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#極道
鷹槻れん

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latte
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「修太郎、久しぶりね」
(お二人は親しげにお互い下のお名前を呼び捨てにし合うほどの仲なのですね……)
そう思うと、私はいたたまれない気持ちになった。
思わず健二さんの後ろに隠れようとふらりと揺らいだら、彼女――佳穂さん?――に目敏く見つけられてしまう。
「そちらが……健二の許婚のお嬢さん?」
佳穂さんの視線を受けるように、健二さんに背中を押されて前方に押し出された私は、穴があったら入りたい気持ちで一杯だった。眼前のすらりと背の高いスタイル抜群の彼女に比べたら、私は胸もペタンコ、おまけに背も低い、チンチクリンな子供みたいで。
そう思ったら、知らず身体が震えてしまった。
そんな私を、佳穂さんが値踏みをするように見ておられる……気がした。
「……は、初めまして。ふ、藤原、日織と……申し、ます……」
その視線から逃れたい一心で何とかそれだけを言うと、私は手にしたバッグの持ち手をギュッと握りしめてうつむいた。
と、そんな私の手を、いつの間にかそばに来ていらした修太郎さんが、そっとにぎってくださる。
私は修太郎さんの行動が信じられなくて、目を見開く。その表情のままに彼の横顔を見つめたら、無言で微笑みかけていらして……。そのお顔が「大丈夫だから」と言ってくださっているようで、私は嬉しさと申し訳なさで、鼻の奥がツンとするのを感じた。
だって目の前にいらっしゃるのは……修太郎さんの許婚のかたかもしれないのに……なのに修太郎さんはそれを気にしなくていいとでも言うように私を気遣ってくださる。
こんなにして頂いて、これ以上のことを望むのは、いけないことに思えてしまった。
佳穂さんは修太郎さんのそんな一連の行動をご覧になられても、いっかな意に介した素振りをお見せになられなくて、そればかりか、花がほころぶような美しい笑みを浮かべられる。
ある意味その表情は、勝ち誇った女性の余裕にも見えてしまう。
「ごめんなさい、日織さん。私のほうの自己紹介がまだだったわね。私は四谷佳穂。そこにいる健二の幼なじみなの」
(健二さんの幼なじみということは、彼と同い年の二十四歳でしょうか? 私と四つしか離れていらっしゃらないのに、とってもとっても落ち着いた大人の女性の魅力をお持ちなのですっ!)
そう思って見つめていたら、健二さんが横あいから口を開かれる。
「幼なじみって言っても彼女、俺より四つ歳上の二十八ですから」
日織さん、絶対いま、俺と同級生だと思って佳穂のこと見てたでしょう?と付け加える健二さんに、私は「え?」と思わず声を出してしまう。
と、そんな健二さんの両頬を、佳穂さんがムギュっと思い切り掴んでいらした。
「ちょっと健二。女性の歳をバラすとか、良い根性してるじゃない?」
うりゃうりゃ!と言いながら掴んだほっぺをギューッと引っ張っておられる佳穂さんの、見た目との迫力に気圧されて、私は思わず一歩たじろいだ。
そんな私の肩を、後ろから修太郎さんがそっと抱きとめてくださった。
「……修、太郎さん……」
そっと小声でお名前をお呼びすれば、肩にかかった手にほんの少し力がこめられる。
「とりあえず、中、入りましょう」
赤くなった頬をさすりながら、健二さんがおっしゃるのへ、佳穂さんが私を振り返っていらっしゃる。
「日織さん、さ、行きましょう!」
修太郎さんに支えられてぼんやりと立つ私の手を素早くサッと握ると、佳穂さんが修太郎さんから私を引き剥がすようにしてお店の入り口に向かって歩き出す。
健二さんと修太郎さんが、その後を慌てて追う形で入り口をくぐられた。
「正午に四人で予約を入れてる神崎です」
と、佳穂さんがおっしゃると「お待ちしておりました」とウェイターさんが恭しく頭を垂れた。
コメント
2件
かほさん、なんか好き🤭
うわああ今回もエモかったです…!😭💕佳穂さん、最初は余裕のあるお姉さんキャラかと思いきや、健二さんのほっぺムギュって掴むギャップにやられましたwwwめっちゃ可愛いじゃないですか!!そして修太郎さんの「大丈夫」の無言の気遣い…あれは反則ですよ、ズルすぎます…😇💘日織ちゃんの立場を思うと胸がきゅっとなるけど、このもどかしさが醍醐味ですね!!続きどうなるの気になりすぎる〜!!🔥