テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
国連本部の超ブラック残業をエリート並みの事務処理能力で秒殺した翌日、待ちに待った休日がやってきた。イギリス家の広大な庭とリビングは、それぞれの趣味に没頭する旧国たちと、それに巻き込まれる現国たちで、実に賑やかな光景が広がっていた。
雲一つない青空の下、庭の縁側では、長男の日帝(陸)が静かに座り込んでいた。その手元には、神様に戻してもらった魂とも言える美しい日本刀。日帝は軍帽子を傍らに置き、ピコピコと動く黒い猫耳としっぽを心地よさそうに揺らしながら、シュッ、シュッ、と一定の小気味よいリズムで刀を研いでいた。
「ふぅ……。やはり休日の精神統一には、これが一番ですね」
「父さん……お願いだから、住宅街のど真ん中で笑顔で真剣を研ぐのはやめてください。近所の人に通報されたら言い訳できません……」
隣で日本がハラハラしながらお茶を差し出す。しかし、当の陸(日帝)は
「大丈夫ですよ日本、私の刀の扱い(間合い)は完璧ですから」と、相変わらずズレた方向の鈍感さを発揮して微笑むのだった。
そんな陸のすぐ近くの芝生では、これまた物騒かつ熱い交流が行われていた。黒い軍服のナチスと、白い軍服の次男・海(海軍)が、シートを広げて地べたに座り込んでいる。二人の間には、油の匂いが漂う複数の美しい軍用銃が並べられていた。実は海とナチスは、陸(日帝)が常に刀を持ち歩いているのと同じ理由(軍人の誇りと魂)で、常に自分のお気に入りの銃を持ち歩いているタイプの人間だった。
「ほう……。海の海軍が採用しているこの九九式短小銃……ボルトの滑らかさといい、木目の美しさといい、実に素晴らしい職人技だな。東洋の技術も侮れん」
ナチスがギザギザの歯を覗かせ、ニヤリと笑いながら海の愛銃の銃身を撫でる。
「フフ、ナチス先輩にそう言っていただけると光栄です。ですが、先輩のそのモーゼルC96(自動拳銃)の、このメカニカルな美しさと洗練された装弾機構には到底及びませんよ。やはりドイツの工業技術は、俺たちの憧れです!」
海が鮫のしっぽを嬉しそうにパタパタと左右に揺らしながら、熱っぽく自慢の銃を見せ合っている。陸、海、空の中で唯一
「しっかり者の常識人枠」に見える海だったが、その本質はナチスと対等に兵器の良さを語り合えるガチの軍人エリートだった。二人の間には、現国たちが入り込めない異様な
「武器オタクの熱い絆」が形成されつつあった。酒飲みの絆:ソ連とロシアのウォッカ二次会一方、リビングのソファでは、地響きのような豪快な笑い声が響いていた。
「ガハハ! ロシア、現世のこの『ベルーガ』というウォッカは、喉越しがガツンときて最高だな!」
「だろ、親父? 復活祝いに一番いいやつを仕入れておいたんだ。さあ、もう一杯いこう」ソ連とロシアの大型親子は、昼間から机の上に大量の空き瓶を転がし、楽しそうにウォッカを酌み交わしていた。
「あいつら小っちゃい(ナチスと日帝)のは外で武器をいじって元気だな」
「本当ですね、親父。僕たちはここでじっくりアルコールを入れましょう」と、身長トップ2ならではの呑気な空気で、リビングのアルコール濃度を限界まで引き上げていた。
そして、一番平和(?)なキッチンでは。
「ふんふふ〜ん♪ 今日はイギリスの炭クズとは違う、本物のマルゲリータを作るんね〜♪」
包帯姿のイタ王が、楽しそうに鼻歌を歌いながら、小麦粉まみれになってピッツァの生地をパチパチと捏ねていた。前日、イギリスの暗黒物質(ピッツァ)によって胃袋の尊厳を破壊されかけたイタ王だったが、自分の得意分野となれば話は別だ。現国のイタリアも
「わあ、昔の俺、トマトソースの酸味が完璧だよ! これなら最高のピッツァになるね!」と助手として大はしゃぎでお手伝いをしている。キッチンから漂う、にんにくとバジル、そして香ばしいチーズの最高の匂いが、イギリス家のリビング全体を満たしていく。
「ん……。なんだか、とても良い匂いがしてきましたね……」
庭で刀を研いでいた陸(日帝)の猫耳が、匂いに釣られてピクピクと可愛らしく動く。旧国たちがそれぞれの「魂」や「趣味」を全力で満喫する中、イギリス家の休日は、昨日までのピリピリした戦火を感じさせない、どこか温かく、そして相変わらずカオスな日常の光景に包まれていくのだった。
335
#カンヒュGL
ちびすけ📺️@🚥拡散希望
466
#シェアハウス
コメント
1件
第13話、読み終わりました! 前話の緊張から一転、旧国たちの休日がめちゃくちゃカオスで微笑ましかったです(笑)。日帝が住宅街で真剣を研いでるのに日本がヒヤヒヤしてる構図、たまらないですね。ナチスと海が銃の美しさを語り合ってる熱量も「武器オタクの絆」って感じでツボでした。イタ王が本気のピッツァ作ってるのを見て「ようやく食べ物が安心できる……」とホッとしました。ソ連とロシアの酒豪ぶりも安定の破天荒さで、それぞれの「魂の趣味」が垣間見える、いい日常回でした!