、すぐにその言葉を理解した。やっと言ってくれた。俺が、ずっと欲しかった言葉。嬉しさで思わずニヤける。あぁ、とうとう俺のものになった。
「俺も大好やで、景瑚くん。絶対、離さんからな……?」
なぁ、景瑚くん。俺、あんたのこと離す気ないからな?ずっと、ずーっと、俺のもんやからな?愛してんで、景瑚くん。
kg受けのよさが広がるといいな…💖
コメント
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ノベルで 読み終わったあとこんなに満足感が有りまくってるの初めて 、 、 けご受け大好きです 🤧
けご受けの良いとこ全部詰まってる…!!たくみ攻めなのも最高!!